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27.二人で何してるの?
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保健室で……
「そんなに気になるならやっぱり加納さんのことを探るしかないんじゃない? 真相が分かればその胸のモヤモヤもスッキリするわ」
俺は保健室で校医の水島先生に相談していた。様子のおかしい俺を見て、絶対に学院側には秘密にしてくれると言ってくれた。彼女は何故か信用できるという気がした。俺は相談することにしたのだった。
「でも加納さんはどうやって夜間に女子寮を抜け出しているのかしら。外出するときはちゃんと履歴が残るようになっているはずなのに……。夜間外出は特に厳しくチェックされるから、何度も外に出れば絶対に問題になるはずよ」
水島先生の話しによれば、女子寮の入り口には厳重なセキュリティーが施されており、外に出ると履歴が残るというのだ。
(じゃあこの間、俺が理事長室に行く時に外に出たのもバレていたということか……でも俺にはお咎めがなかったぞ……あ、そうか。麗菜に用事があって出かけたのだからか……ん? そうだよ。アイツを利用すればいいじゃないか! いとこである特権を利用しないと)
麗菜のところに電話をしようと思いケータイを手に取る。取ったと同時に電話が鳴った。画面に麗菜の名前が浮かぶ。
(ちょうどよかった。向こうから掛かってきたぜ)
「もしもし、俺だけど」
「無理! ガチャ……ツーツーツーツー」
(えっ? どういうこと? アイツから掛けてきたんだぞ……仕方ない、こっちから掛けてやる)
トゥルルルル トゥルルルルル トゥルルルルル
ガチャ
「あっ、俺だけど……」
「だから無理だと言っているだろう。しつこい奴だ。親戚だからと言ってお前を特別扱いする訳にはいか ピー!」
(えっ? 今の留守電の応答メッセージ? どういうこと?)
なんかよく分からないが、麗菜はアテにできないことは分かった。どうやら自分で何とかするしかないようだ。俺は保健室で本日の授業の終わりまでを過ごしたあと、皆より一足先に女子寮に戻った。
女子寮で生活をしているほとんどの生徒が、何らかのクラブに所属し、放課後はそれぞれのクラブ活動に忙しい。クラブに所属していない寮生でも、図書館に行って宿題や予習復習をする者が多い。加えて終業のチャイムと共に寮に戻ってきた俺。つまり今、女子寮の中にいるのは俺一人だということだ。ひっそりとした女子寮の玄関。聞こえてくるのはこの寮の管理人のトメさんが放ついびきだけだった。うたた寝しているトメさんの前を静かに通り過ぎ、俺は自分の部屋の扉を開けた。
部屋の奥にある窓の前で、定宗が椅子に座り、恍惚の色を浮かべながら身悶えている。その前にはレイが両手を定宗の膝に置いた形でその場に座り、顔を前後にリズミカルに動かしている。ジュルジュルという何かを啜るような水音が静まり返った部屋の中に響きわたり、レイが顔を動かす度に、定宗は『あっ』や『ああっ』という吐息にも似た声を放っていた。
(こ、こいつら、誰も寮にいないことをいいことに! でも……ちょっと興味があるかも……)
二人に気づかれないように息を殺しながら近づき、真横から二人の行為をそっと覗いた。
レイはヨダレをたっぷりと垂らしながらコクコクと居眠りをしている。床にヨダレが落ちそうになる瞬間にハッと気づき、それをジュルジュルと啜っている。再びコクコクと船をこぎ始めると、ヨダレの垂れる瞬間にまたジュルジュルとヨダレを啜った。
「寝てるのかよっ!」
思わずツッコミを入れつつ、レイの前に座る定宗を見る。レイの頭の動きに合わせ、恍惚の色を浮かべながら「ああっ」や「おうっ」と吐息を漏らす定宗。どうやら絶妙のタイミングで寝言を放っているようだった。
「ややこしいわっ!」
目の前で喘ぐ落武者の頭に向かって踵を落とす。アンディ〇グ直伝(動画による)の踵落としは落武者の体をすり抜け、座っていた椅子に直撃した。この二人が幽霊であることを、俺はすっかり忘れていた。ひとり痛みに身悶えていると、ニヤニヤと笑いながらコチラを見ている定宗の姿があった。
(こ、こいつ……起きていやがったな……)
十分後……
「虐めじゃっ! これは虐めじゃっ!」
トメさんから借りてきた大型犬用の檻の中に定宗を閉じこめ、悪霊退散のお札をベタベタと貼ってやった。これで定宗は檻の外に出ることはできない。俺はレイと共に、麻梨亜尾行計画のアイデアを練っていた。
