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第三話 私、一か月前に戻る
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――数日後――
病室独特な消毒液の香り。
「う~ん」
次第に意識が戻って来るにつれて手に触れたシーツのサラサラとした感触が手に染みた。
そして気がつくと、私は病院のベットに横たわっていた。
ピッ、ピッ、ピッ
見るとドラマでしか見た事がない心電図の機械が横で波打ち鳴っていた。
何でも職場で倒れたらしい。
以前も倒れた事があり、掛かりつけの病院に運ばれたという。
(えっ?
どうゆう事?)
『病気』の事など、全く覚えていない。
慌てて、主治医と名乗る医者へ事情を訊いた。
『私は、脳に小さな腫瘍があるらしい。』
本来なら手術で簡単に治るが、取り除けない場所にあるらしかった。
医者の話は曖昧で肝心な所がハッキリしなかった。
血液の流れで、自然に取れて治る事もある。
だが最悪、腫瘍が詰まって死に至る事もある。と言っていた。
つまりはいつ死ぬか分からないのである。
(いい加減だなっ
生きる死ぬの質問をしているのにと聞いていて腹が立った。)
今回は一時的に脳の血流が滞った。
その為、酸素が運ばれずに意識を失ったという。
でも意識は戻り、今回は拡張薬で落ち着いたので夕方には家へ帰る事が出来た。
(すぐに死ぬかもしれないのにあっさりと退院だなんて)
とびっくりしたが直ぐに気がついた。
つまりは『手術が出来ない以上、病院に居てもやる事がない。』という事だ。
ガチャ
玄関のドアを開けて自分の部屋へ帰ると、どっと疲れが出た。
バサッ
ベットに倒れ込むと、ため息をついた。
(嘘でしょう?
優が、治らない病気だなんて……
結婚届も用意したのに。)
私は用意した『結婚届』を取り出して見つめた。
それは最近、親友の『結衣』に結婚すると啖呵を切った勢いで書いた結婚届だった。
『結婚雑誌の付録』だったが、それでも何だか少しだけ前進した気がして幸せだった。
それが『いつ死んでも、おかしくない病気』だなんて。
ベットに染み付いた彼の香りを嗅ぎながら優の事を想う。
『優の突然の別れ話の原因は、多分これだろう。』
(バカッ)
思わず枕を叩いた。
ベットからノロノロと起き上がり、部屋の鏡を見る。
鏡の私は疲れ果て随分と酷い顔をしていた。
私は鏡の中の『優』へ話しかけた。
「何で話してくれなかったの?
『玲の事、嫌いじゃないけど……独りになりたい。』って
こうゆう事?」
鏡の中の『優』は、あの時のように黙ったままだった。
運命の日は……明日。
それまでに私はどうするのか結論を出さなければならなかった。
病気の事を話すのか、
話さないのか。
玲と別れるのか、
別れないのか。
(どうしたらいいか分からない。)
考えただけで胸が苦しくて逃げ出したくなる。
(このままじゃだめだ。がんばれ私っ)
自分を追い込むように、私はメッセージを送った。
『玲、明日。
ちょっと会える?』
運命の時まで二十四時間を切っていた。
――翌日――
私は玲を呼び出した待ち合わせ場所に居た。
(この場所の風景……)
この公園の景色を見て少し湿り気のある空気を吸うと胸が苦しくなる。
今でも忘れないっ、私が『フラれた場所』だった。
あの時の記憶が五感と共に鮮明に重なって行く。
景色が、音が、匂いが、その全てが私の鼓動と共に胸を締め付けていた。
さっき、玲から『少し遅れる』ってメッセージが届いた。
『でも私は、知っている。』
私は待ち合わせの場所へ『少しも遅れず』にやって来る。
プロポーズかもと舞い上がった気持ちで嬉しそうに……
しばらくすると、プロポーズを期待した私が高揚した顔でやって来た。
私はポケットの中に手を入れて『結婚届』を触って考える。
(どうしよう?)
彼女を呼び出してこうして顔を見てもまだ結論は出ていなかった。
きっと玲へ病気の事を話して、プロポーズすれば結婚できると思う。
でも、病気はこれからずっと玲を縛る事になる。
きっともう私達は、昔の様に些細な喧嘩も気を使って出来なくなる。
何より『明日、死んでしまうかもしれない。』
そんな重圧を私は、耐えられるのだろうか?
