原作を書いたオレはラスボスになるのを全力で拒否してモフモフ達とのんびりします!

新川 さとし

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第2章 帝国学園 1年生編

第17話-2 お昼休み

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 さすがだよね。公爵家の料理人もけして劣ってないけど、オレの立場は非嫡男。学園の食堂にフルコースを持ちこむ手間はかけさせられないからね。

 デザートまで、とても楽しくて美味しかったのは〇。どうやら、この世界ではボッチメシどころか、美少女とのランチに不自由は無さそうだ。

 ゆっくりとカフェ・ブティフールデザー※2まで堪能した頃に、ふと思い出した。

 そろそろ、ガイウスも目を覚ましたかな?

 な~んて考えたんだけど、それどころじゃなくなった。ドロシー先生が目を覚まして事態を学園長に報告。ただちに現場にいて魔法が使える人間=貴族全員に聞き取り調査が入ったんだ。

 スクールポリス的なセイラム先生の厳しい顔付きを見て初めて気付いた。

『あ、これヤバいヤツだ』

 うかつなことに、オレは今の今まで気付いてなかった。

『ドロシー先生のことばかり考えてたけど、ガイウスの攻撃魔法の範囲にはサマンサもいたわけじゃん』

 つまり、ヤツは「第二王女殿下に最大級の攻撃魔法をぶっ放した」っていう、盛大な反逆行為をしてしまったことになる……

 王族を狙った「大逆罪」は公爵家と言えどもヤバい。

 ここでお家断絶はヤバ過ぎる。原作のマルスは、さらなる公爵家の権勢のために収入増大をもくろんで、闇組織と接触していた。

『これで、家がなくなってもオレだけなら良いよ? あるいは、数年くらいなら、今ある魔石を売るだけでも何とかなる。でも、家族や働いている人達のことを考えたら、やっぱり収入源が欲しくなるよね』

 このままだと、ラスボスコース一直線じゃん!

 ともかく、なんとか「寛大な処置」となるようにサマンサに頼まざるをえなかったんだ。

 もちろん「弟さんのことですものね、頼まれずとも婚約者として当然です」とサマンサは校長へ申し入れをすることを受け入れてくれた。

「ふふふ。ところで、今度、ちょっとだけお願いが……」

 学園長にちゃんと話してきてくれた後、サマンサは、そう言ってイタズラな顔をしてきたんだ。

『あぁ、腹黒第二王女に、思いっきりデカい借りを作っちまったじゃないか。オレ、何をさせられるんだ?』

 願わくば、ラスボスコースへと向かわなくて済みますように。
 



※攻撃魔法感知装置:ナノマシンが活性化する度合いを探知する装置のため、名前とは裏腹に、一定以上の強さの魔法が使われると反応する。あくまでも「攻撃魔法」を使わせないようにする目的だから、こう呼んでいる。

作者注:なるわけがありません。武術のプロである騎士団員が目撃していますので。「公の場で嫡男である弟を半殺しにした」という噂は帝都の中に広がりました。「やはり、狂乱の貴公子だった」と噂が流れます。けれども、その後に「王女に対するご乱行を目撃し、心を鬼にしてマーウォルス様が諫めた」説が広がって、なぜか、皇帝周辺からの好意が爆上がりしてしまいます。

※2カフェ・ブティフールデザート : 「コーヒーと小菓子」のこと。高位貴族の場合、夜はパーティーになることが多いため、昼からフルコースになるのは珍しくありませんが、帝国学園の食堂でそれをやるのは、王族くらいです。
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