原作を書いたオレはラスボスになるのを全力で拒否してモフモフ達とのんびりします!

新川 さとし

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第2章 帝国学園 1年生編

第57話-2 コスプレの朝

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 それにしても、ひょっとして仮面は無意味なんだろうか? と思いつつ、花の妖精の姿をしたエリシアを改めて見る。

 背中に付けた妖精の羽根を含めて、もちろん似合いまくってるんだよね。

 ちなみに、サマンサは風魔法の系列がホントは使える。もちろん、レディの嗜みとして人前で攻撃魔法なんて使わないけど、後の勇者メンバーの一員だけに膨大な魔力を持っているし、その能力は高い。というよりも惑星探査メンバーの血統だから、かなりナノマシンとの相性が良いんだよね。

 その魔力を大盤振る舞いして、周りに花びらを浮かべた微風を漂わせる演出だ。サマンサの周りには常に花びらが浮かんでるって感じだ。

 これに、オレが「フライ」を応用した魔法を使って、ふわりと体を浮かせる演出をしているから、注目度が高い。

「さすがだな。本物の妖精。いや、それよりも可愛いのだろう」

 あっと思った時は、オレはマルス口調で、そんなことを口走っていた。

 瞬間的に真っ赤になった上に、髪に挿していた花のカチューシャに付いていた「つぼみ」が二つほどポン、ポンと音を立てるように咲いたのは驚いた。本人は気付いてないらしい。

『植物を操る能力が、今目覚めたのか?』

 作中では攻撃魔法としては使えないけど、冒険の途中で魔物よけの「桃の実」を成らせたり、オーバータランチュラの毒で瀕死となったガイウスのため、薬になる花を魔法で咲かせたりしたんだ。

『だけど、あれは2年生の夏にみんなで冒険に出てからだったよな?』

 原作にあるんだから、必然と言えば必然だけど、文化祭の当日に発現するなんて、ちょっと不思議だ。

『でも、本来はガイウスとの旅に役立つために発現してたわけだから、物語の強制力的には、もはや旅は無くなったという風に考えられるかな?』

 だとしたら、安心度が大幅に上がることになる。なにしろ主人公がパーティーメンバーと旅に出るから、マルスのラスボス化が加速するんだ。

『これは、マジで、嬉しい発見だな』

 思わず楽しくなっちゃって、サマンサの飛ぶ高さをフワッと肩ほどまであげてみせる。
 ちなみに、いかにも「妖精風」のふわりとした白ワンピだけど、しっかりと足下側は白のスパッツを付けているので、ふわりと裾が舞っても大丈夫。

「あんっ、だめぇ、マルス様ぁ、あまり高く飛ぶと見えちゃいます」
「すまぬ」

 大丈夫じゃなかったらしい。

 確かに、ワンピの「下」が見えちゃうのは良くないよね。オレのデリカシーの無さだ。反省しよう。

 空中にいるまま、ふわりと身を寄せてきた。

「二人きりでしたら、お好きなだけ。ここは、公共の場ですから。ふふっ」

 思わず返事に困って「フンッ」と言ってしまうマルスだ。しかし、自分でも、明らかに分が悪い会話だったなと、思わず赤面してしまう。

『あ~ マスクして、顔も塗っておいて良かった~』

 ちょっと、コスプレのありがたさがわかったかも。

 さて、コスプレしつつも、お仕事はお仕事だよ!

 
 

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