遊園地で嬉しそうにはしゃぐ玲の笑顔が脳裏に浮かんだ。
(俺は彼女を幸せにできない。)
遠くでそんな言葉が何度も聞こえていた。
気がつくと私は、結婚届を触ったまま自分に別れを切り出していた。
目の前で『私』が泣きながら、何度も何度も理由を訊いてくる。
「私に悪い所があるなら直すから……お願い。」
そう泣きながらすがる姿に言葉が見つからず、胸が苦しくなる。
ずっと我慢していたけど、私ももう泣きそうになった。
異変がバレない内に、私は玲の前から逃げる様に立ち去った。
長い沈黙の後、去り際に私がやっと言えた言葉……。
「れっ、玲の事、嫌いじゃないけど……独りになりたい。」
『愛情』と『同情』は違う。
『これでいいんだ』と自分に言い聞かせて足早に歩く。
角を曲がり、玲から自分の姿が見えなくなると目の前が真っ暗になり突然視界が飛んだ。
世界が廻り、何も見えない……
その場に倒れこみ、意識が遠のいて行く。
(私、このまま死ぬんだ。)
直観的にそう悟った。
倒れ込んだ頬に涙が流れ落ちた。
そのまま私は意識が薄れて行った。
「………………」
ポタッ
涙が手に落ちて、気がついた。
ぼんやりとした頭で意識が戻る。
(私、死んだの?)
泣き腫らした目を擦りながら、顔を上げる。
次第に意識が戻って、周りの風景が目に入る。
(あれっ、私の部屋?)
身に覚えのあるピンクのカーテンに、散らかったクッション。
ベットの枕元にある豚のぬいぐるみ。
山盛りにゴミが入れられて溢れそうなゴミ箱。
段ボールに入ったままの、箱買いのお菓子と甘い匂い。
この部屋の散らかり様は、間違いなく私の部屋だった。
恐る恐る、テーブルの上の鏡を手に取って覗き込む。
そこには『玲』の顔があった。
(なんだ、今までの事は『夢』だったの?)
そう安心した後に、急に不安になった。
どこまでが『夢』だったのだろう?
私が『優』になった事?
私が『優』にフラれた事?
慌てて『スマホ』のメッセージを見る。
優から別れ話の場所へ呼ばれた『メッセージ』はなかった。
(よかった。
私、フラれてなかった。)
ほっと胸を撫でおろし、安心してテーブルへスマホを置く。
ドンッ
「嫌な『夢』っ」
そう言って私はテーブルを叩いた。
優と別れるなんて、なんて嫌な夢なんだろう。
夢でも、そんなのは絶対に嫌だった。
行き場のない不安と怒りに何だかモヤモヤした気持ちになった。
ブーン、ピロピロ、ブーン、パラパラ
テーブルの上のスマホが振動し呼び出し音が鳴った。
『優』からだった。
パッっと顔が明るくなる。
不安な気持ちも吹っ飛んで直ぐに電話に出る。
「もしもし、優?
こんな時間にどうしたの?」
さっき見た悪夢を消し去るように、明るく言った。
「あっ、もしもし……あの」
スマホから優の声が聞こえて来た。
私は、久しぶりに優の声が聞けて嬉しくなった。
「今週末、どこへ行く?
優の部屋で、ごろごろするのもいいけど
たまにはどっか行きたいな。」
少しの沈黙の後、優が言った。
「なあ、俺達付き合ってるんだよな?」
突然の言葉に、さっき見た『悪夢』が蘇る。
「何言ってるの。
当たり前じゃない。
私は優の彼女だよ。」
私は、少し怒り気味に答えた。
電話を切った後に、画面の日付を見てハッとした。
その日付は、『私がフラれる一か月前』だった。
スマホを持つ手が震える。
状況が理解できずに、私は少しパニックになっていた。
(落ち着けっ、私、落ち着け。)
深呼吸をしながら必死に自分を落ち着かせて、ゆっくりと思い出す。
『一か月前に、私は優にフラれた。』
正確には、スマホの日付から
『私は一か月後に、優にフラれる?』
それにさっきの電話の『セリフ』……
あれは以前、優に転生した時に私が言った言葉だった。
『まだ、元カレ転生は続いている。』
(私、一か月前に戻ったんだ……。)
私は『優』で過ごしたあの一か月間を思い出す。
初めての『壁ドン』に『親友の告白』……って事は、週末は遊園地?
(大変っ、急いで準備しなきゃっ)
ガチャ
私は急いでクローゼットを開けて手当たり次第に服を広げた。
鏡の前で、いろんな服をあててみるけどイマイチ決まらないっ。
(あ~っ、何でこんな地味な服しかないの?)
