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1. もうこりごり
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「おら! さっさと運べ! 約立たずは飯抜きだぞ!
ほらそこ! 何をしてる!! さっさと立たんか!」
そう言って男は奴隷を鞭で叩く。
「ぐあっ」
「ふん、汚らしい声をあげよって。お前らはなぁ、人間のゴミなんだよ! そのゴミをこの俺様が雇って働かせてやってるんだから感謝しろよぉ? わかったらさっさと運べ!!」
「…はい、申し訳ありませんでした。領主様。」
「ふん、ゴミムシどもめが。」
聞こえよがしに言われた言葉を無視してルイドは歩き始める。
夜、奴隷達が食事をするボロい、雨漏りをしている小屋でルイド達が愚痴を零していた。
「あの領主、マジでなんなんだよ! 俺が足首痛めて少ししゃがんでただけで文句言いやがって!」
ルイドがそう言うと他の仲間達が次々と領主の悪口を言い始める。
「ほんとうだよ、この前なんか領主の機嫌が悪い時、僕何もしてないのにイチャモンつけられて鞭で何回も叩かれたんだ!酷いと思わない?」
「そりゃねぇぜあのデブ! ほんっと領主ってやつはどいつもこいつも俺達を人間と思ってねぇよなぁ!」
「その通りだぜ。もう俺こんな生活こりごりだ。いっぺん死んで生まれ変わりたいもんだ」
誰かがそういうとみんながそれに賛成する。
「それ僕も思ってたっ!」
「俺なんかいつも寝る時生まれ変わったら貴族になりてぇって思ってる。」
「ほんとそれな!」
そんな会話を聴きながらルイドは生まれ変わりもいいもんじゃないけどな、と思う。
実はルイドはこれが3度目の人生なのだ。
1度目は日本に生まれ、サラリーマンになるまで順風満帆な人生を歩んでいた。
しかし高校から付き合っていた彼女と婚約して、まさに人生で1番の幸せな時期だと思っていた時に、同じ会社に入った同僚で高校の同級生の奴にハメられた。
奴はずっと彼女に好意を寄せていて、俺が彼女と付き合ったことをずっと恨んでいた。
そして同じ会社に入り俺の悪い噂を流し孤立させ、彼女も奪い取り、あげくには俺を不慮の事故に見せかけて殺した。
2度目はヨーロッパの貧民街の生まれた。親は俺が小さい頃に病で死んだ。毎日生きるのに必死で盗みなんかは日常的にやっていた。
そしてまたここでも裏切りにあう。
貧民街の仲間が悪事をやった時警察に捕まった時、罪を逃れようと、俺に指示されてやった、首班はあいつだ。と言い出したのだ。
俺は必死に否定したが、あの国の警察は自分達の手柄しか頭になく、アホほど役に立たなかった。
おかげで俺は警察に捕まり、毎日のように虐待を受け衰弱して死んだ。
そして3度目の人生がこれだ。俺は生まれつき身分の低い所の出身で生まれてからずっと奴隷だった。
もうこんな人生はコリゴリと思い、来世は何も特別な事はなくていいから、普通でありきたりな人生を送らせてください。何も起こらず、ゆったりのんびりとした人生にしてください。と毎日神に祈っている。
まぁ、神など居るか分からないが。
次の日の朝、ルイドは炭がとれる鉱山にいた。
今日の仕事はここでとれる炭を山の下に運ぶことだった。
昨日痛めた足首に気を使いながら運んでいると、後ろから
「危ない!!」
と声が聞こえた。後ろを振り返ってみると足元を崩した同僚がこちらに向かって転げてくる。
「「うわああああああ!!」」
そして2人もろとも、崖から落ちてしまった。
ふとルイドが目を覚ますと、そこには見慣れない白くて綺麗な天井と見慣れないおもちゃ、そして綺麗なお姉さんがいた。
「あら、目を覚ましたの? ハンサス。」
お姉さんは自分をひょいっと、持ち上げ笑顔であやしはじめる。
ルイドは即座に自分が転生したのだと察する。
次の名前はハンサスらしい。そして自分をあやしているお姉さんはどうやら母親らしい。
家の中を見渡してみると、普通な家庭の普通な感じの家だった。
今度はゆったりとした普通の人生を送れる!! そう思い感極まって声を上げると、「おぎゃー、おぎゃー」と言う声しか出なかった。
そして1歳になるまで普通の何も無い人生を送った。それだけで、ハンサスは大満足でこのまま何も起こらずに暮らせていけばいいのに、と思う。
しかし、その期待は見事に裏切られる。
ハンサスが2歳になった時、父親が
「よし、これからお前に剣と魔法を教える。俺は昔冒険者だった時があったんだ。その時に痛感したのは自分の実力があるのとないのとじゃ多違いって事だ。そこで! 俺はお前に剣と魔法を叩き込むことにした。いいな!」
……はあああぁぁぁぁ!?
