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7 マートンとブラゼル
しおりを挟む「打てない」が代名詞になっているタイガースだが、2010年はチーム打率.290、3割バッタ5人、本塁打173(巨人に次いで2位)。外人として活躍したのがマートン(この年入団)とブラゼル(2年目)だ。
開幕オーダーは、マートン、平野、鳥谷、金本、新井、城島、ブラゼル、桜井と云う並びだ。真弓阪神2年目、これでも優勝できなかった(中日に1ゲーム差)。先発投手陣のコマ不足であった。マートン.349、214でイチローを越す最多安打を記録。ブラゼルは.296で3割には僅かに届かなかったが47本塁打、117打点だから凄い(彼がNPBで滞在し中で一番の成績)。日本人3割バッター4人にこの外人パワー、こんな年もあったのだ。
ブラゼルは1年先輩として何かとマートンを気遣った。よく連れて行ったのが『吉野家の牛丼』、(ブラゼル安く上げた笑)マートンは大の牛丼好きになった。
マット・マートン
2003年のドラフト1巡目でジョージア工科大学からボストン・レッドソックスに入団。2005年メジャーデビユー。2006年は左翼手として開幕スタメンを勝ち取り、144試合出場でチームトップの打率.297で、13本塁打、62打点、カブスでは人気選手の一人となった。
2007年.281と安定していながらも得点圏打率が低く、出場機会が減る。08年、09年移籍先でも出場機会に恵まれずほとんどマイナー暮らしだった。
2009年のシーズン終了後に、試合中の大怪我で引退した赤星憲広の後を継ぐ「1番・中堅手」候補として阪神タイガースと契約。2010年のシーズン最多211安打は既に書いた。猛打賞実に24回、まさに「安打製造機」であった。1年目ベンチでノートに何やら書いているのがよくTVに映されていた。そんな外人は初めてだった。研究熱心で、繊細なタイプと見受けた。速くはなかったが11盗塁している。
そんな彼も、グランド上でいろいろ問題を起こしている。
2年目ロッテ清田が打ち上げた右飛を3アウトチェンジだと勘違いし、ボールをスタンドに投げ入れてしまった(あったなぁ~)。
2012年、シーズンを通じて攻守に精彩を欠いた。不振に悩まされるあまり精神状態も安定せず、6月の対オリックス戦では緩慢な守備で相手に得点を与え、打者走者の二塁進塁も許したことを報道陣に問われ、この日の先発投手能見篤史を引き合いに出して「二塁、どうぞ。アイドントライクノウミサン」と、口にして問題となった。
阪神時代には、3回の退場処分を受けている。
2013年8月14日の対広島戦、大竹寛が投じた投球のストライク判定に激高。バットでベース付近に線を引いた行為が侮辱行為ととられ、球審の良川より退場を宣告された。
同年さらに、9月14日の対ヤクルト戦(神宮)で、福留のセンター前安打で二塁から一気に本塁へ突入した際にヤクルト捕手の相川亮二へタックル。判定はアウトだったが、この年、すでにヤクルト捕手田中雅彦同様のプレイで負傷退場に追い込んだ経緯もあり、激高した相川がマートンを突き飛ばしたことから、両チーム総出の乱闘に発展し、相川と共に暴力行為で自身2度目の退場処分を受けた。翌日の同カードも出場停止であった。これがコリジョンルールの伏線になったと云われている。
2014年は対広島戦で、球審の見送り三振の判定に対し、バットを放り投げて詰め寄り暴言を吐いたことから、自身3度目の退場処分を受けた。
2013年は復調、19本塁打・178安打・37二塁打を記録し、来日後3度目のリーグ最多安打に加えて、リーグ最多二塁打も達成した。
2014年打率は.338で、初めて首位打者のタイトルを獲得。巨人と対戦したクライマックスシリーズ第4戦では、小山雄輝から先制の3ラン本塁打を放って、チームの日本シリーズ出場に貢献した。この年加入したゴメスが打点王のタイトルを取ったが、マートンの存在が大きかったとされる。
2015年、打率.276、9本塁打という成績にとどまった。それ以上に肩が弱くレフトとしての守備に問題ありとされて6年在籍して退団となった。大リーグ復帰を目指したが2017年現役引退を表明。
「ノウミサンキライネ」と発言(その後お立ち台に二人立ったとき「ノウミサンダイスキ」と発言している)された能見は笑みを浮かべながら、「あの時は大変だった。マートンが野球に対して真面目で純粋な選手だったから、誰もが本意と思ってないことは分かっていた。マートンから繰り返し謝られたので、謝られるたびに、発言を真に受けていないことを伝えていた。どのような選手にもいずれは引退の時が訪れるものだが、マートンの引退を知った今は、右打者としての実績の凄さを改めて感じている。(マートンが阪神を退団してからは疎遠になっているので)また会えたら良いね」というコメントを出している。
その技術レベルの高さは、打者不利とされる追い込まれたカウントからでも打率.350と優れた成績からも知れる。広澤克実は「真似しようとしても誰も出来ない、天才型の選手」と評している。3年間同僚だった金本知憲は「マートンはそんな長打力なかったがチャンスに強く、集中力があった。ああいう選手好きですね」と述べている。
ヒーローインタビューでは「イエス様に平安がある」という日本語で締めくくっていたが、両親ともに教師という敬虔なプロテスタント家庭に育ち、阪神時代にも、日曜日には神戸市内の教会をできる限り訪れていたという背景がある。
最終年、肩の弱さや、守備の怠慢プレイにわたしも「あかん」と厳しい評価をしたが、辞めてみると成績だけでなく、懐かしさを改めて感じる選手である。それは私だけでなく、タイガースファンがみな感じるものであろう。
2018年シーズンから、球団フロントとして古巣のカブスに復帰。ベースボール・オペレーション補佐に就任、傘下マイナー球団の巡回指導や、ドラフトに向けたアマチュア球界のスカウト活動など様々な役割を担っている。第二のマートン見っけてタイガースに送って欲しい。「タノンマッセ、マートン」。
ブラゼル
1998年6月メッツからドラフト5巡目で指名を受け、選手契約。2004年に松井稼頭央の故障者リスト入りに伴い8月メジャーデビュー。この年はメッツで24試合に出場して打率.265・1本塁打・3打点という数字を記録。
西武時代、2007年12月西武ライオンズと契約。27本塁打放つも、低打率で日本シリーズにもメンバーから外されそのまま自由契約となる。
帰国後、独立リーグで活躍していたところ、打撃不振の新外国人ケビン・メンチの代役を探していた阪神の目に留まり、5月28日に正式契約(シーズン終了までの契約)。7月にはOBのランディ・バースからアドバイスを受けた。故障などもあって
この年は全試合の半分ほどの出場数だったが、打率290・16本塁打で全くの期待外れに終わったメンチの穴を埋めた。2010年は開幕から好調でマートンと共にチームを牽引したことは既に書いた。この好成績を残すことができたのは、西武時代苦手にしていた膝下に落とされるスライダー対策として、膝の下にひもを張って、それより下のボールには手を出さない練習をするといった努力があったとされる。
大の牛丼好きで、阪神退団のロッテ時代には「ブラゼルパワースタミナ牛丼」が発売された。
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