22 / 39
授業⑥・魔竜はその正体を明かす
しおりを挟む
ヴァルプルギスの突然の宣言に一同は騒然とした。恋の諍いなどではない、もっと深刻な事態に発展する初動を垣間見たような気分に襲われた。突き付けられた当のレオンハルトは何も語らずただ静かにヴァルプルギスを見つめ続ける。
貴族に生まれた者は男女共に家の更なる発展のために務める定めを負う。男なら領地運営や有事での武勲で、女なら良家に嫁いで実家との繋がりを結ぶか優れた夫を迎え入れるか。共通するのは子を育んで家を存続させる事こそが何よりもの使命だった。
だが神聖帝国では貴族における男女の婚姻はよほど家の階級差が無ければ男の尊厳を立てるものと認識されている。夫が不貞を働こうと妻は寛大に許してなお家を守るものとして、妻が不義を働けば夫を裏切ったとして侮蔑させる。
淑女は貞淑であれ、全てはその考えに尽きた。
「あいにく私はお前のような弱い男に何の興味も無い」
だから令嬢から子息に婚約破棄を迫るなど前代未聞。男性側に大罪を犯したような不始末でもなければ到底認められない。何故なら婚約は貴族の家と家との繋がりをもたらす契約。個々の些細な問題など黙殺されるべきだから。
「父上やザイフリート伯には私の口から申し入れておく。ザイフリート家の男はヴァルツェル家の娘が嫁ぐに値しないとな」
「お待ちを、ヴァルプルギス」
言いたい事を言い終わったヴァルプルギスが踵を返そうとして、レオンハルトに呼び止められる。彼は笑顔をしまい込んで真剣な顔つきに変えていた。既にヴァルプルギスはレオンハルトに何の感慨も抱いていないようで、無表情に彼を見つめる。
「レオンハルト、私は何も語るなと言った筈だぞ」
「……っ。確かに私には貴女に反論する資格など無い。現に私は一方的に負けたのだから」
「分かっているなら何故呼び止める? 私はもうお前には何も期待していないのに」
「だがそれで結論付けるにはまだ早い。そうは思いませんか?」
ヴァルプルギスは軽く呻って、成程と頷いた。
「確かに今後お前が腕を上げて私を凌ぐかもしれない。そこまでは考えが及ばなかったな」
「ヴァルプルギスを失望させてしまったのは大変申し訳なく思います。貴女がここまで強くなっているとは……いえ、これも言い訳ですね。全ては私が弱かったせいなのですから」
「そうだな。その潔さは好ましく思う」
ヴァルプルギスはレオンハルトに相対しながらも観衆と化した周囲に視線を逸らせた。するとその中の一人、ユリアーナが身体を過剰に反応させた。深刻な面持ちで唇を固く結んだ彼女はヴァルプルギスを睨みつける。
そんな様子を確認したのか、ヴァルプルギスは再び自分の婚約者だった者を見据えた。
「いいだろう。先ほどの言葉は撤回して保留にする。私を見返す程に精進しろ」
「機会を与えて下さって感謝します」
「だがそうは待てない。お前が学園を卒業するまでの間に私に示してみろ」
一年、その言葉をアーデルハイドとジークリットは重く受け止めた。何故なら予言の書に綴られる物語の期間は丁度一年。それまでにヒロインはいずれかの攻略対象者と結ばれて大勝利。逆に悪役令嬢は断罪の上でその悪意と正体に見合う凄惨な最後を遂げるのだから。
二人は確信した。ヒロインのユリアーナを意識しているそぶりといい、攻略対象者に抜擢されて不思議ではない殿方相手の序盤での大立ち回りといい、ただの令嬢がする行為ではない。明らかにこの先を知っての選択を取ったのだ、と。
「分かりました。この折れた剣に誓って必ず」
「そうか。まあ、頑張れ」
――ヴァルプルギスは悪役令嬢である。
それもまた別の予言の書を読んだ……。
■■■
「ヴァルプルギス・フォン・ヴァルツェル。呼ばれて参りました」
「堅苦しい社交辞令は無しだ。先ほどレオンハルトに見せたままで良い」
放課後、アーデルハイドはジークリットと共にヴァルプルギスを応接室に呼び出した。教室や他の空き部屋では誰に聞かれるか分かったものではなく、生徒会に申請を出して学園の応接室の借用した。無論、当日の手続きには生徒会長こと皇太子ルートヴィヒの意向も働いたが。
