Ability of creatures

ねこみ〜♪

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Ⅱ.王

怪しげな闇

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「あー!ひんやりー!!!」
 水色とピンクの二段のアイスを片手に持って、彼女はそう言い放った。口元には水色のアイスが少し付いている。
「まさ、口元汚れてるよ。拭いたげる。動かないでね。」
 レイにされるがままに口元を拭かれふふん、と自慢げに笑った。
「たいる!アイスありがとう!」
 にこっと微笑みかける真っ白の少女に、たいるもまた満面の笑みで「おう!」、と返した。
「さすがにここまで暑いとアイスでも食ってないと死ぬだろ。ほら、レイも遠慮せず食えって、溶けるぞ?」
 たいるが先程渡そうとしたところ断られたアイスを、再びレイに差し出す。レイはしばらくたいるを無言で見つめていたが、諦めたようにそれを受け取った。
「にしてもほんとに暑いな…。いつまで続くんだ?この暑さ。」
 現在時刻三時四十五分。もうそろそろで夕方に差し掛かるところだろうに暑さは健全だった。わざわざ日陰のベンチに座ったというのに。
「あれ?」
 ふと、遠くに見覚えのある少年が見えた。
「あれ?たいたー?おーい!」
「げ、ねこみー…と変な人…。」
 こちらに気づいた瞬間から、とんでもなく嫌そうな顔をするたいたー。嫌悪を向けられているのはねこみーだけでない。
「ふはっ。お前も嫌われたもんだねぇ、たいる。」
「えー、俺?」
 彼もまた、すぐにからかってくる要注意人物としてたいたーから避けられているのだ。
「バイト帰りー?」
「そうだよ!まったく…。」
 ねこみーは腰掛けていたベンチから離れ、たいたーの方へ行く。露骨に嫌そうな顔をされたが気にせずに行った。
「何さ…。」
「いや、今日暑かったろ?来いよ、アイスでも食ってけ。」
「いいよ。どうせ僕のお金が減るだけだし、一時的に涼しくなるだけなんだから。」
 もういい?と聞くたいたーに、ねこみーはこう言った。
「へぇー…。もしかしたら家でまひよが暑がってアイスを食べたがってるかもしれないのに?買わずに帰っちゃうんだぁー。へぇー。」
 可哀想だなぁー、悲しいなぁー。と繰り返すねこみーにたいたーはムキになって
「わかったよ!買うよ!ただねこみーのは絶っっっっ対に買わないからね!!!どうせ買ってもらってるだろうし。」
 と、店の方に駆けて行った。
 たいたーが2つの大きなアイスを両手に早足で帰った頃、だんだんと空が暗くなってくる。それにつれ、気温も下がっていった。
「やっと涼しくなってきたわね、もう暗いけど。」
「ほんとだね。溶けちゃうかと思っちゃった。」
 レイとまさが話している。
「あ、レイ、まさ、ねこみー。こりゃ雨降るぞ。」
「お、まじ?傘ないわー。」
 その直後
ザザーーーッ
 勢いよく大雨が降ってきた。
「まじかよ。」
 固まる一同。やべぇな、と思いながら雨が止むのを待とうとしていた。
「ねこみー!!大丈夫!?」
 振り返ると大量の傘を持ったまひよとたいたーが。
「あれ?帰ったんじゃ?」
「帰ったよ!でもいきなり大雨だし、まひよがどうしても行くって。」
 はい、と強引にねこみーに傘を押し付ける。どうも、とそれを受け取り、広げた。
 良かったらどうぞ、とまひよが友人達にも持ってきた傘を渡した。三人は感謝しながらそれを受け取る。
「ごめんね、今度返すから。じゃあね、ねこみーとまひよちゃん、たいたーくん。」
 三人が傘をさしながら歩いて帰っていく。
「僕らも帰るよ。」
 とたいたーの声にまひよが元気よくうん!と答えくるりと方向転換をした。やまない豪雨の中を三人で、雑談をしながら帰った。




「雨か…。」
 だだっ広い草原に、ぽつんと数人の影。
「寒いですね。」
 背の低いおかっぱ頭の人影が呟く。
「そうか?俺の上着でも貸そうか?」
「ありがとう。でも要らない。」
 隣にいた少年がそう問うも、あえなく断られてしまった。
「…。」
 背の高い二人はずっと無言で、ただ雨が上がるのを待っていた。
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