異世界転移して5分で帰らされた帰宅部 帰宅魔法で現世と異世界を行ったり来たり

細波みずき

文字の大きさ
37 / 44

37話 田島 VSハイオーク

しおりを挟む
 ハイオーク、少し上の階で暴れてるのは分かっていた。

俺たちの念波は微弱だ。
離れすぎると届かない。
1つ2つ上の階層で暴れまわっていると報告があった。
ほぼ巣中心部。
ここまで降りてきたか。
アントナイトJ・Q・Kは特別な蟻だったんだがな。
撃破してきたか。

鑑定
ラタ ハイオーク【珀天】LV68/70 
スキル 朱雀の陣
    鳳凰の陣
    状態異常無効
ナキ ハイオーク【黒天】LV60/70
スキル 黒刀強化
    黒質化
    鳳凰の陣
ムウ ハイオーク【宝帝】65/70
スキル 鑑定
    宝玉の加護 
    詠唱速度上昇
イル ハイオーク【疾爪】62/70
スキル 疾風
    状態異常攻撃上昇
    錬成速度上昇


種族とレベル、所持スキルと発動中スキルの一部が見れる。
俺の生まれつきの能力がたぶんこれだ。
鑑定系はあたりのはず。たぶんな。

もうこの下層にはまともにこいつらと戦えるレベルのやつらはいないな。
ここから10階から20階程上にはアントナイトを複数体放っているが、
J・Q・Kをまとまて倒したこいつらには歯が立たないだろう。
J・Q・Kがこいつらを足止めしている間に戦いの舞台を揃え
さらにジャイアント、各種レア種、産卵能力を分け与えた個体も遠くに逃がした。


あとは俺がこいつらを掃除するだけだ。


こいつら最大レベルが70ってことはまだ進化を残しているな。
ここで殺す。
喰う。
そしてまた新たに産み直す。

ここではない違うところに移動してな。

オークどもはすでに強化を終えた戦闘モードで入ってきた。
準備万端ってこった。
部屋に入ってすぐ散開した。
殺す算段をつけてきた動き。
1番右ムウとかいうやつの魔法の詠唱が始まる。
早い。構築速度が異常だ。
見る見るうちに魔法陣が組みあがっていく。

おっ、肩を射られた?
一番左のイル。
さっきまで手ぶらに見えたがでかい弓を持っている。
錬成か。
矢はアリの足を矢の形状に変えたものか。
大したダメージはない。
ヒットするまで全く気配が感じられなかった。
なにか別のスキルを使っているのか。
毒か麻痺の効果もついてるな。
俺には効かないが。

ナキは両手に黒ナイフ。
突っ込んでくるとみせかけて左右に揺れ動きながら近づいてくる。
スキル千鳥足
これか。
動きを捉えづらい。
こちらも剣を抜く。
カウンターの構え。
俺のほうが早いな。
スキル鳥人脚力
瞬間的に加速。
く、胸部を斬られた。

そのまま後ろに周って追撃か。
振り向けば今度は前からラタが突っ込んでくる二段構えか。
振り向かずに剣でガードの構え。
前だ。
!?
いない?
上か!
スキル飛翔 千鳥足 疾風
またも左右に揺れながら斬り抜ける。

ナキもガード読みで武器折り技か。
剣が折れた。
黒刀強化か。
しかももうすでに2歩下がり回避行動に入っている。
うまいな。



まさかオークに翼が生えて飛び回るとはな。


まだまだ未熟だけどな。
バサバサと無駄が多い。



俺にも羽アリの飛翔能力がある。
羽を出す。
飛翔してみせる。
ラタよりも優雅に素早く。
そして頭上でホバリングしてみせる。

「地魔法LV1ストーン」

散開している4体を同時に押して潰せるほどの大岩が降る。

端の2人は避けたな。
内側の2人は潰れたな。

さて。

ムウ
「バルクサークル」
「サンダラガンズ」
「エンチャントファイア」
「ファイアランス」

4つ同時発動、素晴らしいな。
うちの宝石種が持っていた宝玉の加護で魔法攻撃もアップしている。

空中で軽く避ける。

羽に当たった?
避けたはず。
また矢か。
空中を高速移動しているのに当ててくるとは。
さすがに少しよろめいたぞ。

後ろから?いや頭上から黒ナイフが強襲してくる。
こいつはさっき潰れたはずじゃなかったか。
うまく避けたのか。
影魔法 幻影
これか。
羽にダメージ。
右側の羽が切り落とされる。


大岩を抜け、すかさずラタが炎を纏った剣で大振りする。
スキル 土砂泳ぎ
避けきれない。
空中でバランスを崩した状態では。

「地魔法LV6ストーンソード」

片手の剣で受け止める。
もう片方の手をラタの顔の前に向ける。
魔法を放つ。

「地魔法LV6ストーンスピア」

腕が真上にはじかれる。
天井に土の槍が刺さる。
また矢か。
うっとおしい。

ラタは俺の腕をつかみ一緒に床に落ちた。

ラタ「俺ごとやれ!!!」

ムウ「ブロックチェーン」
  「サンダラ」
  「アクアジェイル」
  「サンダラグリップ」
イル「影矢」
  「疾風矢一閃」
ナキ「黒刀一閃」
  「黒刀衝波斬」


石の鎖、雷、激流の玉に封じ込める水魔法、雷の両手
闇魔法を纏った矢
闇魔法を纏った斬撃

パーティで戦うのに慣れてるってわけだ。
く・・・意識が。

ムウがラタに治療魔法をかけている。

イル「ギガバルク」
ムウ「アームバルク」
  「バルク」
  「ギガバルク」
  「エンチャントサンダラ」
ナキ「黒刀強化」
  「黒刀一対融合」
 
ラタに強化魔法、2本の黒刀を1本に、さらに刀に雷を纏っている。

これは喰らったらやばいな。
だが体もしびれて動かん。

凄まじい気迫。
ラタが近づいてくる。

まいったな。
実力の半分も出せなかった。
いやこいつらがうまく俺の行動を封じたからだな。


仕方ない。
奥の手だ。


ここは巨大な円柱上の縦穴の中層。
いま立っているここは地面じゃない。
何万匹もの超小型アリの上だ。
何層にも重なって
手をつないだり肩を組んだりして地面に擬態している。
4つ目の特別な卵。
超小型アリを生む女王。
異常なほどの産卵増殖能力を与えた。

起きろアリども。
そして落ちろ。
念波を送る。

オークどもが落ちている。
俺も落ちている。
壁にしがみつこうとその壁もアリだ。
残念だったな。
未熟な飛行能力では
この無数のアリどもを纏った状態では飛べまい。
さあ本物の地の底まで落ちよう。
そこで決着をつける。

俺は落ちながらアリを食い体力を回復した。 
決戦の地底に備えて。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

処理中です...