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第四章ー異世界転生ー少年編後半
THE20ー魔王、崩落ー
しおりを挟むリュークとスカーレットが要塞都市ゴーシャンに向かっていた頃、大魔王は荒れていた。
「おっおやめください、ナージャ様っ!」
「黙れ!!我の顔に泥を塗る気かっ!」
「ヒッ!!」
自分より大きい屈強な男を片手で軽々と持ち上げる黒いドレスを纏った女性が黒い鎧を着た者に言い放つ。
その女性の目には白目はなく全黒目で睨みをきかせて、漆黒の髪の中にまるで熱を放っているかの様な赤色を無造作になびかせ、頭には立派な角が天に向かい2本生えている。
「おっ恐れ多くも西の魔王は連絡がとない為にっ!」
その時、今まで持ち上げられていた男が投げ飛ばされ壁を突き破り部屋の外に消えて行った。
「もう1度言う…西の魔王を…我の前に…連れてこいっ!」
「「「「「「「はっ!」」」」」」」
女性は部屋の中央に置かれる髑髏をモチーフにした玉座に勢いよく座り横に控えていた男を指だけで呼び寄せる。
「な、何かご用でしょうか、ナージャさ…」
女性は男の頭を一瞬でもぎ取る。
「貴様のツラは気に喰わぬ!」
そう言いもぎ取った頭を後方に投げ捨てる。
「このゴミを早く片付けておけっ」
「はっ…」
女性は指に付着した血を舐めながら艶やかな笑みを浮かべていた。
「…にしても何故西のは我の呼び出しておるのに一向に来ぬのだー」
「おっ恐れながら何かあったのかもしれません」
「…ほぉ我に続き最強と謳われる者に何かあったと?」
「はっ!な、なんでも封印されておりました西の魔王の右腕の魔獣王も一刀両断されてたとの報告が上がっております」
「ほぉあの木偶の坊が一刀両断か…面白い、実に、面白い…キャハハハハッ」
と、玉座に胡座をかき膝を叩いて笑っている。
それを見ていた周りの者たちも笑いだした。
「何がおかしいっ!」
玉座を壊れんばかりに殴りつけ轟音が響く。
周りは一斉に静まり静寂の中、その女性の笑い声だけが響いていた。
そうこの女性こそ4名の魔王の中で最も最強を誇る大魔王ナージャであった。
「…にしても、暇じゃ昔は良かった」
「さ、左様でございますね」
「最近は一向に馬鹿な人間がこないからな我はつまらぬっ」
「そうじゃ!人間狩りでもしてれば面白いかもしれんのぉ」
「し、失礼いたします」
「…なんじゃ…」
「っ!ま、町に東の勇者と、名乗る者達が攻めて参りましたっ!」
「ゆっ!勇者っ!?勇者と申したか?」
「はっ!」
「待ちに待った勇者じゃっ!どけっ!」
「っ!」
大魔王は立ち上がり報告した兵の頭を兜ごと握り潰した。
「我は外出をしてくる。
ちと、勇者を…ぶっ殺してくるからぁ」
そお言い先ほど開けた壁から出ていった。
ーしばらくするとー
「フンフンフフーン」
「「っ!お、お帰りなさいませ、ナージャ様っ」」
「うむっ!今戻ったぞー!」
何やらご機嫌の様だと兵達は口を揃えて廊下に並び主人の戻りをまっている。
すると、主人である、魔王ナージャが鼻歌まじりに歩いてくる。
通りすぎる手前で頭を下げる。
「っ!!」
兵達の視線の先には人間が4人、主人に引きずられ顔では性別が判明しない程に腫れ上がり変形していた。
玉座の間に到着すると4人を軽く放り投げ壁に激突させて玉座に座る。
「ふぅ今戻った、これは土産じゃっ!」
「お、お帰りなさいませ、この者達はいったい?」
「うむっ初めこそ我を倒すなどどほざいておった勇者達じゃっ!喰うなり飼うなり好きにせい」
元々装備をしていた筈の者たちは今ではぼろぼろになった布を纏っているだけであった。
