じゃあ勇者でお願いします。

本能寺隼人

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第四章ー異世界転生ー少年編後半

THE18ー発症、救援ー

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俺はエイシャを送り届け家に着く。

先日のスカーレットの件以降、エリスとの関係が少しギクシャクしていた。

お風呂も別、寝室も別…もう居てもたってもいられず、俺はエリスをデートに誘った。

意外にもエリスは笑顔で了承してくれた。

街で、2人仲良くショッピングを楽しんだ。

でもやはり全て別だった…

次の日エリスは体調を崩し寝込んでいた。

家族からはまさかっ!と言われたがそれは無いと伝えると意外と両親は残念そうであった。

その日、母がエリスの部屋に食事を持って行くと母の慌てた声が聞こえ俺はエリスの部屋に駆け込んだ。

そこで目にしたのはエリスの足の指が黒く染まっていた。

母いわくこれは純血のエルフ以外が稀にかかる魔族病だと言っていた。

容姿の変わらないエリスを薄々母は分かっていたと言う。

この病は治療は無理だと言われた。

時間とともにエリスは魔族になってしまう。

エリスは意識を取り戻した。

「あなた、隠してて…ごめんね」

「だから、最近別々だったの?」
「…うん」

「俺、そんなに頼りないって事?」
「っ!そんな事!」

「…母様…エリスを頼む…」

俺はエリスの部屋を出て行こうと立ち上がり扉に向かい歩き出した。

「あ、あなた?…ど、どこに行くの?」
「俺は…何の為に…」

「っ!?」
エリスは今にも泣きそうになっている。

「俺が何の為に修行をしたと思ってるだ!」

俺は堪らず壁を殴ると大穴が開いてしまった。

俺の拳から血が流れだす。

「あなたは、勇者だから魔王を」
「ちがう…そんな奴はどうでもいい元々エイシャが倒すのは子供の頃からわかってた事だ」

母は俺の言葉を聞いて驚く。

「俺は、君を…エリスを守る為に5年間も耐えたんだ…君を…守るなら為なら俺は国王でも魔王でも殺しても構わない、だがら絶対に助ける」

俺は振り向く事なく、空を切り裂き移動した。

場所はまずタルタロス。
リーパーならと思ったがやはりいなかった。

次に来たのは竜の郷だ、スカーレットの下に向かうがすれ違う者達は誰も声をかけてこなかった。

巨大な扉を勢いよく開けて何事だとスカーレットはこちらを見て絶句した。

「っ!?龍九よ…い、一体どうしたのだ!?」

「…頼む、エ、エリスを助けてくれ…」
俺は土下座をして頼み込んだ。

「っ!!ま、まずは事情を説明せい!」

そこで俺はスカーレットに魔族病の話をした。

「わかった、すぐ奥方様の下に行くぞ!」

そう言われ俺はスカーレットを連れエリスの下に戻る。

スカーレットがエリスを診断していた時ふと鏡に自分の顔が写るが確かに酷い顔だった…

「…うむっ龍九、義母上様、下で話ましょう」

「は、義母上…様?」

「母様、事情は後で話すから今はスカーレットにしたがってくれ…」

「これっ龍九、名を言ってはならぬぞ?」

「…すまん…」
「まぁ郷ではないしよいか!」

 下に移動しテーブルに座り5人で話を聞く。

「まずは、お義父上様、義母上様、義兄上様、お初にお目にかかります。
竜の郷の族長をしておりますゆえ中々ご挨拶に伺えず誠に申し訳ございませんでした。

私、スカーレット・ドラゴ・ボーエンと申します」

「「「っ!?」」」

みんな口を開き俺を見ていた。

が、俺はそんな事よりもエリスの事しか考えていなかった。

「そんな事はどうでもいい、エリスはどうなんだ」

「うむ、正直持って後1年…」
「くっ!!」

「しかし、治療法ならあるが、あそこまで進行していると…おそらく…」

「なんだ!言え!」

俺はスカーレットの眼前まで迫っていた。

するとキスをされ下がった。

「っ!」
「うむ、まずは魔王を連れて来ることじゃ!」

「「「っ!?」」」

