五仕旗 Media=II Generation

旋架

文字の大きさ
13 / 33
§1 PARSKR II編

#6 飛翔の照蜴 Part1

しおりを挟む
革霧かわぎり副部長。

その青年は職場でそう呼ばれていた。

平和を守るためにSortソート:Asエーに入った。
悪さをするモンスターを許さない。
モンスターを使い、悪さをする人間も許さない。

だが、戦いは外だけで起きているわけではなかった。
中では中で、くだらない争いが起こっている。

彼はその若さにしては異例の役職に就いていた。
その優秀さを尊敬し、慕う者もいたが、出世を狙い媚びる者もいた。
心にもないことを言い、他人を蹴落とそうとする。
そのような者に対して、彼は嫌悪感を抱いていた。
そいつらに比べれば、暴れ回るモンスターなどかわいい。

3ヶ月前、PARSKR IIパースクル・ツーを占領したそいつは人々に向かって語り始めた。

「お前らも知ってるとは思うが、この前、街が襲われた事件があったろ?
あれ、俺だよ。
いつの間にか技術も発達して、ここまで完全に攻撃を防げるようになるなんてすげぇな。
でも、この前は俺の力のほんの一部を見せただけ。
残念ながら、今の俺は前の時代の奴に負わされた傷のせいで、力が弱まっている。
俺の力が元に戻れば、こんなもんじゃねえ!
もっとデカい被害が出るかもな。
だからそれまでの間、退屈しのぎにみんなでゲームでもしようぜ。
ルールは五仕旗でこの俺を倒すことだ。
俺はPARSKR IIパースクル・ツーのとある場所に隠れている。ラスボスとしてな。
お前らにはまず、パーク内の四つの国の王を倒してもらう。
王はどいつも強敵を用意しておいてやったからよ。
必死になって探し出せ。
道中の敵はシミュレーション用のコンピューターに務めてもらうぞ。
それとパーク内は歩いて進んでもらう。
空を飛べるモンスターで簡単に移動されたんじゃつまんねぇからな。
そして、全ての国を制覇した時残っていた奴だけに、俺に挑戦する権利を与える。
一度でも負けた奴は黙って出ていってもらうから、覚悟しろよ。
それと、このゲームに参加したい奴を止めるのも禁止な。
基本的には誰でもウェルカムだから、俺は。
指定した時間にここに集まった奴は誰でも入れてやるからよ。
とにかく腕に覚えのある奴はここに集まれってことだ!
俺が最高のもてなしをしてやるからよ!」

外部からはパーク内へ連絡や攻撃ができないようにされていた。
内部の様子も確認することもできない。
食料が少なくなった時、必要な分だけ補充することが許された程度だった。
これは用意周到に作り上げられたゲーム。

当然彼もそれに参加した。

参加者の中には、腕試し感覚の者やCentralセントラルのイベントと勘違いしている者もいたが、彼はそのような冷やかしではない。

それが彼の仕事だからだ。
他の者にとっても同じはずだ。
それにもかかわらず、"副部長自ら。頭が下がります"、"さすが同期の鑑"などと言われると腹が立つ。

Sortソート:Asエーに所属することを目指し、努力していた頃が一番楽しかった…。

**********

<芸術の国>

あのモンスターの好きにさせれば、世界中が混乱する。
そのためにも、今は目の前の王を倒さなければならない。

革霧は初期手札を揃えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...