小界奇談～ちょっと怖い物語～（100話完結）

裏山の防空壕

学校の裏山には戦争の時に使った防空壕ぼうくうごうがあるんだけど、危ないからと入り口は板で 塞ふさがれていて立ち入り禁止になっているんです。

そのあたりは普段はみんなあまり行かないけれど授業で行く事がある。

その授業の一つで自然観察のために裏山へ入った。


お昼は遠足気分でお弁当を食べるっていうのがあって、僕の班は塞がれた入り口の前にレジャーシートを敷いて板に寄りかかってお弁当を食べていました。

食べ終わって休憩が終わるまで寄りかかったままおしゃべりをしてすごす事にしたんです。


背中がとても冷んやりしていて気持ちいいなぁ～って言いながら、その塞がれた奥がどうなっているのかという話になった。

中には入れないのでその冷んやりする板に耳を当てたんです。


ゴーッという音が聞こえる中にかすかにウ～！っていうサイレンみたいな音とカンカンカンと鐘の音が聞こえてきた。


一緒に耳を当ててた子も聞こえたみたいで目が合った瞬間、耳を離してレジャーシートを畳んでその場から離れました。


あの中はまだ戦争中のままなのかもしれない、そう思いました。


その後も裏山に行くことはあるけどあまり近くには行かないようにしてます。