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服を買う
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この街の服屋で学園の服を売っている場所といえば、ファッションセンターパリピしかない。
あらゆる日常的に使える服から学校指定の服まで幅広く取り揃えている。値段が安く沢山の種類の服を売っているためお客さんでいつも賑わっているのだ。
「あのピンクの看板? こんな庶民的な服屋に入るのは久しぶり。アタシ有名ブランドの物しか買わないから。今着てるこの水着っぽいレオタードの服はロマンスってメーカー品なのよ!」
お店の前でマイは聞かれてもいないのに、得意げに話始める。ロマンスって海外のメーカーで値段が国内のものに比べると10倍ぐらいすることで有名なのだ。女性にとってロマンスの服やバッグ時計など持つことはステイタスにもなっている。
「ええええええええー! ロマンスって靴下だけでも一万ジュエルはすると言われるあのメーカーなの?」
そんな高そうに見えない、むしろ薄い生地で私の目には安物にしか見えない。でも不思議なことに有名メーカーって言われると素材が良いものに見えてくるから不思議だ。
「それって何年ぐらいきているの?」
「かれこれ五年ぐらいは着てるかな」
やっぱり値段の高いものって長持ちするのね。
「服はね。値段の安いものを買うとすぐに飽きがくるし身につけてると自信が無くなるから、アタシは値段が高くて気に入ったものを買うことにしてるの。それに物を買うだけで気持ち良くイキイキと過ごせたらいいと思ない?」
そんなこと言われても困ってしまう。今まで貧しい暮らしをしていたから服を選ぶなんてした事ないよ。値段の安いコーナーで出来るだけ恥ずかしくないものを選ぶことしかしたことないから。
そんなことを考えていたら、
「お金に余裕あるから服の一枚や二枚買ってあげる。アタシからしたらツグミは妹みたいなもんだしね!」
マイは私の手を引きながら、ドアノブを回し店内へと入っていく。
どうしよう。カニの一件もあるし、またマイお金持ってないとかじゃないよね? おごられるのも嫌だしどうしよう。
「嬉しいんだけど、今回は遠慮しますね。欲しいものがあれば自分で買いたいし」
「アタシは『闇の手』っていう盗賊のスキルがあるから魔物を倒さなくてもレアドロップじゃなければ盗めるの! 盗めるといってもジュエルだけなんだけどね。こんな風に楽して稼いできたからお金の価値があまり分かんないんだよね」
お金持ちの考え方にはついていけないよ……。お金って少しきつい思いして稼いだ方が方が大切に使えるのかな。
「私は普段お金なんてあまり持ってないから。実家がパン屋さんなのは知ってるよね? お母さんにアルバイトさせてもらって、少しお小遣い貰った時は嬉しくて、街に出て買い物に出かけたの。でも、買い物に慣れてないから、なかなか選べれなくて。結局色々見て回ったんだけど、お母さんが毎日一人で働いてくれてるから私が毎日ご飯食べれること考えてたら、気づいたらお母さんのマフラー買ってた。うーん。いっその事、闇の手のスキル使うの控えてみたら?」
「なにそれ、よくわかんないんだけど、ツグ自分の物買わなかったの? 自分のことを大切にしないと、他人なんて幸せに出来ないよ。ツグミらしいけどさ。あー、これじゃない? ツグの学校の制服っ!」
マイは嬉しそうな顔で制服を手にしている。水着みたいなの着てても人の目なんて気にしないのに、セーラー服だと恥ずかしいんだ…。そういえば学校行ったことないって言ってたもんね。
「変身すると私と同じサイズになるからSサイズでいいよ」
「面白くなってきたわね! 明日からの学園生活楽しまないと。まずは手始めにクラスで威張っている奴を泣かせて、私がクラスのボスに君臨しないと!どうやってやっつけよう」
「はいっ? マイっ、あなたは何を言ってるの? 絶対にやめてよ! 私が学校にいけなくなっちゃうじゃない!」
「冗談よ冗談! ツグミに迷惑はかけないから、憧れの青春をやり直したいのよ。アタシはさ……子供の頃、親が殺されてね…。まあ色々あったの…。アタシが暗い顔してるとか似合わないからこれぐらいにしとくわ。
私と境遇似てるけど、私よりも酷い目にあったのかな……。
私達はマイの制服を1000ジュエルで購入し店を出た。
明日にはユウキがカメレオンの粉を持ってきてくれるはずだから、マイも少しだけだけど学園生活を満喫して欲しい。
家に帰ると、お母さんは三年前に私がプレゼントしたマフラーをしていた。
「なんで家の中でしてるのよ!」
「いいじゃない。今日は朝から寒かったからね。そろそろ雪が降るんじゃないかしら」
窓を通して外を眺めるとフワフワとたんぽぽの綿毛のような雪が舞い降りている。