そして、意識を取り戻した者から涙を流し命乞いをしている。
「…うるさいのぉ殺すぞ?」
「「っ!」」
勇者達は蒼ざめ余りの恐怖に震えている。
「「……」」
「…しっかし勇者も大した事ないのぉまだ逃げおる虫の方が苦戦するわっ!ハッハハハ!」
「「……」」
「…ところで、貴様らに聞きたい事がある…」
「「……」」
「…ほぉ我を無視か?いい度胸じゃの」
「「っ!なんでしょうかっ!!」」
「…西の魔王を存じておるか?」
「「話だけは!!」」
「…そうか、その程度であったか…」
「「??」」
「もう用は無いのぉ」
「「い、命だけは!」」
そして魔王は玉座から立ち上がり手を広げ1つ頭を掴む。
「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」
突如、轟音と共に壁が弾け飛び瓦礫は飛散した。
壁があった場所には1つの光の塊があった。
光は落ち着きその場に姿を現したのは…
純白の髪を逆立て、その瞳は地獄の業火を連想させる。
見ただけで身を焼かれる感覚を与える程に輝く。
肩には純白の龍の頭を背負い純白の鱗を身に纏う、右手には光り輝く光の剣、左手には天叢雲剣を握る。
勇者、龍九(龍神昇華)がそこに居た。
「…ほお、なにもっ!!」
まさに一撃必殺。
魔王は玉座を破壊し壁に真横にめり込む。
「「「「「「「っ!!」」」」」」」
「さすが、魔王硬いな」
そうじゃのう、まさか天叢雲剣で斬れぬとは妾も正直驚きじゃ
「が、がぁあぁーっ!!」
ズルリと壁から垂れ落ちた魔王が怒声を張り上げて居た。
「ぎっ貴様ぁ!ゆっ許さぬ…許さっぁぎゃぁぁぁぁ……」
その者はすでに魔王の腹を踏み抜いていた。
「あぁ…ごぉぎゃぁ…」
魔王は口から血反吐を天に向かい撒き散らし己の顔に降り注ぎ横たわる。
我らは一体何が起きてるのかすでにわからなくなっていた。
今まで最強を誇示し恐る者などいない。
まさに最恐と恐れられていた大魔王がまるで大人と子供が真剣に喧嘩をしている程、あの大魔王が何もする事ができないでいた。
龍九よ、ちとやり過ぎじゃ!攫う前に屍になってしまうぞ?
「そうだな」
俺は魔王に回復魔法をかけてやる。
「あ…あり…ぎゃぁ!」
そして漆黒の髪を掴み持ち上げる。
持ち上げて見るとすでに黒い服は原型をとどめていない。
そのまま髪を空中で離しエイシャの得意技である膝蹴りを魔王の腹にお見舞いする。
「あぎゃぁっ!」
膝蹴りの速度は音速を超え、乾いた音を立て魔王の背中の服が飛散する。
「がっあぁぁ…」
回復魔法をかけたにも関わらず魔王は痙攣し疼くまっていた。
また髪を掴み持ち上げ顔を見る。
「もぅ…やべぇ…」
白目のない全黒目から、は血の混じった涙を流し、口元と胸元には血と胃の内容物が混じり服を汚している。
「ごぉ…」
「なんだ?」
「ごめんなざいぃ…」
「も、もう…ゆ…ゆるじでぐだざいぃ」
「「「「「「「っ!!」」」」」」」
よしっ龍九よ!作戦通りじゃっ!
「よしっ」
ー数分前ー
よしっ龍九よ、龍神昇華できたぞっ
「こ、これが…すごい、力がみなぎってくるようだっ!」
当たり前じゃ、妾を纏い、1つになっておるのじゃからの
「っで、これからどうすればいい?」
…うむ、まず魔王を完膚無きまでに倒せ。
「いいのか?」
ただしっ!殺してはならんぞ?、
「むずかしなっ」
なに、死にそうだったら回復してやれば良い。
「…わかった」
よしっ!では、行くぞ!
「おうっ!」
そして俺は魔王がいる壁を俺はぶち抜いた。
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