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第12話 転生
しおりを挟むこの世界では遠い遠い昔。
だけどこの世界は変化しない。
そしてここではない世界からオレは来た。
時間軸も同じではないのでここではない世界ではどのくらいの年月が過ぎているのかはわからない。
その世界ではオレは普通に、普通なのかな?会社員だったんだ。
当時は高度成長期の末期の頃で会社員ってのは家にいるよりも会社にいる方が圧倒的に長いのが当たり前だったんだ。
いや、だからと言って過労死したってわけじゃないんだ。
当時はそれぐらいじゃ死ななかったんだ。
多分。
いや、オレの場合そんな差し迫ったような特殊な事情なんかないんだ。
会社の忘年会で盛り上がって散々飲んだ後の帰り道に転んだだけ。
たまたま路肩にあったコンクリートの突起に頭をぶつけて昇天した。
と思ったんだけど目を覚ますと濃厚な魔力の渦の中。
魔王って親から生まれるもんじゃないんだ?本当?
目を覚ますと言うよりも意識が形成されたって感じ。
そして女神様。えーっ、おかしいだろ。
でも女神だったんだ。
金髪碧眼に白い翼があってさー。
魔王の誕生に女神って。
「あんたの仕事わぁ。魔族や魔物、獣人族をー。導くことよぉ。」
「はぁ?なんでオレが?面倒くさい。」
女神がギロリと睨む。
「あ、は、はいって。でもどうやって?」
「面倒くさいわねー。」
「でっでも何にも説明が無いですけど。」
「あんた、ロストヒストリーワールドのオリジナルバージョンって知っているでしょう?」
「ああ、あのファ◯コンゲームの古めかしいRPGシリーズの最初の奴ね。セーブしてもやたらとエラーを起こす。」
「うるさいなぁ、ペラペラと。あの世界に行くのよ。魔王としてね。」
「えー、待って待ってあのゲーム最後に勇者に魔王がやっつけられちゃうヤツじゃん。」
「なんで魔王なんだ?勇者でいいじゃん。」
「問答無用ね、なんでかは私も知らんし。」
体があったかどうかはわからないけど多分オレだったものが真っ白の光に包まれた。
この世界に来た時には今よりもっと小さかった。
魔力以外には何にもなかった。
スライムのスーとオーガのガー、サキュバスのキューが嬉しそうに小さなオレを見下ろしていた。
「やったー。」とか言って盛り上がっていた。
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