もうすぐ冬休みも近くなってきた。それまでに素材を集めていかないと。私はキッチンのテーブルに腰掛け本を広げる。次はスライムの素材を集めよう。
あらゆる日常的に使える服から学校指定の服まで幅広く取り揃えている。値段が安く沢山の種類の服を売っているためお客さんでいつも賑わっているのだ。
「あのピンクの看板? こんな庶民的な服屋に入るのは久しぶり。アタシ有名ブランドの物しか買わないから。今着てるこの水着っぽいレオタードの服はロマンスってメーカー品なのよ!」
お店の前でマイは聞かれてもいないのに、得意げに話始める。ロマンスって海外のメーカーで値段が国内のものに比べると10倍ぐらいすることで有名なのだ。女性にとってロマンスの服やバッグ時計など持つことはステイタスにもなっている。
「ええええええええー! ロマンスって靴下だけでも一万ジュエルはすると言われるあのメーカーなの?」
そんな高そうに見えない、むしろ薄い生地で私の目には安物にしか見えない。でも不思議なことに有名メーカーって言われると素材が良いものに見えてくるから不思議だ。
「それって何年ぐらいきているの?」
「かれこれ五年ぐらいは着てるかな」
やっぱり値段の高いものって長持ちするのね。
「服はね。値段の安いものを買うとすぐに飽きがくるし身につけてると自信が無くなるから、アタシは値段が高くて気に入ったものを買うことにしてるの。それに物を買うだけで気持ち良くイキイキと過ごせたらいいと思ない?」
そんなこと言われても困ってしまう。今まで貧しい暮らしをしていたから服を選ぶなんてした事ないよ。値段の安いコーナーで出来るだけ恥ずかしくないものを選ぶことしかしたことないから。
そんなことを考えていたら、
「お金に余裕あるから服の一枚や二枚買ってあげる。アタシからしたらツグミは妹みたいなもんだしね!」
マイは私の手を引きながら、ドアノブを回し店内へと入っていく。
どうしよう。カニの一件もあるし、またマイお金持ってないとかじゃないよね? おごられるのも嫌だしどうしよう。
「嬉しいんだけど、今回は遠慮しますね。欲しいものがあれば自分で買いたいし」
「アタシは『闇の手』っていう盗賊のスキルがあるから魔物を倒さなくてもレアドロップじゃなければ盗めるの! 盗めるといってもジュエルだけなんだけどね。こんな風に楽して稼いできたからお金の価値があまり分かんないんだよね」
お金持ちの考え方にはついていけないよ……。お金って少しきつい思いして稼いだ方が方が大切に使えるのかな。
「私は普段お金なんてあまり持ってないから。実家がパン屋さんなのは知ってるよね? お母さんにアルバイトさせてもらって、少しお小遣い貰った時は嬉しくて、街に出て買い物に出かけたの。でも、買い物に慣れてないから、なかなか選べれなくて。結局色々見て回ったんだけど、お母さんが毎日一人で働いてくれてるから私が毎日ご飯食べれること考えてたら、気づいたらお母さんのマフラー買ってた。うーん。いっその事、闇の手のスキル使うの控えてみたら?」
「なにそれ、よくわかんないんだけど、ツグ自分の物買わなかったの? 自分のことを大切にしないと、他人なんて幸せに出来ないよ。ツグミらしいけどさ。あー、これじゃない? ツグの学校の制服っ!」
マイは嬉しそうな顔で制服を手にしている。水着みたいなの着てても人の目なんて気にしないのに、セーラー服だと恥ずかしいんだ…。そういえば学校行ったことないって言ってたもんね。
「変身すると私と同じサイズになるからSサイズでいいよ」
「面白くなってきたわね! 明日からの学園生活楽しまないと。まずは手始めにクラスで威張っている奴を泣かせて、私がクラスのボスに君臨しないと!どうやってやっつけよう」
「はいっ? マイっ、あなたは何を言ってるの? 絶対にやめてよ! 私が学校にいけなくなっちゃうじゃない!」
「冗談よ冗談! ツグミに迷惑はかけないから、憧れの青春をやり直したいのよ。アタシはさ……子供の頃、親が殺されてね…。まあ色々あったの…。アタシが暗い顔してるとか似合わないからこれぐらいにしとくわ。
私と境遇似てるけど、私よりも酷い目にあったのかな……。
私達はマイの制服を1000ジュエルで購入し店を出た。
明日にはユウキがカメレオンの粉を持ってきてくれるはずだから、マイも少しだけだけど学園生活を満喫して欲しい。
家に帰ると、お母さんは三年前に私がプレゼントしたマフラーをしていた。
「なんで家の中でしてるのよ!」
「いいじゃない。今日は朝から寒かったからね。そろそろ雪が降るんじゃないかしら」
窓を通して外を眺めるとフワフワとたんぽぽの綿毛のような雪が舞い降りている。
もうすぐ冬休みも近くなってきた。それまでに素材を集めていかないと。私はキッチンのテーブルに腰掛け本を広げる。次はスライムの素材を集めよう。
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