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27 謎の子(シュートー視点)

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ふぅ、キツイ・・・先輩方全然手加減してくれない。剣術には自信があったのに全く歯が立たない、大体剣振っただけで飛ばされるってどんな力してんだよ!

「シュートー見てみろ。あの子又こっちを見てるぞ。」
「隊長の私室に何でいるんだ?」
「隊長達が保護したのって男の子だよな?あの子どう見ても女の子だろ?」
「隊長の情婦とか?」
「子供過ぎるだろ!」
「小さい子が好きかも知れないじゃないですか!」

先輩達好き勝手言ってるなぁ、後でバレたら殺されるだろうに・・・俺は何も言ってませんよ!

「シュートー手を振ってみ?」

「えー、自分で振ればいいじゃないですか!」

「おっさんに振られるより子供同士の方が気が合うかもしれないじゃんか。」
「俺もう子供じゃないです!!」

「あはは、十分子供だよ。ほら、振ってみ。」

俺はもう15歳だし!確かに30のおっさんから見たら子供かも知れないけど!!あんな小さな子と一緒にしないでもしいわ!まぁ、一番下の俺に拒否権なんてないからふりますけど・・・

「おぉ、振り返したぞ。やっぱり子供同士が良かったか。」
「関係ないと思いますけど!」

あの子が隠れると練習が再開された。
どうしよう、このおっさん達に勝てる気がしない・・・。


午後、食事の直ぐ後に隊長に呼ばれた。俺隊長に呼ばれる様な事したっけ?何か間違えたかな?
ノックをして中に入ると隊長と副隊長までいた。マジで何かしたっけ??

「お呼びでしょうか?」

「あぁ、お前に頼みがある。お前達も知っていると思うが先日子供を保護した。その子の話相手になって欲しい。その子は国外から来て言葉が未だ解らない。だから話し相手になり教えてあげてほしい。」

「話し相手ですか?」

「あぁ、リカルド頼む。」

副隊長は返事をすると隣の隊長の私室に入って行き、例の子供を連れて来た。遠くから見ても可愛い子と思ったけど近くで見るともっと可愛くて綺麗だった。思っていた歳より上かもしれない2・3コ下かな?

「この子はルネ。ルネこれからお前の話し相手になるシュートーだ。」

「えっ?・・・秋人しゅうと?」

「いえ。シュートーです。宜しくね。」

「・・・・」

「ルネ?大丈夫か?」

「えっ?うん。大丈夫 です。」

「宜しく。」

「よろ し く?」

首を傾げる姿が可愛い!

「初めての挨拶だ。」

「よろ しく。」

この子は俺が守ってやらなきゃ!!

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