さっきまで見た『夢?』が本当かどうか分からない。
でも、私の中の何かが『これは現実』だと言っていた。
残りの服も全部出す。
(駄目だっ、
明日、新しい服を買いに行こう。)
「絶対に運命を変えてやるっ。」
手に持った服を床へ投げ捨てて、私は大声で叫んでいた。
病室独特な消毒液の香り。
「う~ん」
次第に意識が戻って来るにつれて手に触れたシーツのサラサラとした感触が手に染みた。
そして気がつくと、私は病院のベットに横たわっていた。
ピッ、ピッ、ピッ
見るとドラマでしか見た事がない心電図の機械が横で波打ち鳴っていた。
何でも職場で倒れたらしい。
以前も倒れた事があり、掛かりつけの病院に運ばれたという。
(えっ?
どうゆう事?)
『病気』の事など、全く覚えていない。
慌てて、主治医と名乗る医者へ事情を訊いた。
『私は、脳に小さな腫瘍があるらしい。』
本来なら手術で簡単に治るが、取り除けない場所にあるらしかった。
医者の話は曖昧で肝心な所がハッキリしなかった。
血液の流れで、自然に取れて治る事もある。
だが最悪、腫瘍が詰まって死に至る事もある。と言っていた。
つまりはいつ死ぬか分からないのである。
(いい加減だなっ
生きる死ぬの質問をしているのにと聞いていて腹が立った。)
今回は一時的に脳の血流が滞った。
その為、酸素が運ばれずに意識を失ったという。
でも意識は戻り、今回は拡張薬で落ち着いたので夕方には家へ帰る事が出来た。
(すぐに死ぬかもしれないのにあっさりと退院だなんて)
とびっくりしたが直ぐに気がついた。
つまりは『手術が出来ない以上、病院に居てもやる事がない。』という事だ。
ガチャ
玄関のドアを開けて自分の部屋へ帰ると、どっと疲れが出た。
バサッ
ベットに倒れ込むと、ため息をついた。
(嘘でしょう?
優が、治らない病気だなんて……
結婚届も用意したのに。)
私は用意した『結婚届』を取り出して見つめた。
それは最近、親友の『結衣』に結婚すると啖呵を切った勢いで書いた結婚届だった。
『結婚雑誌の付録』だったが、それでも何だか少しだけ前進した気がして幸せだった。
それが『いつ死んでも、おかしくない病気』だなんて。
ベットに染み付いた彼の香りを嗅ぎながら優の事を想う。
『優の突然の別れ話の原因は、多分これだろう。』
(バカッ)
思わず枕を叩いた。
ベットからノロノロと起き上がり、部屋の鏡を見る。
鏡の私は疲れ果て随分と酷い顔をしていた。
私は鏡の中の『優』へ話しかけた。
「何で話してくれなかったの?
『玲の事、嫌いじゃないけど……独りになりたい。』って
こうゆう事?」
鏡の中の『優』は、あの時のように黙ったままだった。
運命の日は……明日。
それまでに私はどうするのか結論を出さなければならなかった。
病気の事を話すのか、
話さないのか。
玲と別れるのか、
別れないのか。
(どうしたらいいか分からない。)
考えただけで胸が苦しくて逃げ出したくなる。
(このままじゃだめだ。がんばれ私っ)
自分を追い込むように、私はメッセージを送った。
『玲、明日。
ちょっと会える?』
運命の時まで二十四時間を切っていた。
――翌日――
私は玲を呼び出した待ち合わせ場所に居た。
(この場所の風景……)
この公園の景色を見て少し湿り気のある空気を吸うと胸が苦しくなる。
今でも忘れないっ、私が『フラれた場所』だった。
あの時の記憶が五感と共に鮮明に重なって行く。
景色が、音が、匂いが、その全てが私の鼓動と共に胸を締め付けていた。
さっき、玲から『少し遅れる』ってメッセージが届いた。
『でも私は、知っている。』
私は待ち合わせの場所へ『少しも遅れず』にやって来る。
プロポーズかもと舞い上がった気持ちで嬉しそうに……
しばらくすると、プロポーズを期待した私が高揚した顔でやって来た。
私はポケットの中に手を入れて『結婚届』を触って考える。
(どうしよう?)
彼女を呼び出してこうして顔を見てもまだ結論は出ていなかった。
きっと玲へ病気の事を話して、プロポーズすれば結婚できると思う。
でも、病気はこれからずっと玲を縛る事になる。
きっともう私達は、昔の様に些細な喧嘩も気を使って出来なくなる。
何より『明日、死んでしまうかもしれない。』
そんな重圧を私は、耐えられるのだろうか?
