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034話 キスですか?勇者さま。
しおりを挟むよーし、もう一眠りするぞ!!
と、思っていたけど…出来ない、、で、いた。
ベッドに横になり布団は被って眠る準備は出来ているのだが・・・。
なぜ眠れないか?・・・原因はすぐ近くに、、、。
『すぅーすぅー』と静かに寝息をたてている…。
隣に居るミオンだ。
つい今し方、告白され、キスまでされて平常心で居られる訳がないよね?
それも、その後で同じベッドで寝ようなんて、、、。
少なくともフェンは平常心では居られなかった。
眠ろうとして『考えない様に』と思えば思う程、先程の事が頭に浮かんでしまう。
温かく優しいミオンの体温、、柔らかい唇の感触、、
自分からキスしてきたのに微かに震える身体が健気で、儚く、愛おしい。
そのミオンに抱き付かれて普段通りに寝よう、なんてフェンには無理だった。
しかし、今、当のミオンはフェンにしがみついて普段通り眠っている。
、、、いや、普段よりも『スヤスヤ』と眠っている気がする。
ミオン・・・僕より大物だね。
フェンに対する信頼感からなのか、目的を果たしたという達成感からなのか、、、
とても穏やかな表情で眠っている。
その寝顔を見ているだけで心が充たされる気がする。
・・・これが『癒し』って事なのかな、、?
フェンが部屋に戻った時には泣き疲れ、青ざめた痛々しい顔だったのに。
未だにミオンがどんな夢を見たのかは分からないが、元気になってくれて本当に良かったと思う。
内容が分かれば『夢の様なこと』が起こらない様に対策も出来るのだが…。
思い出させて悲しい思いをさせるのは酷だし、こちらから聞く事はしない。
もし話して楽になるとミオン自身が思えば自分から話してくれるだろう。
「ミオン、おやすみ…」
・・・僕も頑張って寝よう!
それでも暫くするとフェンもウトウトして来た。
『ようやく寝れる』と思った、、、
、、のだけど、、お約束の様に誰かが来て部屋のドアを勢い良く開いた。
「フェンさま! 心配掛けたにゃ! ミヤ元気になったにゃ!」
・・・幾らお約束でも今は遠慮して欲しかった。、、眠い、、、。
ミヤはベッドに居るフェンを見つける。
「ただいまにゃ、フェンさま!!」
「あー、ミヤお帰り。元気になって良かったね。」
「フェンさま、まだ寝てるのかにゃ?」
「寝坊のし過ぎだにゃ。」
もう朝と言うには難しい時間で、日も高くなっていたのだ。
「フェンさ…まっ!?」
フェンに抱き付いて眠るミオンも見つけた。
「ミヤの居ない間に…何時まで抱き合って寝てるつもりにゃ!!」
…えーっ、、何時までって言われても『これから寝よう』って思ったばかりなのに…。
でも、ミヤの言う事も解らなくもない。
自分が怪我をして治療しているのに、それを無視して楽しそうにされたら嫌だよね、、、。
「ごめん、ごめん。でもミヤ、僕も今し方、帰って来たばかりなんだよ。」
「これから寝ようか、と思ってた所なんだ…。」
・・・せっかくミヤが帰って来たのに!、、何て素っ気ない対応にゃ!!
「ミヤ・・・僕、眠くて一眠りするけど、、、ミヤも寝る?」
・・・正直、眠くない。
治療が終わったばかりで元気過ぎて走り回りたい気分だった。
希望を言うなら、『どこかへ遊びに連れてって。』である。
・・・が、ミオンにフェンを独り占めさせておくのには抵抗がある。
「・・・ミヤ?」
「・・・ミヤも寝るにゃ!」
ミヤもベッドに潜り込む。
フェンに抱き付いて深呼吸する。
・・・やっぱりフェンさまにゃ・・フェンさまの匂いにゃ!
フェンは早くもウトウトし始める。
ミヤが帰って来て同じベッドで一緒に寝てくれた事で、
ミオンに対するドキドキ感が中和されて、眠気が勝ったのだ。
「おやすみー、ミヤ。」
『すぅー、すぅー』
・・・速攻!? 速過ぎでしょ?
