原作を書いたオレはラスボスになるのを全力で拒否してモフモフ達とのんびりします!

新川 さとし

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第3章 帝国学園 2年生編

第97話-2 闇夜に潜む者による最大の危機

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 皇宮侵入は3つの部隊に分かれている。

 各部隊には最低一人、土魔法を使える人間を付けていた。穴の入り口を開けるのが役割となる。

 それぞれが深夜零時ピタリに壁や床を壊して突入し、静かにかつ素早く皇宮へと同時侵攻するのが作戦のキモ。

「一撃必殺だ」と男達は我が身に変えても必勝を期す。

 教会と子爵家を攻めるグループはとっくに行動していた。今のところ帝都の闇は静かすぎるほどである。通行人がいれば気の毒だが口封じをすることになる。

 その意味で普段にもまして人通りもないのは不気味なほどだが、ありがたい。いくら神を冒涜する国の民であっても、無駄に市井の民を殺めるのは男達も好まない。

 例え異教徒に対してであれ、彼らの素朴な優しさは発揮されるのだ。なによりも、目撃者に対処するための行動が騒ぎにでもなれば本末転倒である。

 無闇と騒ぎ立てるような目撃者は、いないのが最上なのだ。

「例え邪神があろうとも、本来の神は我らに味方してくださるのだ。先発隊にも神の加護が発揮されているに違いないぞ」

 最後に動き出した彼ら暗渠あんきょ侵入部隊から見て、まだ少しも騒ぎが起きてない。そこから判断して、この作戦は全て順調に進んでいると見てよい。

 幸先の良いスタートである。

「ここだ。降りるぞ」

 帝都の川のほとんどは市街地を切り掘りした形式になっている。今の日本で言えば神田川のように切り立っている都市河川である。

 水面まで数メートルの高低差があった。
 
 岸の手すりにロープを結んで岸から一斉に降りれば、それで全てが一気に始まる。

 スタートまであと15分あった。静かな夜で人の気配もない中、全てが上手く言っている。そんな自信から生まれる余裕が男達の口を軽いものにしていた。

「抜け穴っていうのは、よく聞くが本当にあるんだな」
「ああ、これまで発見したことなんて無かったのに。あるところにはあるか」
「まさに、オーナーのお手柄だぜ」

 ガイウスの中の人や作者の前世において「城の抜け穴」が実際に見つかったことはない。だが、古来、多くの城には脱出経路として秘匿されてきた逃げ道は存在した。

 有名な小田原城の「海に面した船だまり」だとか、上田城の「裏山への間道」などが例だとされている。しかし「地下に穴を掘った」脱出口は一つも見当たらない。

 技術的にも労働力的にも長いトンネルを手だけで掘るのは無理なのである。

 なお、新川さとしという人の『スキル「SDGs」 現代日本のゴミは異世界では宝の山。知識チートを駆使して家族の幸せを考えてたら大陸統一が見えました』にも、城からの抜け穴の話が出てくるので未読の方はぜひ読んでほしい。

 翻ってこの世界には「魔法」という素晴らしい技術がある。原作「死にカン」の中で紹介されていたのは土魔法を精緻に使うことで作った3本の道。これは、300年前に作られて以来、誰も使ったことがない。

 ゆえに皇帝すらも存在を忘れていた。原作ではガイアが主人公の引きの強さゆえにトンネルの入り口を見つけた。だが、原作を知らない限り絶対に気付かない抜け穴なのである。



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