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記憶喪失の少年
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朝食を終え、2人で片付けをしてこの後の予定を春陽に伝える。
「春陽、俺はこの後店の手伝いに行く。春陽はその間ゆっくり休んでいて、TVを見ててもいいし、書庫の本は好きに読んで構わないから、疲れたら部屋で寝ててもいい。今日のお昼は駿二が作ってくれるから、それまでは好きにしてて。」
「はい。」
ワン!
「ジョンも頼むな。」
「困ったらジョンに聞いてくれ。」
「・・・はい。ジョンさんお願いします。」
ワン♪
春陽の事はジョンに任せて店の手伝いに行く。
店に入ると駿二とバイトの廣瀬君が店内の掃除をしていて、じぃさんは豆の選別をしていた。
俺はエプロンを着け厨房に入り、今日出すスイーツの仕上げやスパゲティのソース等を作って行く。
うちは休日より平日の方が混む、何故ならうちの客の殆んどがサラリーマン等のオフィスで働く人達だからだ。朝昼夕方が混む、朝買って行き昼を食べに来て帰りに飲んで帰る人が多いからだ。しかし、休日は人が居ない為客数が減る。そこで、平日はケーキが2種類の所4種類にして、ランチ(12時から14時)に20食限定で生パスタを始めたら少し客数が増えた。
開店時間になり駿二が最初のお客様を迎え入れる。
「お早う御座います。お席にどうぞ。」
土曜日の最初のお客様は近所に住む老夫婦の片桐様。毎週土曜日に珈琲を飲みに来て下さる古くからのお得様だ、じぃさんが店を始めて数年後に引っ越して来て以来のお得様なので、俺達の事も孫の様に可愛がってくれている。
開店から11時位までは片桐様を始めお得様が多く、それ以降はランチに色々なお客様が来る。ランチは女性客が8割を占める。うちは俺を始めバイトも顔面偏差値が高めの為俺達目当ての客も多い。うちのバイトはΩ限定なので見た目はいいのだ。
何故Ω限定かと言うと駿二がΩという事もあるが、Ωは働く場所が少ないので少しでも役に立てたらと。なのでうちは子供とΩの駆け込み寺もしている、変な人に追われた子供やΩを保護したり時には警察に連絡したりもしている。うちの客はΩに理解がある人が多く、バイトをスカウトして社員にしてくれるαも結構いるのでうちのバイトはΩに人気があるが3人以上は雇えないのが現状。
なので、バイトは学生限定としている。まぁ、多くのバイトは卒業前にスカウトをされ就職先を見付けていたり、番を見付けてたりしているのが。彼等の生活が少しでも良くならればいいが、多くのΩは酷い扱いを受けている現状を俺では変えられないので、自分の手の届く範囲だけでも助けたい。
ランチ前にじぃさんが休憩に入り、俺達はランチが終わってから休憩となる。
じぃさんが休憩に入ったので、厨房を出て今度は俺が珈琲を淹れ駿二が厨房に入る。駿二やバイトはマシンで淹れるカフェオレとかは出来るが、サイフォン(アルコールランプで温めて抽出する物)やドリップ(一般的に想像する珈琲の淹れ方)は出来ないので俺かじぃさんが淹れる。料理は駿二やバイトでも出来るから問題ない、時間がある時にバイトにも料理を教えている。
少し離れてはいるが桜並木があるので、この時期はそれ目当ての客がこちらにも流れて来るので客数が増える。来週までが見頃だ。
客が減って来たので駿二と廣瀬君に休憩に入ってもらう、駿二には春陽のお昼も頼む。
もう1人のバイトの岩倉さんは大学進学の為にこっちに引っ越して来てこの春からに新しいバイトだ。
「岩倉さん仕事慣れた?」
「はい。ここの方達皆さんいい人達で解り易く教えて下さいますし、お客様も親切でいやらしい目で見る人は少ないですから。」
「確かに、岩倉さんはΩである前にスタイルいいし、男はどうしてもそのボリュームのある胸に目が行っちゃうからね。」
「・・・はい。けど、ここのお客様はジロジロ見ないだけマシです。それに、ここでバイト始めてから町の人達も色々助けてくれますし、この間もタチの悪いαに絡まれたのをここのお客様に助けて頂いて・・・。」
「大事にならなくて良かった。何かあればどこでもいいから駆け込みな、ここら辺の人達なら助けてくれるはずだから。」
「はい。」
俺達の話を近くの客が聞いていたらしく、
「下位のα程Ωのフェロモンに負けやすいんだよなぁ、襲っている時点で下位だと言っている様なもんなのに。」
「そういう奴に限ってα至上主義でΩを馬鹿にするよな。」
「そうそう!下位だからαに縋っているんだろうけど。」
「おかげで他のαまでβやΩに嫌がれるんだよ!」
うちの客のαは大抵高位の人間が多い、なのでΩに振り回される事が少ない。勿論発情期のフェロモンには多少引っ張られるが、数分なら耐えられる人ばかりだ。だから、Ωをスカウトしてくれたりする。
なのでうちは珍しくΩとαが多く来店してれる。
いいお客様ばかりだ。
「春陽、俺はこの後店の手伝いに行く。春陽はその間ゆっくり休んでいて、TVを見ててもいいし、書庫の本は好きに読んで構わないから、疲れたら部屋で寝ててもいい。今日のお昼は駿二が作ってくれるから、それまでは好きにしてて。」
「はい。」
ワン!
