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第33話 パーティーに参加してみた
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砦でヒデヨシがルビアに血祭りに上げられている頃、ケイは思ったより順調に冒険者としてのスタートを切っていた。
欠員が出たパーティーがメンバーを募集しており、ケイが新たな仲間として勧誘されたのだ。
理由はいろいろあるだろう。
ケイがホムンクルスという亜人種であるからこそ低い報酬で雇うことができ、しかも攻撃魔法のスキル持ちなのでお得だったのかもしれない。
メンバーはリーダーで剣士のリガード(LV82)、戦闘も治癒も可能な武装神官(女性)である指紋(LV71)、貴重な収納魔法持ちで偵察担当のハーフゴブリンのジェフ(LV60)だ。
ケイはAB級というへんてこなクラスなのでレベルでいうとLV70~90という変動型らしい。
ちなみにハーフゴブリン(母親が人間の魔術師)のジェフも亜人族なので表向きはケイと同様に安価な報酬らしいが、実際はリーダーのリガードからギルドを通さずに別途ボーナスを貰っているとのこと。
亜人族へは塩対応なパーティーが多い中、ここはちゃんと実力に見合った報酬を支払ってくれそうだ。
その点も気に入ってケイはリガードの話を聞くことにした。
「実は俺たちではぐれドラゴンの討伐依頼の最中だったんだけど、一人欠けちまってな」
リーダーのリガードがこれまでの経緯を話し始める。
恐る恐るケイは訊ねた。
「あの… まさかそのドラゴンに…?」
「いやいや! 違うんだ。ドラゴンに遭遇する前に欠員が出ちまってな、仕方なくギルドまで一旦戻ったところでお前さんに出会ったって訳さ」
リガードは長身で鬼の様にいかつい強面、頭髪は逆立った金髪というまさしく動く仁王像の様な男であったが、誰に対しても物言いは優しく紳士的だ。
「あー、それにパーティを抜けた奴も命に問題があったわけではないし、今も健康そのもので暮らしているから気にしなくていいよ」
ここでケイは不思議に思った。
ではそのメンバーは討伐途中なのにどんな理由でパーティを抜けてしまったのだろう?
横でずっと聞いていた指紋が口を挟んだ。
「なぁリガード! これちゃんと言った方がいいって!」
彼女がリガードの方に振り向くと、その長い艶やかな黒髪が優美な曲線を描いて美しく宙を舞った。
それはまるでシャンプーのコマーシャルを見ている様だったが、リガードは全く気にせず、むしろちょっと困ったような顔をして答えた。
「し、しかしだなぁ…」
リガードの横ではハーフゴブリンのジェフがバツ悪そうに顔を逸らしている。
「あぁもう! 私から言うわ! このジェフがさ、魔法攻撃担当の若い女の子の尻さわって泣かしたのよ!」
「えぇぇぇぇ…」
ケイは呆れ返った。
身長150センチくらいだろうか。
容姿はゴブリンに近いが無駄に綺麗な銀色の短髪を持つその男、ジェフは恥ずかしそうに口を開いた。
「いや、こりゃ俺のなんていうか性分ですんで、ある意味致し方ないでやんすよ~」
コイツここにきて開き直りやがった!
ケイは更に呆れ返った。
確かにゴブリン族は生殖能力旺盛で見境なしに同族はおろか人間族の女性まで襲いまくるのでタチが悪い。
ハーフゴブリンなのでそっち系統の血筋はどうしても入ってくるのは仕方がないにしてもその言い方…
ジェフは満面の笑みを浮かべてケイへ話しかけてきた。
「あ、あのケイちゃん、あっしは大丈夫ですから安心していいっすよ!」
いきなりちゃん付けされたケイは呆れるを通り越して固まってしまう。
「いやさすがにホムンクルスは俺の性的趣向からは外れてるんで~!」
そう言った瞬間、至近距離にいた指紋の裏拳がジェフに炸裂して彼は部屋の隅に吹っ飛んだ。
(裏拳を使う神官は初めて見たかもしれない)
「だから言い方には気をつけろ!って前にも散々言ったわよねっ!!」
「あ、あいっ す、すんましぇんっ しもんたん」
「たん付けすんなっ このエロジェフっ!!」
今度は指紋のブーツの先端(金属ガードが貼ってある鋭利な箇所)が滑る様にジェフの喉元に刺さった。
「ぐえっぽ!! あ、有難うございますっ!!」
相手が普通の人間なら即死しているところだろうが、ジェフはちょっと…いやだいぶ喜んでいるようにも見えた。
ケイはだんだん不安になってきた。
大丈夫だろうかこのパーティ…
ちょっと顔が青くなっているケイに慌てて指紋は笑顔を繕いながら釈明した。