フェンもミオンも既に寝息をたてている。
・・・完全に取り残されてしまった、、。
しかも・・・実は眠くない、、。
寝ようと思って眠れる程、器用でもない。
・・・困ったにゃ・・・。
なぜか朝から疲れていて寝たいと言うフェンさまの邪魔はしたくない。
フェンさま・・・寝てる。
ミオン・・・寝てる。
ミヤ・・・起きてる。
、、、起きてる?・・・私だけ?
今、起きてるのはミヤだけだ。・・・・ニヤリッ。
「フェンさま…ご褒美欲しいにゃ…。」
『うん、いいよ。』
・・・と、言ってくれる。。想像だけど。
いや、実際に聞けば、きっとこう言ってくれる…と妄想する。
「フェンさま、ミ、ミヤの事、、好きかにゃ?」
『うん、好きだよ。』
・・・エヘヘ、、妄想だから思いのままだ。
「もっと可愛がって欲しいにゃ。」
『・・・例えばどんな?』
「そうにゃー、キスとかして欲しいにゃ。」
『キス?…いいよ。』
「えーっ!いいのかにゃ?、、キスにゃにょ?」
『いいよ、おいで…。』
普段は、はぐらかされてしまうが妄想の中のフェンさまは積極的だ。
「フェンさま…好きにゃ…。」
『僕もだよ、ミヤ。』
・・・キャー!フェンさまがミヤを『好き』って言ってくれたにゃ!
・・・もう、これは、、『相思相愛』にゃ。
ミヤとフェンさまは結ばれるしかないにゃ!!
妄想か、、現実か、、それとも夢か・・・。
そんなの関係ない、、、
「フェンさま、キスして。」
『うん。ミヤ…』
フェンがミヤを抱き寄せて、、、
、、実際はミヤが眠っているフェンに覆い被さったのだが・・・。
「好き…フェンさま。」
ミヤはフェンに唇を合わせる。
・・・フェンさまがミヤにキスしてくれてるにゃ!
、、とは言ってみても、やはりミヤが一方的に唇を押し当てているだけだ…。
、、、なんだか嬉しくない。
せめてお願いだけでも、、と妄想の中のフェンさまにお願いしてみる。
「フェンさま、もっと強く抱き締めて欲しいにゃ。」
当然だが、寝ているフェンは抱き締めてなんてくれない…よね…。
…と、思っていたのだが、、
「エヘヘ…モフモフだねー♪」
・・・以前、聞いた事の有るセリフの様な気が…?
「、、、痛っっ!!」・・・思い出した。
旅先の宿屋で、、確か…。
「痛っ痛いです、フェンさま…背、背骨が…。」
…また?…またこのパターンなの?
寝惚けて力の加減をしないまま抱き締められたのだ。
「エヘヘー、耳も尻尾もモフモフだよー。」
「にゃ!!…あうぅ…」
…結局、フェンの好きなように耳と尻尾をモフモフされてしまった。
…フェンさま、寝惚けてじゃなくて優しくして欲しいにゃ…。
でも、痛かった分、ミオンからフェンさまを取り返せた…はず、だよね?
「フェンさま・・・ミヤは生きています・・・」
「これからも、ずっとフェンさまの傍に居ていいのですよね?」
・・・
・・・妄想のフェンさまは答えてくれない。
・・・妄想のフェンさまは頭も撫でてはくれない。
『妄想の返事なんか要らないもん!』
妄想なんかじゃなくても、実際に答えは、もう貰っているのだ。
ずっと傍に居てもいいってフェンさまは認めてくれたんだから…。
「それは、、つまり、、そういう事なのよね?」
・・・生涯の伴侶に・・・結婚の申込み?、、も同じよね?
、、と、そう思いたいのは山々なのだけど、、、
妄想のフェンさまとは違い、現実のフェンさまは・・・
良く言えば、素朴で純粋。
悪く言えば、鈍感、、だ。
長く一緒に暮らして来たミヤには解る。
フェンの言う、『ずっと一緒に居たい』
は、、
『生涯の伴侶に』や、『結婚しよう』、、では『ない』のだ。
・・・解ってるわよ!!!
そんな事は解ってる。
でもフェンさまもミヤも、二人が同じ様に思っているのなら、形式は整わなくても気持ち的には同じだよね?
「フェンさま…」
思わず声に出してしまう。
『ハッ』っとして口を押さえ、恐る恐るフェンを窺う…。
大丈夫…まだ夢見心地だ。
だが、フェンを挟んだ向こう側に、こちらを見ている瞳が有った。
「…ミオン?」
「ミヤお姉ちゃん…」
「ミヤお姉ちゃん…フェン様の事…好き、、なの?」
『うるうる』した瞳で見られるとミヤまで『クラッ』っときそうになる。
…でも…これだけは譲れない。
「そうにゃ。ミヤはフェンさまが好きにゃ。」
…何で本人を無視して本人以外に告白しちゃってるんだろう…。
「…そう、、なんだ。ミヤお姉ちゃんも…」
「だから何にゃ…ミオンには負けないにゃ!」
「・・・嬉しい♡♡」
「…にゃ…にゃに?」
「私もフェン様の事…好き…です。」
「ミヤお姉ちゃんと一緒…」
「ずっと私…フェン様とミヤお姉ちゃんと一緒に居たい。」
「じゃあ、、今日から家族、、だね。」
、、、、、
「にゃ!、、にゃんですとー!!」
・・・大誤算にゃ。
将来的に恋のライバルになると思っていたミオンから…まさかの「家族宣言」。
ミオンから見ればミヤは恋のライバルではなく、同じ男性が好きな一人の女性でしかないのか…。
犬人族に一夫多妻制の風習が有るのかは知らないが、、まさか、犬人族と家族なんて。
「…お、お姉ちゃん…」
「な、何かにゃ?ミオン。」
「お姉ちゃん・・・エヘヘ」
呼んでみたかっただけなのか、照れながら言うミオン。
・・・くぅーっ、可愛いにゃ。
でも負けちゃ駄目にゃ!
ミヤは宣言する。
「ミオン!フェンさまは、お姉ちゃんの物よ!」
「はい。お姉ちゃんの物です。」
・・・って、、えっ?いいの?
「、、、そしてミオンの物です。」
・・・うゎー! やっぱりにゃ・・・。
これだから犬人族は・・・。
「フェンさまは誰の物でもないにゃ!」
「、、、ミヤ一人の物にゃ!!」
「・・・!!」
「お姉ちゃん…非道い…。」
シクシクと泣き出すミオン。
「泣いたって駄目にゃ。フェンさまは私の物にゃ!」
「ミヤ…僕がどうしたって・・・!!」
「ミオン…どうしたの?…何で泣いてるの?」
・・・あゎゎ、、不味い状況にゃ…。
「お姉ちゃん…ミヤお姉ちゃんが、、」
「フェン様はミヤ一人の物だって・・・。」
「、、、ミヤ…ミオンに何て事を言うのさ…」
「ち、違うにゃ。フェンさま、そんなつもりじゃ…」
「フェン、様…フェン様はミヤお姉ちゃんの事が好きなの?」
「、、、それじゃあ、、ミオンの事、、、嫌い、、なの?」
「そ、そんな事ないよ。ミオンの事もちゃんと好きだからね。」
…むぅーっ!ミオン…フェンさまになんて『羨ましい』質問を…。
「ミオンの事、好き?」
「うん。好きだよ。安心してね。」
「・・・じゃあ、、キス。」
・・・にゃぬ!?
「キスして、フェン様、、」
・・・ははは、流石にフェンさまでもキスにゃんて、、、
「…ミオン、キスして欲しいの?」
!!、、何で聞き返すにゃ?…まさか『して欲しい』って言ったら?
「うん、して欲しい…さっきみたいに、、、」
!!・・・『さっきみたいに』って何にゃーー。
まさかミヤが居ない時にフェンさまと何か有ったのかにゃ?
はっ!…それとも、さっき内緒でミヤが寝ているフェンさまにキスしてたの見てたのかにゃ?
内緒で勝手にキスしてた…なんてフェンさまに知られたら、叱られるにゃ…。
「、、、んっ。。。」
フェンの前に進み出て目を閉じておねだりするミオン。
止めたいけど、止めてミオンが『さっき、お姉ちゃんも…』なんて言われると不味い。。
・・・そうにゃ!ミオンはまだ子供にゃ!
キスなんて、只のスキンシップにゃ!
別にフェンさまとキスしたからって恋愛がどうの、と言う訳ないよね?
、、、うん、きっとそうだにゃ!
ミオンは目を閉じてフェンのキスを待っている…。
「…ミオン、淋しいんだね…おいで。」
・・・僕と一緒に居たいとは言っても、母さんとシオンと離れるなんて淋しいよね?
目を閉じているミオンをフェンが少しだけ抱き寄せる。
・・・二人の唇が重なる。
ミヤは視線が逸らせない。
ミヤですらして貰った事の無い、フェンさまからのキス。
それも自分以外の相手との・・・。
「あ、、、れっ?」
知らない間にミヤの栗色の瞳から涙が流れていた。
なんで?・・・こんなの、、只のスキンシップだよ?
・・・なのに・・・
なぜ、、こんなに悲しくなるの?
・・・嫌だ!!
、、フェンさまが、、他の子となんて見たくない、、嫌なんだ。
少し経つと満足したのか、ミオンがフェンから離れる。
よほど気持ち良かったのか少し呆けた表情だ。
そして、泣いているミヤに向かって言う。
「・・・次は、、お姉ちゃんの番だよ?」
「・・・??」
何を言ってるの・・・ミオンは?
ミオンはフェンにも言う。
「…フェン様、、、お姉ちゃんにもキスしてあげて、、、」
・・・フェンさまがミヤなんかにキスしてくれる訳がないじゃない。
それに、お裾分けでキスなんて、、更に惨めになるだけよ、、。
泣いているミヤを見てフェンが言う。
「ミヤもして欲しかったの?、、おいで、、ミヤ。」
「・・・キス、、してくれるのかにゃ?」
「そうだよ。ミヤは僕とキスなんて、、嫌?」
「そんな事、、、ないにゃ。。。」
「じゃあ、、おいで。」
ミヤが進み出るとフェンも手を伸ばしミヤを引き寄せ、抱き締める。
そして、、、キスしてくれる。
「、、、んっ、、、。」
とても優しく甘いキスだった。
好きな人からのキスだからか、フェンのキスが上手いのか、、、
何だか頭の先から足の爪先まで痺れる様な感じがする。
・・・勝手にミヤが寝ているフェンに悪戯でしたキスは、所詮、悪戯でしかなかったと思い知らされる。
何でフェンさまはミヤにキスしてくれるにゃ?
ミオンとの事を見て泣いちゃったから、ミヤを慰める為?
ミヤの事が・・・好きだから?
後者なら、どんなに嬉しいか、、、とは思うけど、、違うよね。
フェンを良く知るだけにミヤは気付かなかった。
実はフェンのミヤに対する気持ちが以前とは少し変わって来ていた事に。
いつもの通りの『気遣い』なんだよね、、と、決め付けてしまう。
それは、ほんの少し、、気付くのが難しい程の僅かな変化だった。
…ミヤは今回、凄く頑張ったし、恐い思いも沢山して、更に怪我までしたのに…。
こんな僕でも信じて尽くしてくれる・・・。
・・・ミヤの事、、、『大切にしたい』。
今までも『大切にしたい』とは思っていたのは間違いない。
、、そう。それは他人では絶対に気付かない程度の変化だが、同じ位置が定着した二人にとっては大きな前進と言える物だった。
ただ、残念ながら当の二人も自分の気持ちの変化には気付けていなかったのだ。
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