「ジョンも頼むな。」
「困ったらジョンに聞いてくれ。」
「・・・はい。ジョンさんお願いします。」
ワン♪
春陽の事はジョンに任せて店の手伝いに行く。
店に入ると駿二とバイトの廣瀬君が店内の掃除をしていて、じぃさんは豆の選別をしていた。
俺はエプロンを着け厨房に入り、今日出すスイーツの仕上げやスパゲティのソース等を作って行く。
うちは休日より平日の方が混む、何故ならうちの客の殆んどがサラリーマン等のオフィスで働く人達だからだ。朝昼夕方が混む、朝買って行き昼を食べに来て帰りに飲んで帰る人が多いからだ。しかし、休日は人が居ない為客数が減る。そこで、平日はケーキが2種類の所4種類にして、ランチ(12時から14時)に20食限定で生パスタを始めたら少し客数が増えた。
開店時間になり駿二が最初のお客様を迎え入れる。
「お早う御座います。お席にどうぞ。」
土曜日の最初のお客様は近所に住む老夫婦の片桐様。毎週土曜日に珈琲を飲みに来て下さる古くからのお得様だ、じぃさんが店を始めて数年後に引っ越して来て以来のお得様なので、俺達の事も孫の様に可愛がってくれている。
開店から11時位までは片桐様を始めお得様が多く、それ以降はランチに色々なお客様が来る。ランチは女性客が8割を占める。うちは俺を始めバイトも顔面偏差値が高めの為俺達目当ての客も多い。うちのバイトはΩ限定なので見た目はいいのだ。
何故Ω限定かと言うと駿二がΩという事もあるが、Ωは働く場所が少ないので少しでも役に立てたらと。なのでうちは子供とΩの駆け込み寺もしている、変な人に追われた子供やΩを保護したり時には警察に連絡したりもしている。うちの客はΩに理解がある人が多く、バイトをスカウトして社員にしてくれるαも結構いるのでうちのバイトはΩに人気があるが3人以上は雇えないのが現状。
なので、バイトは学生限定としている。まぁ、多くのバイトは卒業前にスカウトをされ就職先を見付けていたり、番を見付けてたりしているのが。彼等の生活が少しでも良くならればいいが、多くのΩは酷い扱いを受けている現状を俺では変えられないので、自分の手の届く範囲だけでも助けたい。
ランチ前にじぃさんが休憩に入り、俺達はランチが終わってから休憩となる。
じぃさんが休憩に入ったので、厨房を出て今度は俺が珈琲を淹れ駿二が厨房に入る。駿二やバイトはマシンで淹れるカフェオレとかは出来るが、サイフォン(アルコールランプで温めて抽出する物)やドリップ(一般的に想像する珈琲の淹れ方)は出来ないので俺かじぃさんが淹れる。料理は駿二やバイトでも出来るから問題ない、時間がある時にバイトにも料理を教えている。
少し離れてはいるが桜並木があるので、この時期はそれ目当ての客がこちらにも流れて来るので客数が増える。来週までが見頃だ。
客が減って来たので駿二と廣瀬君に休憩に入ってもらう、駿二には春陽のお昼も頼む。
もう1人のバイトの岩倉さんは大学進学の為にこっちに引っ越して来てこの春からに新しいバイトだ。
「岩倉さん仕事慣れた?」
「はい。ここの方達皆さんいい人達で解り易く教えて下さいますし、お客様も親切でいやらしい目で見る人は少ないですから。」
「確かに、岩倉さんはΩである前にスタイルいいし、男はどうしてもそのボリュームのある胸に目が行っちゃうからね。」
「・・・はい。けど、ここのお客様はジロジロ見ないだけマシです。それに、ここでバイト始めてから町の人達も色々助けてくれますし、この間もタチの悪いαに絡まれたのをここのお客様に助けて頂いて・・・。」
「大事にならなくて良かった。何かあればどこでもいいから駆け込みな、ここら辺の人達なら助けてくれるはずだから。」
「はい。」
俺達の話を近くの客が聞いていたらしく、
「下位のα程Ωのフェロモンに負けやすいんだよなぁ、襲っている時点で下位だと言っている様なもんなのに。」
「そういう奴に限ってα至上主義でΩを馬鹿にするよな。」
「そうそう!下位だからαに縋っているんだろうけど。」
「おかげで他のαまでβやΩに嫌がれるんだよ!」
うちの客のαは大抵高位の人間が多い、なのでΩに振り回される事が少ない。勿論発情期のフェロモンには多少引っ張られるが、数分なら耐えられる人ばかりだ。だから、Ωをスカウトしてくれたりする。
なのでうちは珍しくΩとαが多く来店してれる。
いいお客様ばかりだ。
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