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第1話 目覚め
しおりを挟む頭にガツンと衝撃を受けた。
えーっ、城の天井ぶち抜いて入って来たのー。
「コォラおまえ、おまえ魔王だろ。」
あーっ、聖剣に聖衣ってわかりやすいなー。
小柄で赤毛で赤い瞳の少女。
部下から伝えられた通りの容姿。
とうとう勇者が来てしまった。
そして、こいつは何言っても聞かないんだろうな。
圧倒的な勇者の力でオレの頭は半分潰れた。
「確認する前にぶっ叩くってなんなんだよ。」
聖剣を突きつけて、左手を腰にやり、あんまりない胸を張って自信満々な勇者の様子。
絶対的な強者、絶対的な正義だ。
ギロっと赤い目でにらまれる。
「まだこれから大きくなるんだよ。」
心を読んだ?
「魔王城の玉座に魔王以外の誰が座っているって言うんだ?」
そうだよねー。
さっさと逃げちゃえばよかったんだけどね。
でも部下の手前なかなか踏ん切りがつかなかったんだよねー。
だってこいつらオレの足元に縋りついて泣きじゃくっているし。
こらこら鼻水を俺のローブで拭くなよ。
「おまえをやっつけて世界に平和と正義を取り戻すのだー。」
聖剣が振り下ろされる。
半分潰れた頭が切り飛ばされた。
離れていく自分の体を見た。
死んだー。
は?
「魔王様ーっ、起きてー。」
ああ、またあの時の夢をみていたのか。
「魔王って呼んじゃダメって言っただろう、勇者に見つかったらどうすんだよ。」
あれから1000年たってオレは復活した。
部下達がバラバラに飛び散った魔核の一部を集めて復活の儀式をしたんだろうな。
だけど集められた魔核は少なかったようだ。
小さい。
人間で言えば6歳ぐらいのぷよぷよの男の子って感じだ。
当然部下達の方が大きい。
3人共16~17歳ぐらいの女の子だ。
「部屋の中だから誰も聞いていないよ。」
本体がスライムで今は人化して水色の髪のスーが言う。
「いつもから習慣にしていないと外で言っちゃうでしょ。」
「だからって間違っても誤魔化せるようにってマヨル様ってー。えへへー。」
緑色の髪をしてちっちゃな角があるオーガのガーが笑う。
そう言いながらも2人は魔王のパジャマを脱がして着替えさせている。
本当は自分で出来るんだけど部下達からするとそれは部下の存在意義をかけて許されないらしい。
「コッチの服のほうが絶対かわいいってー。」
「えー。あたしは今日はこれを着せたいんだけどなー。」
「髪はこんな感じかな?」
「さすがにリボンはダメよね。」
「まだちっちゃいからいいんじゃない?」
この子ら役割とか言ってオレで遊んでないか?
「朝食の用意が出来たわよー。あら、かわいいー。」
黒髪のサキュバスのキューが部屋に入るなりオレを抱き上げて言う。
今日からオレはこの王都のきまりで学校に行かなきゃならない。
一応それは魔族でも一緒らしい。
魔族だけじゃなくて獣人族やエルフなども王都にいる子供は同じ。
魔王は人類の敵だけど魔族はいいのか?
しかも最近勇者が召喚されたらしい。
オレとしては出来るだけひっそりと静かに暮らしていたいのだが。
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