はじめからの平行線

野村レオ

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はじめからの平行線

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 ぼくの通っていた高校は、低レベルな高校だった。
 一年のときはなんとなく勉強して、なんとなく良い点を取った。
 二年のとき、同じクラスのあるコに恋をした。
 勉強もそこそこで、クラスで二番だった。
 三年も同じクラスになれた。
 一学期終わって、そこそこの勉強で、また二番だった。
 夏休み、友だちと遊んだとき、ぼくの好きなコはどうやらすごく頭が良いらしい、というウワサを聞いた。じゃあ、ぼくの上は彼女なんだな、と思った。
 一番になれたら告白しようと決めた。
 次の日、親に「塾に通わせてくれ」とたのんだ。親は承諾してくれた。
 その日から、猛勉強をはじめた。
 二学期が終わり、通知表。二番だった。
 ションベンは赤みを帯びてきた。それでも勉強した。
 一番になるチャンスはあと一回。
 ここまで勉強にちからを入れられるのなら告白できるだろうと、お思いなられるかもしれないが、ぼくには勇気が無かった。“一番“それが後押しになってくれそうな気がした。勝算は無い。ぼくはデクだ。とにかく勉強した。してして、しまくった。
 ラストチャンス、二番だった。一生懸命でも届かないことがあるのだなと、教えてもらった。
 
 けど、大学には推薦で行けた。別々の。
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