いや、言い訳ないだろっ。
突然何も言ってるんだこの人は。
それに俺まだ2歳だぞ? もっと楽させてくれよ。
「明日から毎日鍛錬に励んでもらう。甘えは許さない!男子たるもの、逃げてどうする、という話だ。そして目標は世界で1番の剣と魔法の使い手になることだ!!」
いやいや、逃げてんのはアンタだよ。いつも酒飲んでお母様に愚痴ってるじゃないか。酔いつぶれたアンタを介護してるの誰だと思ってるんだ。
それになんだその目標。俺に楽をさせる気はないってのか。
「返事はどうした!!」
「………はい。」
「もっと大きな声で!!」
「…はいっ!」
「よし、では明日から頑張るように! 以上!」
そう言ってお父様は去っていく。
…はああああああ、やめてくれよぉぉぉぉ
嫌だよそんなの。俺は「普通」の暮らしがしたんだよ。そんなの1mmも望んじゃいねぇよ。
しかしあの人は人の意見を聞かない人だから言っても無駄だろうな……。
あぁ、俺の人生なんでこうなっちゃうんだ。
4度目の転生も波乱万丈になりそうな予感しかしねぇ…。
ほらそこ! 何をしてる!! さっさと立たんか!」
そう言って男は奴隷を鞭で叩く。
「ぐあっ」
「ふん、汚らしい声をあげよって。お前らはなぁ、人間のゴミなんだよ! そのゴミをこの俺様が雇って働かせてやってるんだから感謝しろよぉ? わかったらさっさと運べ!!」
「…はい、申し訳ありませんでした。領主様。」
「ふん、ゴミムシどもめが。」
聞こえよがしに言われた言葉を無視してルイドは歩き始める。
夜、奴隷達が食事をするボロい、雨漏りをしている小屋でルイド達が愚痴を零していた。
「あの領主、マジでなんなんだよ! 俺が足首痛めて少ししゃがんでただけで文句言いやがって!」
ルイドがそう言うと他の仲間達が次々と領主の悪口を言い始める。
「ほんとうだよ、この前なんか領主の機嫌が悪い時、僕何もしてないのにイチャモンつけられて鞭で何回も叩かれたんだ!酷いと思わない?」
「そりゃねぇぜあのデブ! ほんっと領主ってやつはどいつもこいつも俺達を人間と思ってねぇよなぁ!」
「その通りだぜ。もう俺こんな生活こりごりだ。いっぺん死んで生まれ変わりたいもんだ」
誰かがそういうとみんながそれに賛成する。
「それ僕も思ってたっ!」
「俺なんかいつも寝る時生まれ変わったら貴族になりてぇって思ってる。」
「ほんとそれな!」
そんな会話を聴きながらルイドは生まれ変わりもいいもんじゃないけどな、と思う。
実はルイドはこれが3度目の人生なのだ。
1度目は日本に生まれ、サラリーマンになるまで順風満帆な人生を歩んでいた。
しかし高校から付き合っていた彼女と婚約して、まさに人生で1番の幸せな時期だと思っていた時に、同じ会社に入った同僚で高校の同級生の奴にハメられた。
奴はずっと彼女に好意を寄せていて、俺が彼女と付き合ったことをずっと恨んでいた。
そして同じ会社に入り俺の悪い噂を流し孤立させ、彼女も奪い取り、あげくには俺を不慮の事故に見せかけて殺した。
2度目はヨーロッパの貧民街の生まれた。親は俺が小さい頃に病で死んだ。毎日生きるのに必死で盗みなんかは日常的にやっていた。
そしてまたここでも裏切りにあう。
貧民街の仲間が悪事をやった時警察に捕まった時、罪を逃れようと、俺に指示されてやった、首班はあいつだ。と言い出したのだ。
