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第六十七話_ペパーミント、トリガーハッピー
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一方、地上に降り立ったペパーミントとガーベラである。ペパーミントは敵から少し離れた大きめの岩の陰に降りると、早速と銃に針を装填する作業をガーベラにレクチャーする。
「で、あとは筒の先端を敵に向けて、この引き金ってところを引くだけ」
「ふ~ん。 ちょっとペパミンやってみて」
「おっけ~、ガーちん」
ペパーミントはビオラを追いかけて虫取り網を振り回している男の一人に照準を合わせて引き金を引く。ぽすっと音がして針が発射されたが距離もあって革鎧に阻まれてダメージを与えることは出来ていないようであった。
「当たってるかどうかも分かんないじゃん」
「ホントだぁ~、イク姉ぇの話だと弓矢よりも強いらしいんだけど……」
そう言っている間にペリウィンクルが登場し、弓矢を巧みに使って敵を翻弄している。
「ペリさん、やるねぇ」
「む~っ! ペリ姉ぇに負けてらんない!」
口を尖らせて不満顔だったペパーミントだったが、「あっ!」と何かを思いくとニヤッと笑う。そして銃に針を装填し、敵に照準を合わせながら魔法を唱えた。
「光の精霊キララちゃん、我にご加護を。 次弾装填ヨシ、目標確認、照準ヨシ」
ペパーミントが魔法を唱え始めると彼女の周りをキラキラ照らしていた光の精霊が銃身に纏わりつくように移動する。
「ご安全に!」
最後の一言と共に引き金を引くと、ぽすっという音とともに銃身がカッと輝き、銃口からはレーザービームのようなものが放たれた。
盾でショット大豆の豆を受けつつ剣でビオラを牽制していた男が突然、右手の剣を取り落として呻き声をあげ脇腹を抑えた。苦しむ男の脇腹からはジュクジュクと血が滲み始める。
一瞬、その場にいた全員が何が起こったか分からずポカンとして固まった。しかし一歩引いたところから見ていたフロバンとビオラだけは違う反応を示す。
―― なに今の!? かっちょいいっ!!
ビオラが興奮気味に光の軌跡の元を辿ると、銃を手にキラキラと輝いているペパーミントを発見した。
対してフロバンである。部下の男の脇腹を貫通した細い光の線を目撃した彼は戦慄していた。
「ひ、光魔法?! 馬鹿な…… 魔族かエルフでもいるのか?!」
フロバンは青ざめて周囲を見渡す。しかし周囲には誰もおらず光の線が見えたのは一瞬だけ。恐怖で一歩後ずさったフロバンの目に、再び光の線が見えた。
先ほど脇腹を抑えていた男が光線の追撃を受け、前のめりに倒れ動かなくなる。フロバンは「ホ、ホーリーレイ……?」と心当たりのある魔法の名前を呟く。それは噂でしか聞いたことのない、一部のエルフのみが使うとされる高位の光魔法の名前であった。
フロバンは妖精蜂が攻撃魔法を使うなど聞いたことがなかった。せいぜいが土地に魔力をばら撒いて植物の成長を促進したり、何かの効力や効能を上げたりと補助的な魔法だと聞いていた。
魔力を何の補助もなく自力で、それも他人に害を与えられるほどの高出力・高密度の魔力を放出し自在に操れる存在は限られている。今回の攻撃が何かしらの触媒を使った魔法なのかどうかまでは分からなかったが、どちらにしても自分が見たのは高位の攻撃魔法だとフロバンは恐怖した。
「フ、フロバンさん…… い、いいい今のっ……!」
ラバも二発目のホーリーレイは目撃したようだった。倒れた仲間を指さしてガタガタと震えながらフロバンのほうへと振り向いた。
何が起こったか理解していない他の部下達も倒れた仲間を見て動揺が広がっている。そのうち二人がビオラとペリウィンクルの毒が回り始めたようで大量の脂汗をかきながら荒い息で膝を着いていた。
「も、問題ねぇ! あんな高位魔法、そうそうバカスカ撃てやしねぇんだ!」
「こ、高位魔法なんすか……?」
部下の一人が怯えた顔を向け、失言だったとフロバンは嫌な顔で舌打ちをした。
二発目を撃ち終えたペパーミントは満面の笑みで「あははっ、楽しぃ~♪」と次の針を装填しようと腰の袋に手を入れる。
「ねぇねぇ、ペパミン。 キララちゃんて?」
「ん? 光の精霊だよ。名前つけてみたの」
「ふ~ん…… ん?」
闇の精霊が何だかソワソワしていることにガーベラが気が付いた。「なに? あんたも名前が欲しいの?」と聞いてみるとウンウンと頷くように闇の精霊は動いた。
「そっか……」
ガーベラは母親のナナと姉達に『GP-004』という本名を、そしてビオラに『ガーベラ』という愛称をもらった嬉しさを思い出し、「ま、嬉しいわね」と口にすると腰に下げていた袋から針を取り出して銃に装填する。
その間、ペパーミントは「ご安全に! 安全に! ご安全にぃっ! た~のしぃ~♪」と、バカスカと楽しそうに連射していた。
「ペパミン、あたしも試しに撃ってみるから、ちょっと撃つのやめてくれる」
「おっけー、ガーちん」
ペパーミントが撃つのを中止したのを確認したガーベラは敵の一人に狙いを定めると、興奮と期待で口の端を僅かに上げる。
「闇の精霊クララ、あたしに力を貸しなさい。 次弾装填ヨシ、目標確認、照準ヨシ」
銃身に闇の精霊がゾワゾワっと纏わりつく。
照準の先の敵を見下すような嗜虐的なガーベラの妖しく鋭い視線。彼女は呪文を唱えると全身に言い表せないような高揚感を感じ口の端をより一層上げて笑う。
「うふふ、ご安全にぃ」
「ガーちん顔怖い」
静かな艶のある声音で最後の一言を終えたガーベラはゆっくりと引き金を引く。ぽすっという音で闇の魔力を宿した針が飛び、ウサギ族の女ラバに命中した。
「で、あとは筒の先端を敵に向けて、この引き金ってところを引くだけ」
「ふ~ん。 ちょっとペパミンやってみて」
「おっけ~、ガーちん」
ペパーミントはビオラを追いかけて虫取り網を振り回している男の一人に照準を合わせて引き金を引く。ぽすっと音がして針が発射されたが距離もあって革鎧に阻まれてダメージを与えることは出来ていないようであった。
「当たってるかどうかも分かんないじゃん」
「ホントだぁ~、イク姉ぇの話だと弓矢よりも強いらしいんだけど……」
そう言っている間にペリウィンクルが登場し、弓矢を巧みに使って敵を翻弄している。
「ペリさん、やるねぇ」
「む~っ! ペリ姉ぇに負けてらんない!」
口を尖らせて不満顔だったペパーミントだったが、「あっ!」と何かを思いくとニヤッと笑う。そして銃に針を装填し、敵に照準を合わせながら魔法を唱えた。
「光の精霊キララちゃん、我にご加護を。 次弾装填ヨシ、目標確認、照準ヨシ」
ペパーミントが魔法を唱え始めると彼女の周りをキラキラ照らしていた光の精霊が銃身に纏わりつくように移動する。
「ご安全に!」
最後の一言と共に引き金を引くと、ぽすっという音とともに銃身がカッと輝き、銃口からはレーザービームのようなものが放たれた。
盾でショット大豆の豆を受けつつ剣でビオラを牽制していた男が突然、右手の剣を取り落として呻き声をあげ脇腹を抑えた。苦しむ男の脇腹からはジュクジュクと血が滲み始める。
一瞬、その場にいた全員が何が起こったか分からずポカンとして固まった。しかし一歩引いたところから見ていたフロバンとビオラだけは違う反応を示す。
―― なに今の!? かっちょいいっ!!