応接室の扉がノックされてヴァルプルギスが淑やかに来訪する。ソファーでくつろいでいたアーデルハイドは恭しく頭を垂れた彼女に向かい側に座るように促す。上座も下座も無い位置取りだった。
「そうか。そう言うならそうしよう」
静かに腰を落ち着けたヴァルプルギスの前にお茶とお茶菓子が用意される。従事するのはジークリット。ヴァルプルギスは「自分でやる」と申し出たものの、「どうぞお構いなく」とジークリットにやんわりと拒否されてしまった。
「しかし学園は贅沢だな。いくら客人を迎え入れる部屋であっても上流貴族の屋敷と何らそん色ないぞ」
「この学園には他国からの留学生もいらっしゃいますからねえ。なめられないよう国の威信をかけているのでしょう」
「むう、そうなのか? 何も芸術性を否定する気は無いが、わたしはどちらかと言うと機能美の方が好ましく感じるのだがな」
「それは人それぞれでございましょう。贅沢を凝らした空間で満足する方もいらっしゃいます」
アーデルハイドは更に盛られた菓子を摘まんで口に入れる。「美味だ」と笑顔で舌鼓を打つと「自信作です」とジークリットは微笑んだ。二人の様子を眺めるだけだったヴァルプルギスもジークリットに促されてようやく菓子と茶に手を伸ばした。
「それで私を呼び出して何の用だ、と言いたい所だが、目的は把握している」
「ほう?」
「――私が悪役令嬢か。それを問い質す為だろう?」
「うむ、その通りだ」
和やかな交流もそこそこに、ヴァルプルギスは単刀直入に切り出した。アーデルハイドも別段驚きはせず素直に認めた。ヴァルプルギスはアーデルハイドとジークリット、二人の悪役令嬢を交互に見据え、軽く呻った。
「成程、どうやら未来を記した書物は複数あるようだな。それも個別の展開で」
「話が早いのは助かります。ヴァルプルギスさんのお相手はやはりレオンハルト様ですか?」
「ああ。そう言うお前達の相手は皇太子ルードヴィヒと大魔導師マクシミリアンか? ヒロインが悔しがっていたぞ」
「仰る通りでございます。ああ、ヒロインさんをぎゃふんと言わせるためにわたくし達は奮闘していますので何よりですねえ」
「それでだヴァルプルギスよ。先ほどの顛末は脚本を覆すためのものか?」
それはヴァルプルギスが己の婚約者をあえて突き放し、彼の心を逆に惹いた出来事。
あの後レオンハルトは明らかにやる気に満ち溢れており、授業を終えて去っていく彼の背中からは凄まじい気迫が感じられた。これまで戦闘とは無縁だった何人かの令嬢が軽く悲鳴を挙げる程に。
ヴァルプルギスは特にしてやった満足感を出さず、静かに紅茶に口を付けた。
「ああ。本来ならヴァルプルギス辺境伯令嬢はレオンハルトに負けている。レオンハルトは己の婚約者の成長を微笑ましく思うがそれだけだ。むしろ健気に武器を振るうヒロインを気にする最初のきっかけになる筈だった」
「あー。貴女様が完膚なきまでに叩きのめしたせいでレオンハルト様はヒロインさんを気にかける余裕を失ったわけですか」
「言うのは簡単だが実行に移すとなると大変だ。人間は男女で身体能力に差があるし、そなたとレオンハルトでは体格差も酷かったからな」
「だが実際に勝ったのは私だ。それは覆しようもない事実だな」
アーデルハイドはやや身を乗り出した。そして腕を突き出して目の前のヴァルプルギスを指差す。
「そなた、ヴァルプルギス嬢ではないな?」
「……ほう?」
レオンハルトは後の皇帝に仕えるべく常日頃の鍛練を怠らないと噂で聞いている。ならいくら予言の書を読んでからもう特訓しようが二学年も後輩の令嬢が勝てる道理が無い。予言の書に記された物語が予定された因果ならそれを覆す要因があった。そうアーデルハイドは睨んだ。
仮面を被っていたように表情を変えなかったヴァルプルギスの眉が指摘を受けてわずかに動いた。
「私がヴァルプルギスでなければ何だと言うつもりだ?」
「それを聞いておるのだ。そなたもおそらくは余とジークリット同様に本来なら数か月後に登場する悪役令嬢真打ちだったのだろう?」
