異世界転移して5分で帰らされた帰宅部 帰宅魔法で現世と異世界を行ったり来たり

細波みずき

文字の大きさ
22 / 44

22話 連行

しおりを挟む
 朝を迎える。
二階の部屋には木製の大きめベッドがあった。
獣人は身体が大きいからな。
あとは鏡とタオルがおいてあるくらいの簡素な部屋だ。
転移初日に無一文で宿に泊まれるとはありがたい。
部屋に一礼して一階へ降りる。

「おう兄ちゃん。
昨日は面白かったぜ。な?ところで名前は?」

「ああ名前行ってなかったか。
赤羽です。
よろしく。」

「ははは、赤羽かー。
変わった名前だな。
さすがにこっちの人間じゃないな。
改めてクロックだ。よろしく。
んで、これからどうするんだ?」


そういいながら椅子を引く。
「朝飯はおごりじゃないぜ?出世払いよ」

「なにからなにまで悪いな。いただくよ。
今後は・・・そうだな。
とりあえずレベルアップを目標にしたい。
あとは情報だな。この国、世界の事、全然分からないんだ」

「ほーなるほどな。俺は教えるのは得意じゃないしな。
そういうのはピューイだな。ギルドであったろ?ペンギンの」

「ああ、あの人か。獣人魔法とかいってたな。」

「レベルアップはまかせろ。
この世界にきたらレベルアップを目指すのは当然さ。
この国には3つレベルアップに適したもんがある。
1つ、冒険者になる
2つ、コロシアムで剣闘士になる
3つ、軍に所属して戦争に行く
おすすめは冒険者だ。俺が手とり足とり教えてやるよ。
そろそろ新しい仲間を募集しようと思ってたんだ。
つーか俺と来いよ!」


「仲間も知識も手に入るなんてありがたい。是非頼むよ」

「おっ!決定だな!
じゃさっそくギルド登録しねえと。
ギルドに行こうぜ。」

朝ごはんをかき込むクロック。

「クロック、つけ払いそろそろ払ってね。」
いつのまにか後ろに立っているウサギ娘。

「おおう。すまんすまん。怒るなよユーン。
新しい仲間も増えたしダンジョンアイテムで一攫千金だ。
倍にして返してやらあ」


「もう少子良いんだから。赤羽さんもクロックに言ってやって」

てきぱきと皿を片付け、キッチンに戻るユーン。

「あ、あとお兄ちゃんみてない?全然音沙汰無いんだから」

「いやあ見てねえな。じゃ、行ってくるわ」

「はいはいありがとうございましたー朝ごはん代もつけときますー」
ふてくされながら手をひらひらとふるユーン


クロックについていく。

朝の陽ざしが坂に反射して、きらきらと輝く。
美しい街並み。

クロックと登っていく。

「そういえばおめえ足悪いのか?普通に歩いてるけど」

「ああ杖な。
ストーンって魔法つかったら取れなくなって。色々形を変えてみてはいるんだが」

「なんだそりゃ。
転移者・転生者は魔力強すぎて不具合が出ることがある
とかそんな話を聞いたことがあるけどな。
それも専門外だ。ピューイに聞いてみよう。」

ギルドにたどり着く。
昨日のバカ騒ぎとは打って変わって、中の獣人たちは真剣なまなざしで看板を見ている。


「お、ズージー。来たなゲロ吐き爬虫類。鑑定男」
ラクダ男バンが近づいてくる。

「ズージー。やかましいぞ低レベル。妹がさがしてたぞ。」

「ああ俺は家族にもとらわれない男なのさ。
宿を継ぐ気なんてないんだ。」

(ユーンの兄貴ってこいつかよ。ウサギ娘の兄はウサギ男じゃないのか)

「ズージー。鑑定男。昨日は楽しかったぜ。
で、冒険者ギルドに登録に来たってわけか」

「ああそうなんだ」

「おう、こいつは俺たちのパーティーに入るぞ」

「マジか。今更だが俺はバン。砂漠を駆ける一陣の風。パーティーの生命線さ。よろしくな。」

「レベル低いけどな。ははは」

「(こいつもパーティーなのか)ああ、よろしくな。」

「でお前さん、役職は?」

「あー決まってない」

「魔法使えるなら魔術師か。あとは人間なら剣士が多いな。
鑑定もあるか。」


「とりあえずピューイ待ちだな。わがパーティーの紅一点もまだ来てない。」
クロックが腕を組む。

「自称エリート剣士もな。」


「あいつは病気がちだからなあ」

なにやらあと2人いるらしい。

「とりあえずギルド登録だな。」

「おう、忘れてた。ペリカン嬢のとこ行って来いよ赤羽」
クロックが背中を押す。

「すいません、ギルド登録したいんですけど初めてで。」

「あ、昨日の鑑定士さん。ズージー。
お待ちしてましたよ。
私は受付嬢のペリーピーチです。今後よろしくお願いします。
書類の用意できてます。
転移者さんということで国に報告、一応冒険者ってことで話は通してあります。」

仕事が早い。

「で、こちらがギルド登録証ですね。
他の国でも使える本人確認用書類の代わりにもなりますので
なくさないように注意してください。」

首から下げるプレート状の登録証をもらった。


「クロックさんとパーティー組むんですね。
古株ですけど荒っぽい人なので宜しくお願いしますね。
あ、お仲間がまた来たみたいですよ」

振り向くと亀獣人の女の子がいた。
茶色チェックのスカートに大きな杖。
「ズージー、初めまして魔術師のカティです。」

「初めまして赤羽です。よろしく」


「赤羽よ、あいさつは『ズージー』だぜ」

「そういうのは先に教えといてやれよクロック。なあアカ」
バンのなかで俺のあだ名はアカに決まったみたいだ。

「じゃあ私はアカさんって呼びます。」

「ああ、よろしくカティ。」


「さて剣士様はまだだがまあ来ないだろ。揃ったところで行きますかダンジョン」

「クロック、赤羽ほぼ裸装備じゃん」

「あー、剣くらい買わないといかんか。役職もまだだしな。」

「ペンギンマンを待ってたんじゃないのかよ」

「おお!忘れてた。あいつもまだ来てないようだな」


ギルドの扉が乱暴に空く。

「転移者の人間はいるか!?」

高そうな鎧をつけたチーター顔の髪の長い剣士風の女が言い放つ。
複数の兵士を連れている。

俺とクロック、顔を見合わせる。

「おう何の用だ。うちのパーティーに入ったんだ」

「クロックか。
そいつに王から召喚命令がでている。
おとなしく城まで来てもらおう。
強制だ。逆らうな。」

「王の要件はなんなんだ?」
バンが冷静に言う。

「貴様には関係ないぞ。
ところで一番レベルが低かったらしいな。
貴様、自慢の足でにげてばかりいるからじゃないか。」

兵士一団が失笑する。

「ファースてめえ」
クロックが睨む。

「貴様も連行されたいか。例の件、忘れたわけではないぞ」

「くそ、王には借りがある。あの人にゃ逆らうつもりはねえよ。」

「そうか。ではその転移者こちらで預からせてもらう。」

「赤羽、すまん。王のやつも悪い奴じゃねえから。
おとなしく連行されてくれ。
あとから必ず迎えに行く。」


そして俺は城に連行された。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~

ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆ ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

処理中です...