ビオラが興奮気味に光の軌跡の元を辿ると、銃を手にキラキラと輝いているペパーミントを発見した。
対してフロバンである。部下の男の脇腹を貫通した細い光の線を目撃した彼は戦慄していた。
「ひ、光魔法?! 馬鹿な…… 魔族かエルフでもいるのか?!」
フロバンは青ざめて周囲を見渡す。しかし周囲には誰もおらず光の線が見えたのは一瞬だけ。恐怖で一歩後ずさったフロバンの目に、再び光の線が見えた。
先ほど脇腹を抑えていた男が光線の追撃を受け、前のめりに倒れ動かなくなる。フロバンは「ホ、ホーリーレイ……?」と心当たりのある魔法の名前を呟く。それは噂でしか聞いたことのない、一部のエルフのみが使うとされる高位の光魔法の名前であった。
フロバンは妖精蜂が攻撃魔法を使うなど聞いたことがなかった。せいぜいが土地に魔力をばら撒いて植物の成長を促進したり、何かの効力や効能を上げたりと補助的な魔法だと聞いていた。
魔力を何の補助もなく自力で、それも他人に害を与えられるほどの高出力・高密度の魔力を放出し自在に操れる存在は限られている。今回の攻撃が何かしらの触媒を使った魔法なのかどうかまでは分からなかったが、どちらにしても自分が見たのは高位の攻撃魔法だとフロバンは恐怖した。
「フ、フロバンさん…… い、いいい今のっ……!」
ラバも二発目のホーリーレイは目撃したようだった。倒れた仲間を指さしてガタガタと震えながらフロバンのほうへと振り向いた。
何が起こったか理解していない他の部下達も倒れた仲間を見て動揺が広がっている。そのうち二人がビオラとペリウィンクルの毒が回り始めたようで大量の脂汗をかきながら荒い息で膝を着いていた。
「も、問題ねぇ! あんな高位魔法、そうそうバカスカ撃てやしねぇんだ!」
「こ、高位魔法なんすか……?」
部下の一人が怯えた顔を向け、失言だったとフロバンは嫌な顔で舌打ちをした。
二発目を撃ち終えたペパーミントは満面の笑みで「あははっ、楽しぃ~♪」と次の針を装填しようと腰の袋に手を入れる。
「ねぇねぇ、ペパミン。 キララちゃんて?」
「ん? 光の精霊だよ。名前つけてみたの」
「ふ~ん…… ん?」
闇の精霊が何だかソワソワしていることにガーベラが気が付いた。「なに? あんたも名前が欲しいの?」と聞いてみるとウンウンと頷くように闇の精霊は動いた。
「そっか……」
ガーベラは母親のナナと姉達に『GP-004』という本名を、そしてビオラに『ガーベラ』という愛称をもらった嬉しさを思い出し、「ま、嬉しいわね」と口にすると腰に下げていた袋から針を取り出して銃に装填する。
その間、ペパーミントは「ご安全に! 安全に! ご安全にぃっ! た~のしぃ~♪」と、バカスカと楽しそうに連射していた。
「ペパミン、あたしも試しに撃ってみるから、ちょっと撃つのやめてくれる」
「おっけー、ガーちん」
ペパーミントが撃つのを中止したのを確認したガーベラは敵の一人に狙いを定めると、興奮と期待で口の端を僅かに上げる。
「闇の精霊クララ、あたしに力を貸しなさい。 次弾装填ヨシ、目標確認、照準ヨシ」
銃身に闇の精霊がゾワゾワっと纏わりつく。
照準の先の敵を見下すような嗜虐的なガーベラの妖しく鋭い視線。彼女は呪文を唱えると全身に言い表せないような高揚感を感じ口の端をより一層上げて笑う。
「うふふ、ご安全にぃ」
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