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備品室の手紙

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冬休みに入る前の事です。

クリスマス会をやることになつてクラスが盛り上がっていて、飾りを作るのに材料をもらいに、紙や文房具とかを置いてる備品室という部屋があるんですけど、そこに取りに行って、クラスで決めた必要なものを揃えていました。

思ってたよりも時間かかっちゃったから休み時間遊べないな~って思っていた時でした。

一緒に行った青山くんが手紙を見つけたって。

可愛い封筒に入った手紙。
かなり古い感じの。

見ちゃダメだよって言ったのに、青山くんは声出して読みはじめた、


内容はちょっと怖くて。


数人の名前が書いてあって、こんなこと言われたとかこんなことされたとかたくさん書いてあって、悲しいとか、辛いとかそういった言葉が何度も出てきた。


ひどいな、辛かったんだろうなって胸がしめつけられたんです。
青山くんの読み方も最初はふざけて読んでいたのだけれど途中から真面目に読みはじめた。


読み進めると一番うらんでいる相手は別にいたんです。

いじめていることを無視したり、一緒にいじめに参加したりしてジワジワと彼女を苦しめたのは担任の先生だったと。

最後に何度も先生も自分と同じ目に合えばいいって、赤い文字で「死ね」って何度も書かれてあった。

読み終わった後、手紙を見つけたあたりから
ガタンって音がしてふとそっちを見ると窓なんですけど、窓の外からビュッと黒い影が上から下に落ちて行ったんです。

青山くんと私はあわてて窓の所に行って下を見たけど、そこには何もありませんでした。

多分その子はそうやって亡くなったんじゃないかなと思ったんです。

青山くんと話したけど、この手紙のことどうしたら良いかって話になったんです。

とりあえず一旦考えようってことになって
普通に学校を終えて帰りました。


帰ってからも手紙のことばかり考えてたんだけれど夜に青山くんから電話が来たんです。

青山くんも考えて、気になって調べたらしくて。

手紙を書いた彼女は学校のあの場所では死んでいませんでした。


死んだのは担任の先生だったんです。


彼女はその先生の住んでいるマンションの屋上から飛び降りたってことでした。


見たのに戻したらいけないと青山くんと話して、翌日、校長先生に渡しました。

校長先生はちゃんとするって言ってくれて、お寺に行って供養してくれたみたいです。


その後、全学年でいじめについてのアンケートがあったり、いじめについて考える授業とか始まりました。


それからは私もいじめやけんかになりそうな時には間に入ったりして止めるようにしています。
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