「ですからヒロインさんとレオンハルト様との間で固く結ばれた愛の前に散るに相応しい正体があるとわたくし共は考えているんです」
「そこまでお前達に教える義理は無い。お前達がレオンハルトとは何の絡みもないのは分かっている」
「むう、強情だなあ」
「あー、そりゃあ一方的に教えろって迫っても拒絶されるだけでしょう」
アーデルハイドとジークリットは顔を見合わせた。前者は頬を膨らませて、後者は軽く呆れて頭を手で押さえる。「どうする?」と前者が目くばせを送ると、「必要最低限の情報さえ頂けばいいかと」と後者が潤った唇だけを艶めかしく動かした。
「余は魔王だ。アーデルハイドとは一心同体となっている」
「わたくしは魔女です。ジークリットが前世を思い出しました」
「その程度の情報だったら別に構わない」
ヴァルプルギスは軽く頷いて、少しの間をおいて口を開いた。
「私は魔竜。ヴァルプルギスを食らい、その全てを受け継いだ」
貴族に生まれた者は男女共に家の更なる発展のために務める定めを負う。男なら領地運営や有事での武勲で、女なら良家に嫁いで実家との繋がりを結ぶか優れた夫を迎え入れるか。共通するのは子を育んで家を存続させる事こそが何よりもの使命だった。
だが神聖帝国では貴族における男女の婚姻はよほど家の階級差が無ければ男の尊厳を立てるものと認識されている。夫が不貞を働こうと妻は寛大に許してなお家を守るものとして、妻が不義を働けば夫を裏切ったとして侮蔑させる。
淑女は貞淑であれ、全てはその考えに尽きた。
「あいにく私はお前のような弱い男に何の興味も無い」
だから令嬢から子息に婚約破棄を迫るなど前代未聞。男性側に大罪を犯したような不始末でもなければ到底認められない。何故なら婚約は貴族の家と家との繋がりをもたらす契約。個々の些細な問題など黙殺されるべきだから。
「父上やザイフリート伯には私の口から申し入れておく。ザイフリート家の男はヴァルツェル家の娘が嫁ぐに値しないとな」
「お待ちを、ヴァルプルギス」
言いたい事を言い終わったヴァルプルギスが踵を返そうとして、レオンハルトに呼び止められる。彼は笑顔をしまい込んで真剣な顔つきに変えていた。既にヴァルプルギスはレオンハルトに何の感慨も抱いていないようで、無表情に彼を見つめる。
「レオンハルト、私は何も語るなと言った筈だぞ」
「……っ。確かに私には貴女に反論する資格など無い。現に私は一方的に負けたのだから」
「分かっているなら何故呼び止める? 私はもうお前には何も期待していないのに」
「だがそれで結論付けるにはまだ早い。そうは思いませんか?」
ヴァルプルギスは軽く呻って、成程と頷いた。
「確かに今後お前が腕を上げて私を凌ぐかもしれない。そこまでは考えが及ばなかったな」
「ヴァルプルギスを失望させてしまったのは大変申し訳なく思います。貴女がここまで強くなっているとは……いえ、これも言い訳ですね。全ては私が弱かったせいなのですから」
「そうだな。その潔さは好ましく思う」
ヴァルプルギスはレオンハルトに相対しながらも観衆と化した周囲に視線を逸らせた。するとその中の一人、ユリアーナが身体を過剰に反応させた。深刻な面持ちで唇を固く結んだ彼女はヴァルプルギスを睨みつける。
そんな様子を確認したのか、ヴァルプルギスは再び自分の婚約者だった者を見据えた。
「いいだろう。先ほどの言葉は撤回して保留にする。私を見返す程に精進しろ」
「機会を与えて下さって感謝します」
「だがそうは待てない。お前が学園を卒業するまでの間に私に示してみろ」
一年、その言葉をアーデルハイドとジークリットは重く受け止めた。何故なら予言の書に綴られる物語の期間は丁度一年。それまでにヒロインはいずれかの攻略対象者と結ばれて大勝利。逆に悪役令嬢は断罪の上でその悪意と正体に見合う凄惨な最後を遂げるのだから。
二人は確信した。ヒロインのユリアーナを意識しているそぶりといい、攻略対象者に抜擢されて不思議ではない殿方相手の序盤での大立ち回りといい、ただの令嬢がする行為ではない。明らかにこの先を知っての選択を取ったのだ、と。
