魔獣っ娘と王様

yahimoti

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第20話●バーベキュー

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なんとか城らしきものや街が形になってきた。

ゴレンフロさんに頼んで都市の建築やメンテナンスが出来るタイプのゴーレムや事務職タイプのゴーレムをなどを工面してもらった。

城の前に物流センターと転移陣を設置したのでゴレンフロさんは貨物タイプの浮動機で直接転移してくる。

だいたい定期的に来てくれるので、その時間になると魔獣っ娘達はソワソワして物流センターに集まり始める。

基本的にこの娘らは狩りをする以外には何もすることがない。

みんなには遺物を持って来た分と狩りをした分に合わせてお小遣いを持たせている。

今のところゴレンフロさんが持って来たものと引き換える他には使い道はないのだけれど。

ゴレンフロさんが持って来た荷物をゴーレム達がお店っぽい建物に運び込んで陳列する。

なんだか子供達が集まる駄菓子屋さんみたいな感じ。

みんなわくわくして嬉しそうにお小遣いを使ってお菓子やぬいぐるみやアクセサリーを買う。

本当は配ってしまってもいいんだけど楽しそうだからいいかな。


エイベルがサンドワームを狩って来た。
人化した体とは比べものにならないでかい獲物を片手で軽々と引っ張って来る。

「王様ーっ。バーベキューしよー。」

魔獣っ娘達が反応して集まってくる。

ゴーレムとアンドロイド達が恒例のイベントとばかりにバーベキューの準備を始める。

アレインはインベントリから太刀を取り出す。

「よーし、捌くぞー。」

日頃なんにもしないけど一応レベル99の剣士だから、ほとんど剣聖の域の腕前なんだ。

「チェストー。」

サンドワームの皮を剥いで、肉を切り分ける。

それを片っ端から網の上にのせて焼く。

そしてコンビニにあった「鵜原プラチナのタレ」最高だよ。

城の前の広場にみんな集まってお祭りみたいだね。

ヒナもアイゼイヤも口の周りがタレでベトベト。

「王様ーっ。美味しいね。」

「サンドワームの肉って焼くと本当に美味しいんですね。」

ゴレンフロさんがワインを片手に話しかけてくる。

「帝国のレストランでは高級品でしたね。」

「狩るのは冒険者でも命がけですからね。」

他の魔獣っ娘もスタースコーピオンやステップリザードなどいろいろな獲物を持ってくる。

それを片っ端から捌く。

俺の剣術ってこの為のもんだったんだ。

なんだか笑えてくる。

するとヒナや魔獣っ娘達も嬉しそうに笑う。


ここから南東に1000km大荒野に接したヴァイグル王国。
もとはコスタドガル帝国の属国だった。

帝国の宰相エイドガーが国の方針を大きく変化させた際に帝国を離れて完全に独立した。

元々帝国と同様に軍事に力点を置いた軍事国家だ。

「ふーむ、起死回生の一策じゃな。」

クルヒエム王がうなずく。

コデツムビ軍務大臣は話しを続ける。

「かの辺境の地に伝説の魔獣が集まっております。」

「これを狩ることができればその魔獣から入手できる素材は貴重この上なく国庫を豊かにするばかりではなくその偉業は大陸中に響き渡るでありましょう。」

「で、あるか。」

クルヒエム王は完全に乗り気だ。

「しかしそんな魔獣を狩れるのですか?」

ウリトネメ財務大臣が口を挟む。

「ふーむ、どうなのじゃ?」

「我が国にはSクラスの冒険者パーティがおります。我が軍隊も精強であります。2万の兵を持ってすれば可能であると考えます。」

「国運がかかっておる、慎重にかかるのじゃ。」

勇者が召喚され、他国への侵略など戦争行為は完全にタブーになった。

コスタドガル帝国は技術立国に方針転換し、ヴァイグル王国は帝国にとっての利用価値を失い、経済支援は打ち切られた。

国庫は危機的状況にある。

そんな時Sクラスの冒険者パーティが現れたのだ。

ただの便利屋、穀潰し的イメージの強い冒険者でも上級クラスになるとその利用価値は格別なものになる。
まして、Sクラスともなると英雄だ。

そこに辺境の地に伝説級魔獣の情報だ。
コデツムビ軍務大臣はすぐに喰いついた。

しかしコデツムビ軍務大臣は戦場に出た事も無ければ、魔獣と相対した経験もない。
完全な文官だ。
元々慎重派で無理を言うような人間ではない。

状況と魔獣に対する無知がこのような献策になったのだろう。






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