【完結】徐々に夫婦になっていく話

オリハルコン陸

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おまけ 夫 side

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政略結婚をした。
まあ、貴族なら当たり前の話だ。
僕の両親も政略結婚で、夫婦仲は可もなく不可もなくといった感じだった。
それもあって、結婚に夢も理想も持っていなかった。
そこそこの家庭を築ければいい。
そう思って、適当に会ったこともない女性を選んだ。

既婚の友人たちからは「大人しそうに見えたのに、次第に我儘になっていった」だの「甘やかしていたら浪費癖が酷くなった」なんて愚痴を聞かされていたため、妻というものを警戒していた。

だから最初にしっかりわからせておこうと思った。僕と妻、どちらが上なのかを。
その為に、外見上の粗を見つけて開口一番に言おうと決めていた。


到着した妻は、とても美しい人だった。ピンと伸びた背筋と意思の強そうな瞳を、好ましいと思った。

けれど僕の身体は、何度も練習した通りに動いた。
女性にしては高い背。
平均的な女性よりささやかな胸。

気づいた時にはそれらを口に出していた。まるで蔑むように。

しまったと思った。
一目で好意を抱いた女性を泣かせてしまうかと思った。
嫁いだ途端、いきなり夫に罵られて。

けれど彼女は、一瞬目を見張った後で即座に言い返してきた。勝気そうに瞳を煌めかせて。

僕の、あまり食に興味がないため肉の付かない身体と、白眼がちな目。

見事な返しだった。
唐突に理不尽に罵られても、一歩も引かないその態度。
素敵な女性だと思った。

彼女は驚く僕に近づくと、腕を取って無言でエスコートを要求してきた。
ふにゅっと柔らかい感触が腕に伝わる。

…胸だ。
先ほど僕が貧乳と罵ったばかりの。

…柔らかかった。
初めて触れる女性の胸は、たとえ小さく見えても柔らかかった。


…完敗だった。
僕の心は、あっさり彼女に屈伏した。

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