原作を書いたオレはラスボスになるのを全力で拒否してモフモフ達とのんびりします!

新川 さとし

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第2章 帝国学園 1年生編

第38話-2 お菓子作り回は必須だよね

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 普通の金属製のボウルと、そのボールに入れると五センチほどすき間ができる、やっぱり金属製の小さめのボウルだ。それに泡立て器と木べらは、すぐに用意できる。
 
「材料は、ここに書いておいたので参考にするとよい」

 全部喋ると面倒だから、書類コピーの魔法で作って置いたレシピ表だ。

・卵黄1個分グラニュー糖(砂糖) 30g
・高脂肪の牛乳 大さじ3
・生クリーム 100ml
・バニラエッセンス少々

・塩300gくらい
・氷 なるべく砕いた状態 最低1kg

 もう、わかるよね? 手作りアイスクリームってわけ。

「実習で作ったものを評価するということは、短時間に目の前で作れということだ。それを逆手にとって、目の前で作らないとダメなデザートで、しかも視覚的にもわくわく感を誘うだろう。冷たいデザートだから、使うものは全てギリギリまで冷やしておくと良いぞ」

 みんながウンウンと肯いてくれる。

「まず、卵黄とグラニュー糖を、この小さいボウルに入れ泡立て器で砂糖のざらざらがなくなり、白っぽくなるまで混ぜる。次に牛乳を少しずつ加えて混ぜる」

 手で混ぜると疲れるので、風魔法で攪拌中。わりと繊細な魔法だけど、チカを経由するんで、ノープロブレム。

「ここまではあらかじめやって置くことをお勧めする」

「大きいボウルに氷と塩を3対1くらいの割合で入れる。ただし、氷と塩はあとから追加する分を残しておくこと」

 だんだん、みんなの顔が真剣になってきた。

「この氷を入れたボウルに小さなボウルを重ねて、クリームとバニラエッセンスを加えて泡立て器で混ぜるが、今は時間の関係で魔法を使う」

 ほら、出番だよ、チカ

 泡立て器を使わずとも、ミキサーを使ったみたいに奔流となって混ざるのがすごいよね。そして、冷えるに従って、徐々に中身が粘るようになってくる。

「固まってきたら、底から返すようにゆっくりと混ぜることを繰り返すのがポイントだ。固まり始めて泡立て器が重くなってきたら、木べらに持ちかえて固まりをはがすように全体をゆっくりと混ぜよう」

 ここは、見本を見せるために木べらを使って見せたけど、なんか、オレの手に視線がつき刺さってくるのはなぜなんだろう。

 えっと、手はちゃんと洗ったからね?

「好みの固さになるまでゆっくりと混ぜることだ。途中で外側の氷が溶けてきたら、適量を塩と共にまわりに足せばよい」

 うん、うん。

 よし、完璧。

「ここまで固まったら完成だ。冷凍庫を使って作るよりも、柔らかめになる。よって、すぐに食べることを推奨する」

 サマンサがすぐ横にきた。

「ということは、お味は、これで完成ですか?」
「アイスだからな」

 目が訴えてるから、自分で味見してみたけど、びっくりするほど美味しい。

 そのタイミングで顔をツッと寄せてきたから、そのまま、すくって差し出した。

 パクん

 なんか雛鳥に餌を与える親鳥の気分だ。

 あれ?
 
 なんで、みんな顔を赤くしてるの?

 あ! ヤバい、これって間接キスを人前で堂々としちゃったってことになる。

『さすがに王女殿下が人前で間接キスはヤバい、なんとか印象を薄めないと』

 こういう時に焦るとロクなことにならないんだけど、百万匹のオークに取り囲まれた方が、まだマシってくらい切羽詰まった頭は「王女殿下にだけさせるとヤバい」って考えてしまったんだ。

 みんなの顔を見ないようにして「ね? 美味しいでしょ?」と、そのまま、オレがもう一口。

 はうぅう~ 

 なんか、ヘンなトーンの声が漏れてるけどガン無視。

「エリザベスも味見する?」

 パッとオレのそばに来たよ。わっ、テレポートの魔法かよ!

 しかし、慌てずに、スプーンを差し出した。

 パクン

 「最高ですぅ~」

 あれ? み、みんなどうしたの? 完全に目がイッちゃてない?

 オレは立場を無くして、狼狽えるしかなかったんだ。


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