「そんなに気になるならやっぱり加納さんのことを探るしかないんじゃない? 真相が分かればその胸のモヤモヤもスッキリするわ」
俺は保健室で校医の水島先生に相談していた。様子のおかしい俺を見て、絶対に学院側には秘密にしてくれると言ってくれた。彼女は何故か信用できるという気がした。俺は相談することにしたのだった。
「でも加納さんはどうやって夜間に女子寮を抜け出しているのかしら。外出するときはちゃんと履歴が残るようになっているはずなのに……。夜間外出は特に厳しくチェックされるから、何度も外に出れば絶対に問題になるはずよ」
水島先生の話しによれば、女子寮の入り口には厳重なセキュリティーが施されており、外に出ると履歴が残るというのだ。
(じゃあこの間、俺が理事長室に行く時に外に出たのもバレていたということか……でも俺にはお咎めがなかったぞ……あ、そうか。麗菜に用事があって出かけたのだからか……ん? そうだよ。アイツを利用すればいいじゃないか! いとこである特権を利用しないと)
麗菜のところに電話をしようと思いケータイを手に取る。取ったと同時に電話が鳴った。画面に麗菜の名前が浮かぶ。
(ちょうどよかった。向こうから掛かってきたぜ)
「もしもし、俺だけど」
「無理! ガチャ……ツーツーツーツー」
(えっ? どういうこと? アイツから掛けてきたんだぞ……仕方ない、こっちから掛けてやる)
トゥルルルル トゥルルルルル トゥルルルルル
ガチャ
「あっ、俺だけど……」
「だから無理だと言っているだろう。しつこい奴だ。親戚だからと言ってお前を特別扱いする訳にはいか ピー!」
(えっ? 今の留守電の応答メッセージ? どういうこと?)
なんかよく分からないが、麗菜はアテにできないことは分かった。どうやら自分で何とかするしかないようだ。俺は保健室で本日の授業の終わりまでを過ごしたあと、皆より一足先に女子寮に戻った。
女子寮で生活をしているほとんどの生徒が、何らかのクラブに所属し、放課後はそれぞれのクラブ活動に忙しい。クラブに所属していない寮生でも、図書館に行って宿題や予習復習をする者が多い。加えて終業のチャイムと共に寮に戻ってきた俺。つまり今、女子寮の中にいるのは俺一人だということだ。ひっそりとした女子寮の玄関。聞こえてくるのはこの寮の管理人のトメさんが放ついびきだけだった。うたた寝しているトメさんの前を静かに通り過ぎ、俺は自分の部屋の扉を開けた。
部屋の奥にある窓の前で、定宗が椅子に座り、恍惚の色を浮かべながら身悶えている。その前にはレイが両手を定宗の膝に置いた形でその場に座り、顔を前後にリズミカルに動かしている。ジュルジュルという何かを啜るような水音が静まり返った部屋の中に響きわたり、レイが顔を動かす度に、定宗は『あっ』や『ああっ』という吐息にも似た声を放っていた。
(こ、こいつら、誰も寮にいないことをいいことに! でも……ちょっと興味があるかも……)
二人に気づかれないように息を殺しながら近づき、真横から二人の行為をそっと覗いた。
レイはヨダレをたっぷりと垂らしながらコクコクと居眠りをしている。床にヨダレが落ちそうになる瞬間にハッと気づき、それをジュルジュルと啜っている。再びコクコクと船をこぎ始めると、ヨダレの垂れる瞬間にまたジュルジュルとヨダレを啜った。
「寝てるのかよっ!」
思わずツッコミを入れつつ、レイの前に座る定宗を見る。レイの頭の動きに合わせ、恍惚の色を浮かべながら「ああっ」や「おうっ」と吐息を漏らす定宗。どうやら絶妙のタイミングで寝言を放っているようだった。
「ややこしいわっ!」
目の前で喘ぐ落武者の頭に向かって踵を落とす。アンディ〇グ直伝(動画による)の踵落としは落武者の体をすり抜け、座っていた椅子に直撃した。この二人が幽霊であることを、俺はすっかり忘れていた。ひとり痛みに身悶えていると、ニヤニヤと笑いながらコチラを見ている定宗の姿があった。
(こ、こいつ……起きていやがったな……)
十分後……
「虐めじゃっ! これは虐めじゃっ!」
トメさんから借りてきた大型犬用の檻の中に定宗を閉じこめ、悪霊退散のお札をベタベタと貼ってやった。これで定宗は檻の外に出ることはできない。俺はレイと共に、麻梨亜尾行計画のアイデアを練っていた。
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