「あ、こいつ身体だけはくそみたく丈夫だから、思いっきり突っ込んでも問題ないの」
「ケイちゃんもこいつが変なことしたら遠慮なくぶっ飛ばしていいからね!」
ケイは「いやそういう訳にもいかんじゃろ」と思いながらジェフのまんざらでもない表情を見ていると、やっぱりぶっ飛ばしてもいいかなと考えた。
少し離れて様子を見ていたリガードがタイミングよくまとめにはいってきた。
「ま、こんな感じで気を使わない気ままで遠慮なしパーティなので、安心して入ってくれ!」
なんかまとめに全然なっていない気がしたものの、他に混ぜてくれる様なパーティもなく、ケイはここの一員になることにした。
さて肝心の依頼内容だけどこういうことだった。
魔王城炎上事件で、地上に落ちてきた手負のドラゴンがブレスマス帝国ジントリフ領の西端で暴れているらしい。
その場所は運悪くエルガナット皇国との国境に近い場所らしく、下手にドラゴンが皇国領に侵入してしまうと色々と帝国と皇国間で面倒な問題になるとのこと。
まぁそうなる前に、ジントリフ領内にいるドラゴンをさっさと片付けてしまいたいという事だろう。
ただ、そのドラゴンは爆発炎上に巻き込まれた影響(バグ発生?)で暴走しており、稀にLV100以上の破壊力を出すことがありかなり危険。
既にいくつかのパーティが全滅しているとのこと。
そんな危険極まりない個体が地上を彷徨っているとしたら普通は「運営」が「天使」を派遣して対応(処分)しているところだけど大魔王もダメージを受けるほどの災厄に振り回されてシステムメンテにてんてこ舞いなのだろう。
そんな背景もあってこの世界の人間族にとってこのドラゴンの討伐とかは危険すぎて、お金をいくら積まれても正直誰も行きたがらないという状況らしい。
でもこの討伐はルビア直伝のスキル(元はルビアの大鎌)の性能が試せるし魔力制御の経験値も積めるだろう。
この依頼を無事にこなしてルビアのボディに戻ればきっと以前よりもだいぶマシにルビアの力も制御できる様になる筈…
そうなれば彼女は少しは褒めてくれるだろうか?
もしもルビアから褒めてもらえたら嬉しいかも…などとたわいもないことばかりがケイの頭に浮かんできた。
「あ!」
ケイは肝心なことを聞き忘れていた。
「あの、ところでこのパーティーには名前があるのですか?」
「ふむ… 聞きたいかね?」
リガードは無駄に誇らしそうだ。
ケイは黙って頷いた。
なぜか指紋とジェフは顔を逸らして全然関係ない方向を見ている。
「ふふふ… いいだろう! 我々のパーティー名は『リガードと愉快な仲間達』だ!!」
そ、そんな弱そうな名前でだいじょうぶなのか…
私は半笑いでごまかすしかなかった。
欠員が出たパーティーがメンバーを募集しており、ケイが新たな仲間として勧誘されたのだ。
理由はいろいろあるだろう。
ケイがホムンクルスという亜人種であるからこそ低い報酬で雇うことができ、しかも攻撃魔法のスキル持ちなのでお得だったのかもしれない。
メンバーはリーダーで剣士のリガード(LV82)、戦闘も治癒も可能な武装神官(女性)である指紋(LV71)、貴重な収納魔法持ちで偵察担当のハーフゴブリンのジェフ(LV60)だ。
ケイはAB級というへんてこなクラスなのでレベルでいうとLV70~90という変動型らしい。
ちなみにハーフゴブリン(母親が人間の魔術師)のジェフも亜人族なので表向きはケイと同様に安価な報酬らしいが、実際はリーダーのリガードからギルドを通さずに別途ボーナスを貰っているとのこと。
亜人族へは塩対応なパーティーが多い中、ここはちゃんと実力に見合った報酬を支払ってくれそうだ。
その点も気に入ってケイはリガードの話を聞くことにした。
「実は俺たちではぐれドラゴンの討伐依頼の最中だったんだけど、一人欠けちまってな」
リーダーのリガードがこれまでの経緯を話し始める。
恐る恐るケイは訊ねた。
「あの… まさかそのドラゴンに…?」
「いやいや! 違うんだ。ドラゴンに遭遇する前に欠員が出ちまってな、仕方なくギルドまで一旦戻ったところでお前さんに出会ったって訳さ」
リガードは長身で鬼の様にいかつい強面、頭髪は逆立った金髪というまさしく動く仁王像の様な男であったが、誰に対しても物言いは優しく紳士的だ。
「あー、それにパーティを抜けた奴も命に問題があったわけではないし、今も健康そのもので暮らしているから気にしなくていいよ」
ここでケイは不思議に思った。
ではそのメンバーは討伐途中なのにどんな理由でパーティを抜けてしまったのだろう?
横でずっと聞いていた指紋が口を挟んだ。
「なぁリガード! これちゃんと言った方がいいって!」
彼女がリガードの方に振り向くと、その長い艶やかな黒髪が優美な曲線を描いて美しく宙を舞った。
それはまるでシャンプーのコマーシャルを見ている様だったが、リガードは全く気にせず、むしろちょっと困ったような顔をして答えた。
「し、しかしだなぁ…」
リガードの横ではハーフゴブリンのジェフがバツ悪そうに顔を逸らしている。
「あぁもう! 私から言うわ! このジェフがさ、魔法攻撃担当の若い女の子の尻さわって泣かしたのよ!」
「えぇぇぇぇ…」
ケイは呆れ返った。
身長150センチくらいだろうか。
容姿はゴブリンに近いが無駄に綺麗な銀色の短髪を持つその男、ジェフは恥ずかしそうに口を開いた。
「いや、こりゃ俺のなんていうか性分ですんで、ある意味致し方ないでやんすよ~」
コイツここにきて開き直りやがった!
ケイは更に呆れ返った。
確かにゴブリン族は生殖能力旺盛で見境なしに同族はおろか人間族の女性まで襲いまくるのでタチが悪い。
ハーフゴブリンなのでそっち系統の血筋はどうしても入ってくるのは仕方がないにしてもその言い方…
ジェフは満面の笑みを浮かべてケイへ話しかけてきた。
「あ、あのケイちゃん、あっしは大丈夫ですから安心していいっすよ!」
いきなりちゃん付けされたケイは呆れるを通り越して固まってしまう。
「いやさすがにホムンクルスは俺の性的趣向からは外れてるんで~!」
そう言った瞬間、至近距離にいた指紋の裏拳がジェフに炸裂して彼は部屋の隅に吹っ飛んだ。
(裏拳を使う神官は初めて見たかもしれない)
「だから言い方には気をつけろ!って前にも散々言ったわよねっ!!」
「あ、あいっ す、すんましぇんっ しもんたん」
「たん付けすんなっ このエロジェフっ!!」
今度は指紋のブーツの先端(金属ガードが貼ってある鋭利な箇所)が滑る様にジェフの喉元に刺さった。
「ぐえっぽ!! あ、有難うございますっ!!」
相手が普通の人間なら即死しているところだろうが、ジェフはちょっと…いやだいぶ喜んでいるようにも見えた。
ケイはだんだん不安になってきた。
大丈夫だろうかこのパーティ…
ちょっと顔が青くなっているケイに慌てて指紋は笑顔を繕いながら釈明した。
「あ、こいつ身体だけはくそみたく丈夫だから、思いっきり突っ込んでも問題ないの」
「ケイちゃんもこいつが変なことしたら遠慮なくぶっ飛ばしていいからね!」
ケイは「いやそういう訳にもいかんじゃろ」と思いながらジェフのまんざらでもない表情を見ていると、やっぱりぶっ飛ばしてもいいかなと考えた。
少し離れて様子を見ていたリガードがタイミングよくまとめにはいってきた。
「ま、こんな感じで気を使わない気ままで遠慮なしパーティなので、安心して入ってくれ!」
なんかまとめに全然なっていない気がしたものの、他に混ぜてくれる様なパーティもなく、ケイはここの一員になることにした。
さて肝心の依頼内容だけどこういうことだった。
魔王城炎上事件で、地上に落ちてきた手負のドラゴンがブレスマス帝国ジントリフ領の西端で暴れているらしい。
その場所は運悪くエルガナット皇国との国境に近い場所らしく、下手にドラゴンが皇国領に侵入してしまうと色々と帝国と皇国間で面倒な問題になるとのこと。
まぁそうなる前に、ジントリフ領内にいるドラゴンをさっさと片付けてしまいたいという事だろう。
ただ、そのドラゴンは爆発炎上に巻き込まれた影響(バグ発生?)で暴走しており、稀にLV100以上の破壊力を出すことがありかなり危険。
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そんな背景もあってこの世界の人間族にとってこのドラゴンの討伐とかは危険すぎて、お金をいくら積まれても正直誰も行きたがらないという状況らしい。
でもこの討伐はルビア直伝のスキル(元はルビアの大鎌)の性能が試せるし魔力制御の経験値も積めるだろう。
この依頼を無事にこなしてルビアのボディに戻ればきっと以前よりもだいぶマシにルビアの力も制御できる様になる筈…
そうなれば彼女は少しは褒めてくれるだろうか?
もしもルビアから褒めてもらえたら嬉しいかも…などとたわいもないことばかりがケイの頭に浮かんできた。
「あ!」
ケイは肝心なことを聞き忘れていた。
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