闇の魔法師は暗躍する

yahimoti

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第23話 魔法学校オカルト研究クラブ3

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「ねえねえ、ご主人様。今度はなんなの。」

「もう儀式については分かったからクラブを辞めてもいいんじゃない。」

ツッピが言う。

また旧校舎を調査中。

やっぱり学校の怪談といえば旧校舎だよね。

「そうなんだけど、それ言うとコルトンクラブ長ものすごく悲しそうな顔するから。」

「それに後1週間程で審査期間が終わるからそれまで待ってって。」

「ふーん、それでまだクラブのお遊びに付き合う訳ね。」

「旧校舎の廊下を彷徨い歩く人影ねえ。」

「これはもうあれだな。」

「アレね。調査の意味あるのかな?」

さっそくガシャ、ガシャと金属同士が当たる音を立てながら人影が近づいてくる。

「すみませーん、ここって出口どこなんでしょうか?」

やっぱり。

「彷徨うよろいさんですか?」

「そうとも呼ばれているね。」

「僕はフライレって言うんだけどね。」

「ここにちょっとトイレを借りに来たんだけど出口がわからなくなっちゃたんだ。」

そうだと思った。

トイレに行くんだ?

初めて聞いた。

彷徨うよろいって中味空洞じゃなかったっけ?

「フライレさんって名前があるの?」

「そりゃそうでしょ。彷徨うよろいってたくさんいるんだから名前ないとややこしいでしょ。」

「見た目の違いはあるの?」

「分からない、他の彷徨うよろいを見た事ないし。」

それなら別にややこしくないんじゃないかな?

「ハナコさんは?」

「各学校に1人づつだから問題ない。」

「フエツ魔法学校のハナコさんとか王立魔法師学校のハナコさんとかね。」

彷徨うよろいって言われるだけあって凄い方向音痴なんだ。

「この先を左に曲がって少し行ったら階段を降りて右に行ってすぐのところに扉があるのでそこから出られますよ。」

教えてあげると

「ありがとう。」

と明るい声で答えてくれた。

たぶんまた迷っちゃうんだろうけど。

「ご主人様どうする?もう帰る?」

テトが言う。

パタパタとアディッサが飛んできて肩に乗る。

「教団の事も進展しないし、学校の七不思議もこんな感じだし。」

とツッピが言う。

「今日は早く帰ってゆっくりしましょう。」

そう言ってチェリが手を引く。

「じゃ、今日はここまでだね。」

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