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第五章ー異世界転生ー青年編

THE38ー我が家ー

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ー夕食後、エイシャ自室ー

「急に泊めてもらいさらに一緒の部屋になってもらってごめんなさいっ!」

「大丈夫よ!…それに…」「…んっ?」

「っ!それは…ないっ!…から…大丈夫!」

「??」

「リリョウも…行きたいなら…」 

リリョウは立ち上がり扉に向かおうとしたが…

「本当に行っちゃうん…だ…」
「うっ…行か…なイヨ…?」
「??」

ー翌朝ー

俺は最近日課になっている水浴びを終えて家に戻ると二階からエイシャとリリョウが目を擦りながら降りてきた。

「あっ…龍…九…」

リリョウは俺を見つけてトテトテと小走りで近寄り俺に抱きついてきた。

「どうした?」
「寝…不足…少し…だけ…スー…スー」

リリョウは俺の胸の中ですぐに寝息を立てていた。

「エイシャ?…これ…どうしたの?」

「ふぅぅわぁぁ…あいつ…マジで魔王級よ…」

「んっ?」
腕を組み自室に顎をしゃくる。

俺はリリョウを寝かせる為に抱え二階に移動し、自室の妻達が寝るベッドに移す。

すると、リリョウは妻達の手に絡め取られていった。

少し見ていたい気持ちを抑え俺は踵を返しエイシャの部屋に向かい扉を開けた。

「なんじゃこりゃ!」

扉を開けると黒髪のツインテールのグロリアはベッドに立ったまま寝ていた。

するとバタンっと倒れた。
「あっ倒れた…おっ起き上がった…また倒れた…」

成る程…寝相の悪さは魔王級か…

「ずっっとこれよ…」
「…なんならエイシャも俺のベッドで寝てたらどうだ?」

「んーそうするわっ!」
エイシャは欠伸をしながら俺の部屋に入っていった。

そして俺は完成間近の我がマイホームに向かった。

家から左手に少し歩くと木材の上に腰掛けて煙管を吹かして休憩している大工がいた。

近づいてくる俺に気が付き煙管をカンッ!叩き火を落とし立ち上がる。

「よおぉ兄さん!久しぶりじゃねぇか!」

「ご無沙汰してます、だいぶ出来てきましたね!」
「あったりめぇーよ!男の夢が詰まってんだからよぉ!…ところで、中見てくかい?」

「えっ!?いいんですか?」
「おうよっ!」

俺は真新しい茶色い扉を開けて中に足を踏み入れる。
すると広いリビングには暖炉もあり中央にはまた大きなテーブルが置いてある。
奥にキッチンと物入れ、トイレと風呂があるそうだ。

リビングの左右には階段があり上がると二階はL型になっていてちょうど目の前に3部屋あった。
1番左がエイシャの部屋、後2部屋は客室だそうだ。
右に曲がると四つ扉が見えここが妻達の部屋だそうだ。

「…俺の部屋は?」
「ふっふっふっ」

大工は怪しげに笑い奥に指を指す。
よく見ると白い扉になっていて開けると下に降りる階段があった。

俺は階段を降りるとまた扉…
扉を開けるとまた階段があったがこれで妻達の部屋から降りてこられるそうだ。

そして目につくのはベッドだ!
床にマットレスを敷いた形ではあるがとにかくデカイ!6人で寝てもまだ余りがある程だった。

「どうだい?」
「すごいですね!」

「まだまだだ!」
「えっ?」

更に奥に扉が2つ左側を開けるとそこは脱衣所がありその先には石造りの床にこれまたデカイ岩風呂があった。

「オイラもこんなでけー風呂を作った事がねぇが念の為だ!6人でも入れるサイズにしておいたぜ!」

「6人?…いやっ!ないです!」

左側は普通のトイレだった。

帰りは妻達用の階段を上がり妻達の部屋を通り我が家を後にした。

家に戻る時に庭でスカーレットとリリョウ、エイシャが稽古をしていたのか汗を拭いていた。

「…何見てんのよ!リューク!」
「ふふふっそんなに見たいなら後で一緒に風呂に入ろうぞ!」
「私…も入…る!」

家に入るとエリスとナージャが母の手伝いをしていた。
「あらっリュークおかえりなさい、お家はどうだった?」
「あなたっおかえりなさい!」
「おかえりなさいマスター」

「ただいま、家はなかなか良かったよ!完成が今から楽しみです。」

グロリアとシルバは俺の部屋でゴロゴロしていた。

「…グロリア…」

「…っあ!勇者殿おかえりなさい」
「おかえりっご主人様っ!

「ところでグロリアとロドリゴはどうゆう関係なんだ?」

「えっ?おじさんだよ?最近は全然会ってないけど…」

グロリアが寂しそうな顔をしていたので俺はその場で裂け目を作りヤシブとつなげ俺とシルバはグロリアを送り夕方に迎えにくると告げ家にもどった。

夕方、グロリアを迎え行き、またみんなで夕食を終え、俺はスカーレットとエリスと風呂に入り今は部屋でのんびりしていた。
「リリョウは昨日はいったから次は私の番!」
とエリスに言われてリリョウは拗ねている。

そんな時、ナージャの提案でグロリアが俺の部下になる契りを結ぶ事にした。



「よしっ!これで終わりだな!」
「これからもよろしくお願いします」

グロリアは頭を下げて黒いツインテールが地面に垂れていた。

俺はステータスを見ると星が4つになっていた。

「んっ?」

星の隣には[NEXT]と選択肢が追加されていた。

俺はちょうどエイシャも居たのでみんなに見える様ステータスを表示させてNEXTを選択してみた。

するど…
[神界に移動しますか][YES・NO]
と点滅していた。

「龍九よ、このまま行くのか?」
「…いや、グロリアをドロシーに送ってから行こうと思う」

「うむっそうか…ならば、妾は1度竜の郷に戻ろうと思うのじゃが送ってくれぬか?」
「んっ?いいけど」

「妾はおらぬが大丈夫か?」
「今回はリリョウに俺とグロリアとシルバで行こうと思う!」

「やった…!」
「「「えっ?」」」

「いや、もうすぐ家も完成するし、掃除とかしておいてもらおうかと…」

「「…そう…ですね…」」
「っえ!?私も?」

「当たり前だろっ!お前も庭の犬小屋にシルバと住むなら話は別だけど?」

「「嫌っ!!」」

「ちょっ!?ボクっ犬小屋なのっ?」
「冗談だよっ」

「ムー!ご主人様っキライッ!」

シルバは腕を組み頬を膨らませて不機嫌アピールしているので…無視…

「リリョウは大丈夫かい?」
「うん…大…丈夫…ダヨ!」

「グロリアもそれでいいかい?」
「我はいつでも問題ごさいません!」

「では準備が整えしだいスカーレットを郷に送りグロリアをドロシーに送り届ける!」

「「「「「「はいっ!」」」」」」」

ーそして深夜ー

俺はふと目が覚めると目と鼻の先にはエイシャが今にもくっつきそうな所に居た。

「っっ!?!?」

思わず叫びそうになったがなんとか堪えた。

俺はみんなを起こさない様にそーっとエイシャを揺するとエイシャも寝惚け眼でこちらをみて一瞬目を見開き俺はエイシャの口を押さえた。

「ーーーーー?!ーーー???」

静かにしろと指をやり小声で話した。

「へ…変な事してないでしょうね?///」

「バッ…するかっ!!…ほらっ俺とかわってやるよ」

俺はエイシャと入れ替わると、エイシャは妻達の手に絡め取られていった。

俺は1人で外の空気を吸いに外にでた。

庭の芝生の上に寝転び夜空を見上げるとそれは物凄い数の星空があった。

その星を見ながら俺は今までこの人生で知り合った人達、リサやオリーブ、助けられなかったみんなの顔を思い出していた。

しかし…気がつけば俺はまたあの白い空間に立って居た。
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