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2章 ヴィランズLOVE!?

36話

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「はぁあああああああ」

「どうしたのアカネ、地響きみたいなため息しちゃって」

机に突っ伏して真っ白に燃え尽きていた私にレイラが心配して声をかける。

「……何でもないそれよりお昼行こ」

「アカネ何でもなくないでしょ? 今日は朝からそんなんよ?」

腕を組んで頬を膨らませてじっと私を見つめる。

「あはは、レイラにはお見通しか。でも心配しないで完璧に解決できるからさ!」

なんて言ってみる。
解決できる見通しは経ってないけど彼女に迷惑をかけると思って隠し通す。

「そうなの……? 何かあったら絶対相談してね? 」

「うん勿論さマイベストフレンド」

「なっななな! そっそうよ! 最高の友達のレイラ様に任せなさい!」

顔を赤くして私の言葉に乗ってくるレイラ。

「その言い方僕みたいだねマイシスター!」

「……私の幸せ壊さないでくれる? マイバッドフレンド!」

ひょこっと登場してきたエリオットに牙を向ける彼女。
なんか二人を見てると安心するな……

「どうしたんだいアカネその暖かい目は」

「別に何でもないよ! 二人とも行こっ!」

二人の手を引いて食堂に向かう私。

「アカネ今日はちゃんと政経の教科書持ってきてる?」

「うん! いやーこの前は大変だったしね!」

この前の反省を生かしちゃんと教科書を持ってきた私。
あははあの恐怖が懐かしいや。
まじであれ死ぬかと思った。

「アカネも政経なんだ! 僕と同じだね」

「むぐっ!? ゲホッゲホッ!」

エリオットが輝く笑顔を見せるとレイラ食事を喉に詰まらせた。

「レイラ!?」

「いやぁレイラと同じ授業じゃなくて寂しいよ」

「おーけー挑発と受け取っていいみたいね。上等じゃない表に出なさいお嬢様拳法見せてやるわ」

「よし来たプリンス式格闘技の技を喰らわせてあげるよ」

立ち上がって親指を横に向け中庭を指さすレイラと拳を鳴らすエリオット

「……レイラ・クォーツ……エリオット・ダイアー」

レイラの後ろからゴゴゴゴと黒いオーラを放つ人間が現れる。

「久々に食堂で飯食おうとしたらお転婆なお嬢様とやんちゃな王子様に会うなんてなぁ……」

怖い笑顔で二人を見つめる担任の先生。
 
「「ひいっ!? ジョセフ先生!」」

「お前ら何喧嘩しようとしてんだ! こい! 職員室でお説教してやる!」

「「ああああー! ヘルプミー! アカネ・アキノシタ!」」

二人の叫び声が虚しく響く。
ありゃりゃこりゃどうしようも無い。
バイバイ二人後でジュース買ってあげるよ。
一人になった私は寂しく残りの食事に手をつける。

「……あっ」

食事を堪能していたら昨日のカレーの被害者と目が合った。

「……たっ食べる?」

食べようとした肉を差し出す私

「おっお前から食べ物はもう貰わない!」

ピューっと逃げていくレオン。
……もうダメだこれ。
永久ブラックリストに登録とか言ったの永遠に謝るからお願いします! なんかこのもどかしさを解消させてください! 

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