「魔王を連れてくればエリスは助かるんだな?」

「「「っ!?」」」

「うむ、約束しよう、ただし時間がない。
魔王は東西南北に4名おるが1番近いのがこの地より東、荒野の先にある大魔族大陸に存在する大魔王じゃ。

馬で荒野まで1年!そこから半年かかり大魔族大陸につく…」

「間に合わないじゃないかっ!」

「そこで、妾じゃ、奥方様の為じゃ寝る間も食事もなく飛び続ければその距離なら半年で着く。

しかし大魔族大陸についてから更に数ヶ月かけて城に着くのが問題なのじゃ。
 
大魔族大陸では魔族の奴らも空中権を持っているので飛んでは行けんのじゃ」

やはりそこからは徒歩での移動か…

「うむ、その途中の荒れ果てた地にドワーフの街ヤシブがあるそこで荷物も補充せねばならぬしな」

「そうかヤシブか…」

んっ?ヤシブ?

そうじゃ!

それって武装都市ヤシブ?

なんじゃ知っておるのか?

ヤシブからならどのぐらいで着く?徒歩含めてかかっても4ヶ月ほどかと思うぞ?何故じゃ?

いけるエリスを救える。

「俺は武装都市ヤシブと空間が繋げるんだよ」

「なんと!?」

「「「っ??」」」

すでに半分は直接話しているので、家族は着いてこれていなかった。

俺は急いでエリスの部屋に行く。

「エリス、起きてるかい?」
「…はい」

「また、しばらく留守にするが頑張ってくれ」
「…何をするんですか?」

「いや、ちょっと…魔王を攫ってくるよ」
「…ふふ、わかりました。
あなたなら簡単に出来てしまいそうですね」

「当たり前だろっ君を守る為に力を手に入れたんだから」

「…はい、あの…」
「んっ?」

「黙っててごめんなさい…あなたに心配をかけたくなくて…」

「もう…何も心配しなくていいから」
「はいっあの…スカーレットを呼んでもらってもいい?」

「??わかった、ちょっと待ってて」

俺はスカーレットを呼び、しばらく2人で話した後、戻ってきた。

「お待たせいたしました。」

準備も整えた。

「よしっ行くかっ!」
「はい、旦那様」
「…」

みんなで外に出る。

「スカーレット、頼む」
「畏まりました」

すると、眩い光を放ち純白にして真紅の瞳を持つ巨大な龍が姿を現した。

「「「っ!?」」」

エリックは腰を抜かし父と母は溜息をついていた。

「では、行ってきます」

俺はスカーレットの背に乗り一瞬で空に飛翔しスカーレットの前に裂け目を作りスカーレットと俺は裂け目に消えた。

「やれやれ、息子は天才と思っていたが…もう我輩の想像を遥かに超えてしまっていたようだ」

「そうですね。
でも、これ以上、義娘が増えたらどうしましょう」

「1人ぐらいエリックに」
「「……」」

「なんでもない」


そして、俺とスカーレットは裂け目を抜け眼下に広がる荒れ果てた地を見下ろしていた。

しかし、龍九は便利な事ができるの。

「俺もつくづくそう思うよ」

ロンド、ロドリゴは元気にしてるかな…と考えていると景色は目まぐるしく物凄い速度で移動していた。

「頑張ってくれ、エリス…」

しばらく飛んでいると日が落ちてきたのでスカーレットに着陸してもらい俺は簡易テントを作り野営の準備をしていた。

「妾はまだ飛べるが?」
「急ぎたいがスカーレットにまで無理させられないからな」

「おや、妾を心配してくれるのか?」
「当たり前だろ」

「ふふふっ」
「恥ずかしいから見つめないでくれ…」

「ウブじゃの」

食事を済ませて別々に寝ていると…

「……っ!?」

なぜかスカーレットが俺の寝袋の中に潜り込んでいた、狭いのに…しかも、この感触…裸じゃないか…

スカーレットはスースーと寝息を立てている。

「やれやれ、しょうがないか…」

俺は諦めてそのまままた、眠りについた。

翌朝、その日も俺はスカーレットにまたがり大空を移動する。

そして日が傾いてきた頃、大魔族大陸に到着した。

「ここが大魔族大陸の入り口の街。
 魔導都市ラーナじゃ!」
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