「分かりました。この折れた剣に誓って必ず」
「そうか。まあ、頑張れ」
――ヴァルプルギスは悪役令嬢である。
それもまた別の予言の書を読んだ……。
■■■
「ヴァルプルギス・フォン・ヴァルツェル。呼ばれて参りました」
「堅苦しい社交辞令は無しだ。先ほどレオンハルトに見せたままで良い」
放課後、アーデルハイドはジークリットと共にヴァルプルギスを応接室に呼び出した。教室や他の空き部屋では誰に聞かれるか分かったものではなく、生徒会に申請を出して学園の応接室の借用した。無論、当日の手続きには生徒会長こと皇太子ルートヴィヒの意向も働いたが。
応接室の扉がノックされてヴァルプルギスが淑やかに来訪する。ソファーでくつろいでいたアーデルハイドは恭しく頭を垂れた彼女に向かい側に座るように促す。上座も下座も無い位置取りだった。
「そうか。そう言うならそうしよう」
静かに腰を落ち着けたヴァルプルギスの前にお茶とお茶菓子が用意される。従事するのはジークリット。ヴァルプルギスは「自分でやる」と申し出たものの、「どうぞお構いなく」とジークリットにやんわりと拒否されてしまった。
「しかし学園は贅沢だな。いくら客人を迎え入れる部屋であっても上流貴族の屋敷と何らそん色ないぞ」
「この学園には他国からの留学生もいらっしゃいますからねえ。なめられないよう国の威信をかけているのでしょう」
「むう、そうなのか? 何も芸術性を否定する気は無いが、わたしはどちらかと言うと機能美の方が好ましく感じるのだがな」
「それは人それぞれでございましょう。贅沢を凝らした空間で満足する方もいらっしゃいます」
アーデルハイドは更に盛られた菓子を摘まんで口に入れる。「美味だ」と笑顔で舌鼓を打つと「自信作です」とジークリットは微笑んだ。二人の様子を眺めるだけだったヴァルプルギスもジークリットに促されてようやく菓子と茶に手を伸ばした。
「それで私を呼び出して何の用だ、と言いたい所だが、目的は把握している」
「ほう?」
「――私が悪役令嬢か。それを問い質す為だろう?」
「うむ、その通りだ」
和やかな交流もそこそこに、ヴァルプルギスは単刀直入に切り出した。アーデルハイドも別段驚きはせず素直に認めた。ヴァルプルギスはアーデルハイドとジークリット、二人の悪役令嬢を交互に見据え、軽く呻った。
「成程、どうやら未来を記した書物は複数あるようだな。それも個別の展開で」
「話が早いのは助かります。ヴァルプルギスさんのお相手はやはりレオンハルト様ですか?」
「ああ。そう言うお前達の相手は皇太子ルードヴィヒと大魔導師マクシミリアンか? ヒロインが悔しがっていたぞ」
「仰る通りでございます。ああ、ヒロインさんをぎゃふんと言わせるためにわたくし達は奮闘していますので何よりですねえ」
「それでだヴァルプルギスよ。先ほどの顛末は脚本を覆すためのものか?」
それはヴァルプルギスが己の婚約者をあえて突き放し、彼の心を逆に惹いた出来事。
あの後レオンハルトは明らかにやる気に満ち溢れており、授業を終えて去っていく彼の背中からは凄まじい気迫が感じられた。これまで戦闘とは無縁だった何人かの令嬢が軽く悲鳴を挙げる程に。
ヴァルプルギスは特にしてやった満足感を出さず、静かに紅茶に口を付けた。
「ああ。本来ならヴァルプルギス辺境伯令嬢はレオンハルトに負けている。レオンハルトは己の婚約者の成長を微笑ましく思うがそれだけだ。むしろ健気に武器を振るうヒロインを気にする最初のきっかけになる筈だった」
「あー。貴女様が完膚なきまでに叩きのめしたせいでレオンハルト様はヒロインさんを気にかける余裕を失ったわけですか」
「言うのは簡単だが実行に移すとなると大変だ。人間は男女で身体能力に差があるし、そなたとレオンハルトでは体格差も酷かったからな」
「だが実際に勝ったのは私だ。それは覆しようもない事実だな」
アーデルハイドはやや身を乗り出した。そして腕を突き出して目の前のヴァルプルギスを指差す。
