じゃあ勇者でお願いします。

本能寺隼人

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第二章ー異世界転生ー幼少期後編

THE12ー感謝、絶望、希望ー

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「…うっ…」

あれから一体どれ程の時間が過ぎた。

俺は今どこにいる…

全身の骨がミシミシと鳴っている。

回復魔法をかけて上に乗る瓦礫をどかす、眼前には燃え上がる家があちこちにある。

そして、上空には全身を黒光りさせ、黒き翼を羽ばたかせている魔族がそこにはいた。


さかのぼること数日前


俺はまた修行で新たな街に来ていた。

故郷程ではないが多少は栄えている街だ。

いつもなら裂け目を抜けると眼前にいる討伐対象が今回は居ない。

いない方が気持ち的にはいいが…

なんでも「害なすものを討伐しろ」ときたもんだ。

情報収集がてら街を探索してる。

「へえーなかなか綺麗な街並みだなー」
と辺りをキョロキョロして歩いている。

しかし、突如尻ににドンと何かがぶつかった。

「ベチャ…」

「「っ!?」」

ブルブルッと身震いする感覚だ。

「あ、あたしの、アイス…」
振り向くと女の子が泣きそうになっていた。

俺も泣きそう…

「あっらーごめんなさいね?」
すると母と思わしき人がきた。

「あんた、この辺じゃ見ない顔だけど、どこのうちの子だい?」

「い、いえ、僕は、今修行でこの街はに来たばかりでして」

「あっらーじゃあ家にきなさいよ」

俺は女の子とその母親に手を引かれ家に案内された。

「ほら、染みになるから上着を、脱ぎな」

そして、俺は取り敢えず上着を脱ぎおばさんに手渡した。

「代わりにこれ着てな」

広げてみると女の子のシャツだ。

フリルが多い…
誕生日に貰った母のプレゼントを思い出した。

「ところで、あんた、修行で1人旅って言ってたけど?」

「はいっ師匠に今回は自分で害なす者を探して倒せと言われてまして…」

すると、おばさん悩んで笑い出した。

「ちゃっとあんたっ!やだよぉまだ子供がぁそりゃあ一体、確かにいるけどねっでも、天災と言われる魔物だよぉ」

「天災…ですか…」

うわっとドン引きしていた俺におばさんは詳しく教えてくれた。

なんでも魔獣王と呼ばれていると、体長200メートルはあるのだというのだ。

ただ、今は封印されているので安心との事だった。

「はいよっ服、乾いたよ」

「あっありがとうございます」

「礼儀正しい子だね、あんたいくつだい?」

そしてまだ、自己紹介していなかった事を思い出して、挨拶をした。

「あの、遅くなりましたが、僕はリューク・ボーエンと言います、年は8歳だと…」

最近年齢の感覚がわからなくなってきていた。

「そうかいっわたしゃオリーブそれから、娘のリサだよ」

「私リサ6歳だよ!リュークさんよろしくね!」

エイシャもこんな風に素直でいい子だったらなぁと本気で考えていた。

そしてふと窓の外を見ると夕方になっていた。

「あ、すいませんが、この近くに安い宿などはありますか?」

すると、オリーブが腕を組んで考えている。

「安い宿ねぇあるにはあるけど…なんならうちに泊まっていきな!なんなら1週間でも構わないよ!」

そう言われたが、1日だけお世話になると、話をした。

3人で食卓を囲みリサが色々と話をしてくる。

久々に家族の温もりを感じ、リサに懐かれて一緒に寝る事になった。

次の日も、オリーブに頼まれた買い物をリサと一緒に行き、手を繋いで仲良く家につく。

俺は、修行の事なら忘れ、すごしすぎてしまっていた。

すると突如、大きな地震で地鳴りと共に激しく揺れる。

崩落する家もあり、俺は恐怖で泣きじゃくるリサを連れオリーブの所に戻る。

「リサ!無事でよかった。
あんたも怪我はないかい?」

「はいっ大丈夫です」

「そ、そんな!封印されてはずなのに!」

どこからか、そんな話が聞こえ俺は振り向くとそこにはなんと巨大な魔物が立っていた。

俺は上を見ながら思わず声がでた。

「ゴ○ラ…」

俺は急いでオリーブの家にあるベルトを腰に巻き剣を挿す。

すると、オリーブも家にはいり俺を止めようとしていた。

「ちょっとあんたっ!辞めときなよ!かないっこないよ!あんな化け物!」

「僕なら大丈夫!それよりおばさんはリサを連れて早く逃げてください」

俺は逃げるようにうながすと、俺は三の型を発動させる。

俺の身体からは青い光が溢れてだし俺の周囲をてらしている。

それを見ていたオリーブとリサ、周りの人まで俺を期待の眼差しで見つめている。

そして俺は屈み込み勢い良く上空に飛び上がる。

そのまま魔獣王に向かい、クラウ・ソラスの柄をにぎる。

抜きながら形が変わってくクラウ・ソラス。

そのまま振り抜こうとしたとたん、突如真横から衝撃が走る。

俺は魔獣王の尻尾で吹っ飛ばされて森に墜落させられた。

「チッ!」

しかし、右腕から激痛がはしり確認すると折れているようだ。

即回復をかける、すると魔獣王は咆哮と同時に口から青白い炎を吹く。

「チッ面倒だな!」

俺は交わす事なく魔獣王の放つ炎を切り裂き正面突破した。

魔獣王は急に眼前現れた俺を見て驚いていたがそんなものは関係ない。

魔獣王をためらう事なく一刀両断した。

俺はそのまま街に戻った。

「これで修行もお終いか」

するとおばさんとリサが待っていてくれた。

「おにーちゃーんかっくいー!」

「ちょっと、あんたっすっごいじゃないの!」

最近知り合った街の人達からも感謝されて俺の周りには人だかりが出来ていた。


すると突然声が聞こえてきた。


「これじゃあつまらないよぉ」

「っ!?」

途端に街に、身体に、衝撃が…走った…


「なんだ…これは…」


俺は理解が追いつかないでいた。

今まですぐそこにあったはずの街は、瓦礫と変わり残ってる。

家は燃え上がり、上空には犯人と思われる魔物が羽ばたいている。

「…リサっ!おばさんっ!?」

俺はオリーブとリサがいないと気づく。

俺は、周りを見渡す。

しかしそこには、瓦礫の下からは血の海が広がっている。

一ヶ所だけではなく、彼方此方で血の海が広がり同じ様な状況だ。

俺はついさっきまて、周りに居たみんなの顔を思い出していた。

するとどこからか声が聞こえた気がした。

「リサだっ」

そして声の聞こえた瓦礫をどかす。

するとそこにはリサがいた。

ボロボロて、頭からは血を流している。

「お…に…ちゃん…」
俺に手を伸ばそうとするリサ。

俺は、急いで回復させようとする。
すると、上から闇が落ちてきた。

そして俺の眼前で、一瞬にしてリサもろともそこにあった物は消え去っていた。

あるのは、巨大な穴だった。

「リ…サ…?うわぁぁぁぁ!!」

俺は絶叫した。

今まで良くしてくれたみんなが。

リサが一瞬で居なくなった。

俺の目からは血の涙が溢れだす。

「こんな…事をしたやつは…絶対に、絶対に許さないっ!」

そしてすぐに犯人が笑いながら降りてきた。

「アハハ-ンまだ生きてたのかい?しぶといねーき・み・は」

そいつはペラペラと喋っている

「本当はさぁ、魔獣王にやらせようと思ったのに君が邪魔するもんだからさぁ代わりにぼ・く・が」


「…黙れよ…」

「あーん?何か言ったかい人間!」

「だまれ!って言っているんだよ」

「ハハッン?人間の子供になっ!! 」

そいつの話を邪魔する様に俺の右ストレートが奴の左頬にめり込む。

そのままそいつは瓦礫を蹴散らしながら吹っ飛んでいく。

「……」


すぐにその男は戻ってきた。

鼻血を垂らし顔の右側を腫らし、目を血張らせながら戻ってきた。

「に、人間如きがぁ!この、ぼくにっ!さっきの小娘のように消し去ってやるよぉ!」


「…ア?…」

その瞬間俺の中で何かが切れた。

その時、俺の足元が氷だす。

そして今まで青く纏っていた光が赤く変わって行く。

「な、なんだっ!?その光はっ!?」

目の前奴が何が起きたと騒めき出す。

「そんなっ!あ、足がっ!」

すでに目の前のやつの足は膝まで氷につつまれている。

今まで街の至る所で赤く燃え上がっていた炎はそのままの形で氷、辺り一面氷の世界に閉ざされた。

そして、一瞬にしてその氷は右手に握るクラウ・ソラスに吸い込まれて行く。

「っ!?」

魔族に一瞬で間合いを詰め目た。

「バッバカなっ!」

魔族は目を見開いたまま俺に一刀両断にされる。


「っ!?」

しかし血が吹き出る事は無く、一瞬で凍りつき粉々に散って消えていった…

俺はしばらくその場に立ち尽くしていた。

あの綺麗な街並みが辺り一面瓦礫の山になっている。

ここに住んで居た、人たち、活気に満ちた声が、何も聞こえずにただ1人、俺だけを残して。

後ろにリーパーが迎えにきていたのには気がついていた。

しかし、リーパーはすぐにいなくなり裂け目だけが残されていた。

そして、絶望感だけが残り俺も裂け目に戻っていく。

俺は自分の力の無さに虚しさを覚え自分の部屋で塞ぎこんでいた。

「おいっ!!!」

ドアは蹴り飛ばされ粉々になった。

「いつまでそうしている」

リーパーは俺の胸ぐらをつかみ外に引きずり出される。

「っ!?」

そして、まるで小枝を放るように俺は投げ飛ばされリーパーが話しかけてきた。

「お前はあの街を救う為に強くなっていたのか?」
「…」

「あの街の人の人生をみなかったのか?」
「…見てない…」

「お前はずっとそうしてここにいるつもりか?」
「…違う…」

「お前の本当に守りたい者は誰だ?」
「…エ…リス…」

「お前のいるべき所は、ここでいいのか?」
「…俺の…いるべき所…」

「そうだ、帰る所はどこだと聞いているのだ!」
「…俺の帰る所は…エリスが…家族が待つ所です!」

「だったら最終試練…奥義を伝授する!」

「っ!?四の型は?」

「もう、あの魔族に使ったろ!」
「あれが、四の型?」

「そうだ!」

【一の型絶対破壊アブソリュートクラッシュ
【二の型絶対防御アブソリュートガード
【三の型絶対領域アブソリュートエリア
【四の型絶対零度アブソリュートゼロ

「その全てを合わせる技…死神が編み出した」

絶・命end of lifeだっ!」
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