遊園地で嬉しそうにはしゃぐ玲の笑顔が脳裏に浮かんだ。
(俺は彼女を幸せにできない。)
遠くでそんな言葉が何度も聞こえていた。
気がつくと私は、結婚届を触ったまま自分に別れを切り出していた。
目の前で『私』が泣きながら、何度も何度も理由を訊いてくる。
「私に悪い所があるなら直すから……お願い。」
そう泣きながらすがる姿に言葉が見つからず、胸が苦しくなる。
ずっと我慢していたけど、私ももう泣きそうになった。
異変がバレない内に、私は玲の前から逃げる様に立ち去った。
長い沈黙の後、去り際に私がやっと言えた言葉……。
「れっ、玲の事、嫌いじゃないけど……独りになりたい。」
『愛情』と『同情』は違う。
『これでいいんだ』と自分に言い聞かせて足早に歩く。
角を曲がり、玲から自分の姿が見えなくなると目の前が真っ暗になり突然視界が飛んだ。
世界が廻り、何も見えない……
その場に倒れこみ、意識が遠のいて行く。
(私、このまま死ぬんだ。)
直観的にそう悟った。
倒れ込んだ頬に涙が流れ落ちた。
そのまま私は意識が薄れて行った。
「………………」
ポタッ
涙が手に落ちて、気がついた。
ぼんやりとした頭で意識が戻る。
(私、死んだの?)
泣き腫らした目を擦りながら、顔を上げる。
次第に意識が戻って、周りの風景が目に入る。
(あれっ、私の部屋?)
身に覚えのあるピンクのカーテンに、散らかったクッション。
ベットの枕元にある豚のぬいぐるみ。
山盛りにゴミが入れられて溢れそうなゴミ箱。
段ボールに入ったままの、箱買いのお菓子と甘い匂い。
この部屋の散らかり様は、間違いなく私の部屋だった。
恐る恐る、テーブルの上の鏡を手に取って覗き込む。
そこには『玲』の顔があった。
(なんだ、今までの事は『夢』だったの?)
そう安心した後に、急に不安になった。
どこまでが『夢』だったのだろう?
私が『優』になった事?
私が『優』にフラれた事?
慌てて『スマホ』のメッセージを見る。
優から別れ話の場所へ呼ばれた『メッセージ』はなかった。
(よかった。
私、フラれてなかった。)
ほっと胸を撫でおろし、安心してテーブルへスマホを置く。
ドンッ
「嫌な『夢』っ」
そう言って私はテーブルを叩いた。
優と別れるなんて、なんて嫌な夢なんだろう。
夢でも、そんなのは絶対に嫌だった。
行き場のない不安と怒りに何だかモヤモヤした気持ちになった。
ブーン、ピロピロ、ブーン、パラパラ
テーブルの上のスマホが振動し呼び出し音が鳴った。
『優』からだった。
パッっと顔が明るくなる。
不安な気持ちも吹っ飛んで直ぐに電話に出る。
「もしもし、優?
こんな時間にどうしたの?」
さっき見た悪夢を消し去るように、明るく言った。
「あっ、もしもし……あの」
スマホから優の声が聞こえて来た。
私は、久しぶりに優の声が聞けて嬉しくなった。
「今週末、どこへ行く?
優の部屋で、ごろごろするのもいいけど
たまにはどっか行きたいな。」
少しの沈黙の後、優が言った。
「なあ、俺達付き合ってるんだよな?」
突然の言葉に、さっき見た『悪夢』が蘇る。
「何言ってるの。
当たり前じゃない。
私は優の彼女だよ。」
私は、少し怒り気味に答えた。
電話を切った後に、画面の日付を見てハッとした。
その日付は、『私がフラれる一か月前』だった。
スマホを持つ手が震える。
状況が理解できずに、私は少しパニックになっていた。
(落ち着けっ、私、落ち着け。)
深呼吸をしながら必死に自分を落ち着かせて、ゆっくりと思い出す。
『一か月前に、私は優にフラれた。』
正確には、スマホの日付から
『私は一か月後に、優にフラれる?』
それにさっきの電話の『セリフ』……
あれは以前、優に転生した時に私が言った言葉だった。
『まだ、元カレ転生は続いている。』
(私、一か月前に戻ったんだ……。)
私は『優』で過ごしたあの一か月間を思い出す。
初めての『壁ドン』に『親友の告白』……って事は、週末は遊園地?
(大変っ、急いで準備しなきゃっ)
ガチャ
私は急いでクローゼットを開けて手当たり次第に服を広げた。
鏡の前で、いろんな服をあててみるけどイマイチ決まらないっ。
(あ~っ、何でこんな地味な服しかないの?)
さっきまで見た『夢?』が本当かどうか分からない。
でも、私の中の何かが『これは現実』だと言っていた。
残りの服も全部出す。
(駄目だっ、
明日、新しい服を買いに行こう。)
「絶対に運命を変えてやるっ。」
手に持った服を床へ投げ捨てて、私は大声で叫んでいた。
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