「そなた、ヴァルプルギス嬢ではないな?」
「……ほう?」
レオンハルトは後の皇帝に仕えるべく常日頃の鍛練を怠らないと噂で聞いている。ならいくら予言の書を読んでからもう特訓しようが二学年も後輩の令嬢が勝てる道理が無い。予言の書に記された物語が予定された因果ならそれを覆す要因があった。そうアーデルハイドは睨んだ。
仮面を被っていたように表情を変えなかったヴァルプルギスの眉が指摘を受けてわずかに動いた。
「私がヴァルプルギスでなければ何だと言うつもりだ?」
「それを聞いておるのだ。そなたもおそらくは余とジークリット同様に本来なら数か月後に登場する悪役令嬢真打ちだったのだろう?」
「ですからヒロインさんとレオンハルト様との間で固く結ばれた愛の前に散るに相応しい正体があるとわたくし共は考えているんです」
「そこまでお前達に教える義理は無い。お前達がレオンハルトとは何の絡みもないのは分かっている」
「むう、強情だなあ」
「あー、そりゃあ一方的に教えろって迫っても拒絶されるだけでしょう」
アーデルハイドとジークリットは顔を見合わせた。前者は頬を膨らませて、後者は軽く呆れて頭を手で押さえる。「どうする?」と前者が目くばせを送ると、「必要最低限の情報さえ頂けばいいかと」と後者が潤った唇だけを艶めかしく動かした。
「余は魔王だ。アーデルハイドとは一心同体となっている」
「わたくしは魔女です。ジークリットが前世を思い出しました」
「その程度の情報だったら別に構わない」
ヴァルプルギスは軽く頷いて、少しの間をおいて口を開いた。
「私は魔竜。ヴァルプルギスを食らい、その全てを受け継いだ」
11
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
破滅したくない悪役令嬢によって、攻略対象の王子様とくっつけられそうです
村咲
恋愛
伯爵令嬢ミシェルは、第一王子にして勇者であるアンリから求婚されていた。
しかし、アンリが魔王退治の旅から帰ってきたとき、旅の仲間である聖女とアンリの婚約が宣言されてしまう。
原因はここが乙女ゲームの世界であり、ヒロインである聖女が旅の間にイベントを進めたためである――と、ミシェルは友人である王女アデライトから教えられる。
実はアデライトは、悪役令嬢というゲームの敵役。アンリと聖女が結婚すれば、アデライトは処刑されてしまうらしい。
処刑を回避したいアデライトは、どうにかミシェルとアンリをくっつけようと画策するが……。
アンリの方にも、なにやら事情があるようで?
カクヨムにも転載しています。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
【完結】元悪役令嬢は、最推しの旦那様と離縁したい
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
「アルフレッド様、離縁してください!!」
この言葉を婚約者の時から、優に100回は超えて伝えてきた。
けれど、今日も受け入れてもらえることはない。
私の夫であるアルフレッド様は、前世から大好きな私の最推しだ。 推しの幸せが私の幸せ。
本当なら私が幸せにしたかった。
けれど、残念ながら悪役令嬢だった私では、アルフレッド様を幸せにできない。
既に乙女ゲームのエンディングを迎えてしまったけれど、現実はその先も続いていて、ヒロインちゃんがまだ結婚をしていない今なら、十二分に割り込むチャンスがあるはずだ。
アルフレッド様がその気にさえなれば、逆転以外あり得ない。
その時のためにも、私と離縁する必要がある。
アルフレッド様の幸せのために、絶対に離縁してみせるんだから!!
推しである夫が大好きすぎる元悪役令嬢のカタリナと、妻を愛しているのにまったく伝わっていないアルフレッドのラブコメです。
全4話+番外編が1話となっております。
※苦手な方は、ブラウザバックを推奨しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる