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第13話 盗賊2
しおりを挟むカルナガリア王国のワーリク侯爵の領地は王国にある初心者向けダンジョンのそばにあるみたいだ。
お嬢様の誘いにのってテスカの街についていく事にした。
盗賊に負けてしまった護衛だけでは心許ないと思ったのかも。
でもあの盗賊の中には帝国の正規兵が混ざっていたから普通の冒険者じゃそりゃあ太刀打ち出来ないよね。
カルナガリア帝国は何がしたいんだろう?
パエリは初めて高級な馬車に乗ってご機嫌の様子だ。
オレ?オレは何故かお嬢様のぬいぐるみみたいに膝に乗せられている。
頭の上に柔らかい球体が2つ乗っかっている。
「ムール、サーフラお嬢様がショックから戻るまではあきらめてお人形になっていなさい。」
そう言ってパエリがオレをお嬢様に差し出したんだ。
お嬢様には配慮が出来るけどオレには配慮出来ないみたいだ。
中味が思春期の少年なオレとしては悪い気はしないが。
時々従者がパエリとオレの様子をうかがっているのが気になるのだが。
盗賊は死んではいないが臨時で作った檻に入って馬車に引かれている。
ロープでつないで馬車の後を歩かせるって言うのが普通みたいだけど元々は現代人のオレとしてはあまり過酷な事には気が引けてしまう。
どうせ死刑か奴隷落ちなんだから自己満足に過ぎないんだけど。
テスカの街の入り口で衛士に盗賊を引き渡して街に入る。
しばらく大通りを行くと突き当たりにワーリク侯爵の屋敷がある。
想像していた以上に大きな街だった。
ゲームの画面とは大違い。
古いゲームだから画面上には宿屋や武器屋、教会といった最小限しか表示していないし。
「勇者様よくぞ我が領地にお越しくださいました。」
お嬢様のお父様のワーリク侯爵が挨拶をする。
オレはというとお嬢様に抱きかかえられたままなので勇者をお迎えする立ち位置にいる。
「娘や従者達を助けていただきありがとうございます。」
助けたのってオレだよねー。
全然誰もオレの事を気にしていない。
なんか隠蔽魔法でも使ったかな?
オレは当たり前のようにお嬢様の部屋に連れて行かれて侍女達がお嬢様を着替えさせたりしているのを見ている。
何人かの侍女がオレを浴室に連れて行って体を洗い着替えさせて髪をときつけたりしているので存在がわからない訳ではないようだ。
いろいろな服を合わせてリボンをつけてみたりして和んでいるがオレは決してペットとか着せ替え人形じゃないんだが。
なんでも勇者様をお迎えするパーティをするらしい。
ホールに出て来たパエリは綺麗な服を着てお嬢さんみたいになっている。
か、かわいい。
それなら日頃からそういう服を着せるんだった。
本人は赤い顔をして照れているみたいだ。
「パ、パエリ。きききき綺麗だな。」
「バカー。」
オレはパエリの張り手を食らって中庭まで吹き飛んだ。
ゴンっと中庭の茂みに潜んでいた誰かに頭をぶつけた。
オレは大丈夫だけどこの人無事か?
「ムール、ムールどこ行っちゃったの?」
パエリがオレを探している。
自分でぶっ飛ばしたのに。
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