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過呼吸
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俺は葛木陽太。
高校三年生の18歳でA型。特に飛び抜けた個性がある訳でもないし、かと言って飛び抜けて悪いところもない。と今まではそう思って生きてきた。
それがいつからだろうか、徐々に傾いてきたのは。
その日は朝から少し調子が悪かった。
いつもなら軽く受け流せる弄りも、その日はどうにも受け流せなかった。なぜか頬を伝う熱いものを誤魔化しつつ、なんとか午前中は耐えた。
お昼になると、いつものグループが昼食を持って集まってきてくれた。受験生だから話題はやはり、勉強のことになる。
「陽太は勉強どう?」
三年からの友達の山田が話を振ってくれた。特に含みがあった訳でもない、いつもの雰囲気で。でもなぜか俺はすぐ答えられなかった。どうしても言葉が出てこない。
「俺か~。勉強、ね、勉強。」
かろうじて口角を上げるも涙声になる。流石におかしいって思われる…!何か答えないと。そう思うがどうしても言葉が出てこない。
「大丈夫?」
黒川が横からそう訊ねる。
「ごめん!ちょっとトイレ行ってくる!」
みんなに情けないところを見せられない、その一心でこの場から抜けた。高三の男がみんなの前で泣くなんて恥ずかしい。でもなんで涙がでるかわからない。ほとんどパニックだった。
「ごめん!ちょっとトイレ行ってくる!」
陽太は明らかな涙声でそう告げ、走って教室から出ていった。
「大丈夫かな。」
いつも笑顔のイメージの陽太からはかけ離れた姿でみんな混乱してる。特に黒川は他のみんなより陽太と特別一緒にいるからか、一層驚いてる。
「あんなとこ見たことないから、心配だね。黒川見に行ってくれるか?」
メガネの伊藤。ナイスアシスト。多分陽太、俺らにあんまり心開いてないからなー。
「ヒュー、ヒュー。」
トイレまで辿り着けたものの、どうしようも息が苦しくなって過呼吸になってしまった。いつもは息を止めれば大体治るのに、どうも治る気配がない。
早く止めないと、誰かくる…!そう思ってどうにか呼吸を戻そうと意識するがどうにもならない。
どうしよう、どうしよう…そう思っているとガチャリと扉が開いた。
「葛木、いる?」
黒川の声だ。とめなきゃ、気持ち悪いって、面倒だって思われる…!!
心とは裏腹にどんどん早くなっていく呼吸。もう、自分で止めることは無理だった。
「葛木?葛木!!大丈夫?鍵開けられる?」
心配そうな声が聞こえる。いつも冷静な黒川だから、こんなに焦るのって珍しいな、なんて思いながら意識を手放した。
高校三年生の18歳でA型。特に飛び抜けた個性がある訳でもないし、かと言って飛び抜けて悪いところもない。と今まではそう思って生きてきた。
それがいつからだろうか、徐々に傾いてきたのは。
その日は朝から少し調子が悪かった。
いつもなら軽く受け流せる弄りも、その日はどうにも受け流せなかった。なぜか頬を伝う熱いものを誤魔化しつつ、なんとか午前中は耐えた。
お昼になると、いつものグループが昼食を持って集まってきてくれた。受験生だから話題はやはり、勉強のことになる。
「陽太は勉強どう?」
三年からの友達の山田が話を振ってくれた。特に含みがあった訳でもない、いつもの雰囲気で。でもなぜか俺はすぐ答えられなかった。どうしても言葉が出てこない。
「俺か~。勉強、ね、勉強。」
かろうじて口角を上げるも涙声になる。流石におかしいって思われる…!何か答えないと。そう思うがどうしても言葉が出てこない。
「大丈夫?」
黒川が横からそう訊ねる。
「ごめん!ちょっとトイレ行ってくる!」
みんなに情けないところを見せられない、その一心でこの場から抜けた。高三の男がみんなの前で泣くなんて恥ずかしい。でもなんで涙がでるかわからない。ほとんどパニックだった。
「ごめん!ちょっとトイレ行ってくる!」
陽太は明らかな涙声でそう告げ、走って教室から出ていった。
「大丈夫かな。」
いつも笑顔のイメージの陽太からはかけ離れた姿でみんな混乱してる。特に黒川は他のみんなより陽太と特別一緒にいるからか、一層驚いてる。
「あんなとこ見たことないから、心配だね。黒川見に行ってくれるか?」
メガネの伊藤。ナイスアシスト。多分陽太、俺らにあんまり心開いてないからなー。
「ヒュー、ヒュー。」
トイレまで辿り着けたものの、どうしようも息が苦しくなって過呼吸になってしまった。いつもは息を止めれば大体治るのに、どうも治る気配がない。
早く止めないと、誰かくる…!そう思ってどうにか呼吸を戻そうと意識するがどうにもならない。
どうしよう、どうしよう…そう思っているとガチャリと扉が開いた。
「葛木、いる?」
黒川の声だ。とめなきゃ、気持ち悪いって、面倒だって思われる…!!
心とは裏腹にどんどん早くなっていく呼吸。もう、自分で止めることは無理だった。
「葛木?葛木!!大丈夫?鍵開けられる?」
心配そうな声が聞こえる。いつも冷静な黒川だから、こんなに焦るのって珍しいな、なんて思いながら意識を手放した。
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