俺は必死に否定したが、あの国の警察は自分達の手柄しか頭になく、アホほど役に立たなかった。
おかげで俺は警察に捕まり、毎日のように虐待を受け衰弱して死んだ。
そして3度目の人生がこれだ。俺は生まれつき身分の低い所の出身で生まれてからずっと奴隷だった。
もうこんな人生はコリゴリと思い、来世は何も特別な事はなくていいから、普通でありきたりな人生を送らせてください。何も起こらず、ゆったりのんびりとした人生にしてください。と毎日神に祈っている。
まぁ、神など居るか分からないが。
次の日の朝、ルイドは炭がとれる鉱山にいた。
今日の仕事はここでとれる炭を山の下に運ぶことだった。
昨日痛めた足首に気を使いながら運んでいると、後ろから
「危ない!!」
と声が聞こえた。後ろを振り返ってみると足元を崩した同僚がこちらに向かって転げてくる。
「「うわああああああ!!」」
そして2人もろとも、崖から落ちてしまった。
ふとルイドが目を覚ますと、そこには見慣れない白くて綺麗な天井と見慣れないおもちゃ、そして綺麗なお姉さんがいた。
「あら、目を覚ましたの? ハンサス。」
お姉さんは自分をひょいっと、持ち上げ笑顔であやしはじめる。
ルイドは即座に自分が転生したのだと察する。
次の名前はハンサスらしい。そして自分をあやしているお姉さんはどうやら母親らしい。
家の中を見渡してみると、普通な家庭の普通な感じの家だった。
今度はゆったりとした普通の人生を送れる!! そう思い感極まって声を上げると、「おぎゃー、おぎゃー」と言う声しか出なかった。
そして1歳になるまで普通の何も無い人生を送った。それだけで、ハンサスは大満足でこのまま何も起こらずに暮らせていけばいいのに、と思う。
しかし、その期待は見事に裏切られる。
ハンサスが2歳になった時、父親が
「よし、これからお前に剣と魔法を教える。俺は昔冒険者だった時があったんだ。その時に痛感したのは自分の実力があるのとないのとじゃ多違いって事だ。そこで! 俺はお前に剣と魔法を叩き込むことにした。いいな!」
……はあああぁぁぁぁ!?
いや、言い訳ないだろっ。
突然何も言ってるんだこの人は。
それに俺まだ2歳だぞ? もっと楽させてくれよ。
「明日から毎日鍛錬に励んでもらう。甘えは許さない!男子たるもの、逃げてどうする、という話だ。そして目標は世界で1番の剣と魔法の使い手になることだ!!」
いやいや、逃げてんのはアンタだよ。いつも酒飲んでお母様に愚痴ってるじゃないか。酔いつぶれたアンタを介護してるの誰だと思ってるんだ。
それになんだその目標。俺に楽をさせる気はないってのか。
「返事はどうした!!」
「………はい。」
「もっと大きな声で!!」
「…はいっ!」
「よし、では明日から頑張るように! 以上!」
そう言ってお父様は去っていく。
…はああああああ、やめてくれよぉぉぉぉ
嫌だよそんなの。俺は「普通」の暮らしがしたんだよ。そんなの1mmも望んじゃいねぇよ。
しかしあの人は人の意見を聞かない人だから言っても無駄だろうな……。
あぁ、俺の人生なんでこうなっちゃうんだ。
4度目の転生も波乱万丈になりそうな予感しかしねぇ…。
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