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第2章 帝国学園 1年生編
第43話-2 頭の上の問題
しおりを挟む全員が一斉に声を上げていた。
「「「「「ホントだ!」」」」」
ジュートが「いくらきれい好きな女の子でも、そんなに使わないぞ!」と叫んだ。
犬猿の仲であるシーセルは、白い目で「兄」を見た後で冷静に資料を見比べてから言った。
「ホントですね。こっちにもある、あ、これもか。あ~ どうして気付かなかったんだろう」
「えぇえ! こんなの気付かなかったです。さすがマー君。よく気付いたね!」
エリシアの感嘆の声に「「さすが、マルス様です」」という心からの賛同がBGMみたいに響くのは、もはや様式美の世界だ。
「この20本というのがアッチコチに出てくるところから見て、おそらく、見つけにくいようにワザと同じ数字にしたのだろう」
他にも床ワックスがひと教室あたりで100リットルだとか、フォークとナイフが生徒一人あたり、毎年30本更新しているだとか、いろいろあった。それにしても毎年フォークを30本ずつ使い果たすって、何をしてるんだよと、思わず笑ってしまいそうだ。
「「ということは、横領?」」
毒舌を考えるまでもなく、ピタリと同じセリフを呟いてしまうのはさすが。
「他にもおかしな数字が見つかったので、それをメモしたのがこれだ」
さっきのメモを机の上から取り上げて、みんなにぴらぴら見せながら言った。
「去年の数字を元に各部署が出している数字を写してある。ということは、ここに載っている数字に該当する去年の領収書をチェックしていけば誰が私腹を肥やしているのかは突き止められるだろう。それぞれの品目ごとの合計が、こっちのメモだ」
サマンサがメモの一番下の行の「総合計」を目にして唖然。
「そーがく1億ゴル?」
こっちの世界の単位はゴルだけど、金銭価値は「円」とほぼ同じ感じだという設定にしてある。だって「大金貨と小金貨三枚」みたいなのだとわかりにくいもんね。
いくらカネに不自由のない高位貴族の人間だって、驚くのも当然だ。一つの学校で「使途不明金が1億円」ってのは、相当に大事件となるくらいの感覚はある。
「「「「「一億!!!」」」」」
「会長、それだけで終わると思うのは間違いだぞ」
「な、なに? マー君、他にもあるの?」
「今回の発注資料は昨年度の実績に基づくのが原則だということは?」
「あ! じゃあ、今年だけじゃない可能性が!」
一つ頷いて見せた。
「まず、今回の分の領収書に当たろう。一通りの目星を付けたら、簡単に過去の資料を遡って、どのくらい前からかを確かめる。おそらく5年くらいは遡るはずだ……」
全員がゴクリとつばを飲んだんだ。
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