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第3章 帝国学園 2年生編
第86話-3 嫡男失格
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同時刻 皇宮・第二王女私室にて
「ベスったら、心配しないで。マルス様がお忘れになるわけないわ」
「あ、やっぱり。さすがマルス様ですね」
「特に魔法対策は厳重らしいわ。ファイヤーボールクラス以上の魔法を使おうとしたら、たちどころに反応するそうよ」
「すごい。そんなことが可能なのですか」
「それは、さすがマルス様としかいえないわね。あ~ 早くお帰りにならないかしら。きっと、諸国との交渉でも活躍なさっていらっしゃるんでしょうね」
「キャッ、サマンサ様、今、お顔が真っ赤ですわよ。さては」
「ふふふ。男の人が外で大きな仕事をなさってきたんですもの。それを労うのは婚約者としての務めですわよね~ もちろん、ベスと一緒によ!」
「あぁん、もう~ サマンサ様ったらぁ~」
・・・・・・・・・・
再びポーカー・ルームにて
「?」
「ガイウス?」
「ガイ!」
「ん? そんなばかな! 終焉の極光・エターナル・エクスプロージョン!」
「ガイウス、一体何事だ? それにその魔法名は、最上級の爆裂魔法であろう。いくら腹立ち紛れの冗談にしても、さすがに、そのような名前は叫ばぬが良いぞ」
「どうしたのですか? やはりショックだったのですね。母は、あなたの味方ですよ。何があっても味方ですからね。辛いときは、そばにいるから。おぉ! 可哀想なガイウス」
『なんでだ? あ! 周囲からナノマシン達が消えてる? バカな! 一体何が起きた? 魔法の力だけを消費して爆裂しなかった? ありえねぇ! 一体何が起きたんだ!』
これは、マルスが原作を書いた側であることが理由である。
物語の必然性によって「公爵邸爆発」が起こりうる事態だということを予測していたのだ。
よって、公爵邸上空には常時監視のステルス・ドローンを配置し、一定以上の強力な魔法を使うべく、ナノマシン達が呼び集めらるケースを想定していたのだ。魔法発動のためにナノマシン達が一定以上の密度になったら、「自壊せよ」という命令を自動的に送り込むことにしていたのである。これこそは「マスターコードを入力した者」の権限であったのだ。
ドローンの判断は量子コンピュータの数倍の速度である。人間の思考力や魔法詠唱を判断するには十分すぎるほどに時間があったのだ。
よって、今この瞬間、メディチ家の全ての魔道具が停止してしまったのであるが、それは小さな影響であった。
ナノマシン達の大半が消滅したため、すくなくとも今すぐ大魔法を使うことだけは不可能になっていたというのが現実である。
「いったい、なんでだ! マルスのヤツめぇえ!!!」
耐えきれずに叫んだ。何の根拠もないが、こんな理不尽が起きるのは絶対にマルスのせいに決まっているという決めつけである。
ガイウスの魂の叫びには、何の根拠もないことであるが、二つの不幸が存在してしまったのであった。
一つは、マルスのせいだという「正解」を言い当ててしまったこと。
今ひとつは「ガイウスを嫡男から外したのは正しかった」と両親が心から思ってしまったこと。
この日、公爵邸の医師団は、ガイウスが使えもしない爆裂魔法を叫んだことから「ショックのあまり、妄想的な自傷行為に走ったのだろう」と判断された。
よって、ガイウスに強力な鎮静剤を投与されたのであった。
まだクスリの影響が抜け切れぬ半分虚ろな目覚めである。
ガイウスは自分が揺れる小さな部屋にいることに気が付いた。それは、南方軍への道のりを辿る馬車の中であることがわかったのは、もっともっと後のことであった。
「ベスったら、心配しないで。マルス様がお忘れになるわけないわ」
「あ、やっぱり。さすがマルス様ですね」
「特に魔法対策は厳重らしいわ。ファイヤーボールクラス以上の魔法を使おうとしたら、たちどころに反応するそうよ」
「すごい。そんなことが可能なのですか」
「それは、さすがマルス様としかいえないわね。あ~ 早くお帰りにならないかしら。きっと、諸国との交渉でも活躍なさっていらっしゃるんでしょうね」
「キャッ、サマンサ様、今、お顔が真っ赤ですわよ。さては」
「ふふふ。男の人が外で大きな仕事をなさってきたんですもの。それを労うのは婚約者としての務めですわよね~ もちろん、ベスと一緒によ!」
「あぁん、もう~ サマンサ様ったらぁ~」
・・・・・・・・・・
再びポーカー・ルームにて
「?」
「ガイウス?」
「ガイ!」
「ん? そんなばかな! 終焉の極光・エターナル・エクスプロージョン!」
「ガイウス、一体何事だ? それにその魔法名は、最上級の爆裂魔法であろう。いくら腹立ち紛れの冗談にしても、さすがに、そのような名前は叫ばぬが良いぞ」
「どうしたのですか? やはりショックだったのですね。母は、あなたの味方ですよ。何があっても味方ですからね。辛いときは、そばにいるから。おぉ! 可哀想なガイウス」
『なんでだ? あ! 周囲からナノマシン達が消えてる? バカな! 一体何が起きた? 魔法の力だけを消費して爆裂しなかった? ありえねぇ! 一体何が起きたんだ!』
これは、マルスが原作を書いた側であることが理由である。
物語の必然性によって「公爵邸爆発」が起こりうる事態だということを予測していたのだ。
よって、公爵邸上空には常時監視のステルス・ドローンを配置し、一定以上の強力な魔法を使うべく、ナノマシン達が呼び集めらるケースを想定していたのだ。魔法発動のためにナノマシン達が一定以上の密度になったら、「自壊せよ」という命令を自動的に送り込むことにしていたのである。これこそは「マスターコードを入力した者」の権限であったのだ。
ドローンの判断は量子コンピュータの数倍の速度である。人間の思考力や魔法詠唱を判断するには十分すぎるほどに時間があったのだ。
よって、今この瞬間、メディチ家の全ての魔道具が停止してしまったのであるが、それは小さな影響であった。
ナノマシン達の大半が消滅したため、すくなくとも今すぐ大魔法を使うことだけは不可能になっていたというのが現実である。
「いったい、なんでだ! マルスのヤツめぇえ!!!」
耐えきれずに叫んだ。何の根拠もないが、こんな理不尽が起きるのは絶対にマルスのせいに決まっているという決めつけである。
ガイウスの魂の叫びには、何の根拠もないことであるが、二つの不幸が存在してしまったのであった。
一つは、マルスのせいだという「正解」を言い当ててしまったこと。
今ひとつは「ガイウスを嫡男から外したのは正しかった」と両親が心から思ってしまったこと。
この日、公爵邸の医師団は、ガイウスが使えもしない爆裂魔法を叫んだことから「ショックのあまり、妄想的な自傷行為に走ったのだろう」と判断された。
よって、ガイウスに強力な鎮静剤を投与されたのであった。
まだクスリの影響が抜け切れぬ半分虚ろな目覚めである。
ガイウスは自分が揺れる小さな部屋にいることに気が付いた。それは、南方軍への道のりを辿る馬車の中であることがわかったのは、もっともっと後のことであった。
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