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第1章

第8話 ちょっとした成長

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 草原エリア

低位の魔物、それもどちらかといえば友好的なモブが沸く、初級的な冒険には打って付けの場所だ。
その草原の丘を越えるとドラゴンが堂々と巣をつくっておりその周囲は魔物のレベルがいきなり跳ね上がる。
その中でもドラゴンだけは師匠ですら太刀打ちが出来ない程の強さを誇る
師匠のステータスは3千万程だという

え?3千万?

改めて自分のステータスを見ると未だに2桁しかない
シリュウは3桁あるがそれでも全然足りていない
ゼルセラ様が5年じゃあ無理といった理由がこれか...

ひとまず、初日を乗り切った、拠点のマイホームに入ると既に食卓が用意されていた
恐らく師匠がモンスターを倒して手に入れたのだろう、

自分達が帰って来た事に気が付いたのか、自慢げに鼻を鳴らす、やはりこのじいさんかわいい所がある気がする
軽く返事をし今日の事を話した
自分のステータスの見せると初日でこれなら良い方だと褒められた

褒められるとやっぱり嬉しいそれだけで明日も頑張ろうと思える
実際、今からもう一度狩りに出かけようかと思ってしまうくらいだ
 シリュウも同じ様にステータスを見せたが、自分の時と反応が違った

―――めっちゃ褒めるじゃん...

そんなに褒める?とばかりに褒めちぎっている
そりゃあ、最初からステータスがかけ離れてたんだから、討伐数だって変わってくるだろうに...

私が苦労して倒したモンスターもシリュウに掛かれば尻尾の一振りで終わりだ...

それに何?あの【破壊の芽Lv0】って?どう考えたって危ない奴じゃん
それに...私よりレベルが低いのにどうしてそんなにステータスの差があるのよ...
私なんて必死にレベル上げしても10ずつしかHP増えないのに何で一回100も増えてるのよ...

正直、かなり凹む...種族としての初期値も個体値も上昇値もかなりの差がある...

そ・も・そ・も!勇者とかが努力の果てに戦いを挑み激闘を繰り広げる様な存在に、ただの少女が勝てる訳も無い
私とシリュウには埋まらない差が存在する。


だけど、もう吹っ切れた!!これは疑い様の無い真実であり、逃れられない事実!私は私だ。

心に傷を負いつつも今日獲った食料品を食べる、まぁ大体が『ウサギの干し肉』とか『蒸した兎肉』とかばっかりだが...

食べた感想としては...脂は少ないが何というか野性味が強い様な気がする、かなり弾力がある、味としてはだいぶ前に一度だけ食べたことがある鶏肉に近い味だろうか
若干の臭み、それも血の匂いが残っているが、肉としてはかなりいいものなのではないだろうか

今日獲れたものをすべて食した後、自分のステータスを見て衝撃が走った

―――嘘!?ステータスが上がってる!?

どうやら【兎狩人Lv5】のスキル効果でさら上昇値が何%かプラスされているようだ

自分のHPが200程にまで上昇している、その他のステータスも180程にまで成長している

おや?これならシリュウにも追いつけるのでわ?

だが、ふと思った、自分が上昇している以上、シリュウも上昇しているだろうと...

そっか、そうだよね...自分の心に200ポイント程のダメージを受けた気がした、もちろん受けた訳ではないが,,,

「シリュウよ...もしかしておぬし...魔物を喰らったか?」

キュピ―と返事を返す、やはり私には何を言ってるか理解が出来ない

だが、師匠は理解できている様なので何を言ったか聞いてみると、どうやら食べたらしい
魔物を食べたらそのステータスをそのまま吸収できたらしい

え?それでそんなにステータス高くなったの?そんなことってある?

モンスターを食べてステータスが上がって...その後、モンスターからのドロップアイテムを食べてステータスが上がる...

一体のモンスターで2倍のステータスが上昇することになる

―――これはおいしい

わたしも実践してみよう

淡い期待を抱き、シリュウが獲ってきたベットを使わせてもらい眠りについた

布団に入るとシリュウも同じ布団の中にもぞもぞと入ってきた、獲ったのはシリュウなので文句はない
それに、相手がドラゴンでも一緒に寝る相手が居るのは安心感がある
今日はゆっくり眠れそうだ―――


そうとわかれば明日からは草原エリアの少し丘の方に行ってみようと思う、丘を越えると敵の強さが跳ね上がるが丘の近くならば問題はずだ、もしかしたら丁度いいかもしれない
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