原作を書いたオレはラスボスになるのを全力で拒否してモフモフ達とのんびりします!

新川 さとし

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第3章 帝国学園 2年生編

第92話-1 ルビーのように妖しく光れ

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「マルス様、本当によろしいのでしょうか?」

 隣に座ったサマンサが半身となって身体を寄せてきた。目の前の紅茶に手も触れずにマルスの膝に手を置いている。

 キャバクラだとありがちな姿勢だが、この場合は二人の関係が婚約者であることと関係がある。

 完璧を演じる王女殿下が、珍しく甘えているのである。

「君の姉妹だから」
「重ねて申し上げますが、あれは帝国の宝物庫にもあるかどうかの魔石だと思います。それを三つもだなんて」
「三人姉妹だから当然だろう」

 サマンサの胸にあるのは女性のルビーのような赤い宝石が飾られたペンダント。しかも、その赤い宝石はサマンサの親指ほどもある。これと同じモノを姉と妹にも贈ったばかりである。

 ちなみにネックレスとペンダントの違いを知っているかい? 両方とも「首にかける装飾品」だけど、ペンダントは「ヘッド部分の存在感」が大きいものを言う。

 だから、サマンサのものはネックレスとしても一級品だけど、巨大な赤い宝石の輝きが凄まじいからペンダントって言うわけだ。透明感と煌めきは超一流。と言うよりもわずかながら発光しているほどだ。

 つまり、これはあまりにも美しい宝石のような魔石だってこと。妖しく感じるほどに輝いていた。

「マルス様がお気遣いくださるのは嬉しいのですけど」
「嬉しいんなら良いだろう」

 魔の森のダンジョンにいた「レッド・デーモン」という魔物から取った魔石は、見るだけでも美しいのは確かだ。

「そもそも、この魔石は自分で狩ったレッド・デーモンのものだから(原価ゼロだからね)」
「だからこそです! こんな無傷のモノなんてあるはずがないのに。この世でマルス様しか手に入れることは出来ません!」

 サマンサの言っていることは、ある意味で正しい。

 レッド・デーモンは危険な魔物とされている。なにしろヤツは近接戦闘で極大の攻撃魔法を使いまくると言う最に近い魔物なんだ。それだけのエネルギーを蓄えられる魔石だけにかなり大きい。それだけではなく、密度も宝石レベルまで結晶化されているんだ。

 しかも今回の石は無傷だった。つまり「ほとんど魔力を消耗してない状態」の完全体だ。珍しさで言えば国家予算を積み上げても買えないレベルって言ったら大げさかな?

 まあ「金では買えないくらい珍しい」って感じかも。

 ちなみに、指輪に加工するには大き過ぎたのだ。まるでアニメに出てくる「銭好きの怪しい魔法使い」のおバアちゃんみたいになっちゃうから、ペンダントヘッドにしたのはサマンサの知恵を借りたから。

 いや、前世も、今世も女性のアクセなんてわからないもん。

 なお、ドレスの時もクサリの長さを調節すれば外から見えないようにすることも可能になっている。

 え? 見せないペンダントなんて意味がない?

 ノー ノー 

 これは「宝飾品の外見をした防御システム」なんだよ。

 付与魔法加工技術ナノマシンによる特殊加工で、魔石に蓄えられた魔力を一気に放出することで最強の防御壁を2回だけ、うまくいけば3回張ってくれる便利グッズだ。しかも撃ち込まれた攻撃魔法に自動対応なのが泣かせる。

 ほら、自衛隊さんがミサイル防衛システムを搭載したイージス艦って持ってるじゃん? これは究極の個人版。いわば「モバイル・イージス」ってわけだ。

 え? 元はと言えば「イージスの盾」って、アイギスって呼ばれる、ギリシア神話に登場するアテナの防具のことだから「モバイル」できるはずだって?

 いーんだよ。

 イージス艦の方がイメージしやすいんだから。
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