283 / 310
第3章 帝国学園 2年生編
第97話-2 闇夜に潜む者による最大の危機
しおりを挟む
皇宮侵入は3つの部隊に分かれている。
各部隊には最低一人、土魔法を使える人間を付けていた。穴の入り口を開けるのが役割となる。
それぞれが深夜零時ピタリに壁や床を壊して突入し、静かにかつ素早く皇宮へと同時侵攻するのが作戦のキモ。
「一撃必殺だ」と男達は我が身に変えても必勝を期す。
教会と子爵家を攻めるグループはとっくに行動していた。今のところ帝都の闇は静かすぎるほどである。通行人がいれば気の毒だが口封じをすることになる。
その意味で普段にもまして人通りもないのは不気味なほどだが、ありがたい。いくら神を冒涜する国の民であっても、無駄に市井の民を殺めるのは男達も好まない。
例え異教徒に対してであれ、彼らの素朴な優しさは発揮されるのだ。なによりも、目撃者に対処するための行動が騒ぎにでもなれば本末転倒である。
無闇と騒ぎ立てるような目撃者は、いないのが最上なのだ。
「例え邪神があろうとも、本来の神は我らに味方してくださるのだ。先発隊にも神の加護が発揮されているに違いないぞ」
最後に動き出した彼ら暗渠侵入部隊から見て、まだ少しも騒ぎが起きてない。そこから判断して、この作戦は全て順調に進んでいると見てよい。
幸先の良いスタートである。
「ここだ。降りるぞ」
帝都の川のほとんどは市街地を切り掘りした形式になっている。今の日本で言えば神田川のように切り立っている都市河川である。
水面まで数メートルの高低差があった。
岸の手すりにロープを結んで岸から一斉に降りれば、それで全てが一気に始まる。
スタートまであと15分あった。静かな夜で人の気配もない中、全てが上手く言っている。そんな自信から生まれる余裕が男達の口を軽いものにしていた。
「抜け穴っていうのは、よく聞くが本当にあるんだな」
「ああ、これまで発見したことなんて無かったのに。あるところにはあるか」
「まさに、オーナーのお手柄だぜ」
ガイウスの中の人や作者の前世において「城の抜け穴」が実際に見つかったことはない。だが、古来、多くの城には脱出経路として秘匿されてきた逃げ道は存在した。
有名な小田原城の「海に面した船だまり」だとか、上田城の「裏山への間道」などが例だとされている。しかし「地下に穴を掘った」脱出口は一つも見当たらない。
技術的にも労働力的にも長いトンネルを手だけで掘るのは無理なのである。
なお、新川さとしという人の『スキル「SDGs」 現代日本のゴミは異世界では宝の山。知識チートを駆使して家族の幸せを考えてたら大陸統一が見えました』にも、城からの抜け穴の話が出てくるので未読の方はぜひ読んでほしい。
翻ってこの世界には「魔法」という素晴らしい技術がある。原作「死にカン」の中で紹介されていたのは土魔法を精緻に使うことで作った3本の道。これは、300年前に作られて以来、誰も使ったことがない。
ゆえに皇帝すらも存在を忘れていた。原作ではガイアが主人公の引きの強さゆえにトンネルの入り口を見つけた。だが、原作を知らない限り絶対に気付かない抜け穴なのである。
各部隊には最低一人、土魔法を使える人間を付けていた。穴の入り口を開けるのが役割となる。
それぞれが深夜零時ピタリに壁や床を壊して突入し、静かにかつ素早く皇宮へと同時侵攻するのが作戦のキモ。
「一撃必殺だ」と男達は我が身に変えても必勝を期す。
教会と子爵家を攻めるグループはとっくに行動していた。今のところ帝都の闇は静かすぎるほどである。通行人がいれば気の毒だが口封じをすることになる。
その意味で普段にもまして人通りもないのは不気味なほどだが、ありがたい。いくら神を冒涜する国の民であっても、無駄に市井の民を殺めるのは男達も好まない。
例え異教徒に対してであれ、彼らの素朴な優しさは発揮されるのだ。なによりも、目撃者に対処するための行動が騒ぎにでもなれば本末転倒である。
無闇と騒ぎ立てるような目撃者は、いないのが最上なのだ。
「例え邪神があろうとも、本来の神は我らに味方してくださるのだ。先発隊にも神の加護が発揮されているに違いないぞ」
最後に動き出した彼ら暗渠侵入部隊から見て、まだ少しも騒ぎが起きてない。そこから判断して、この作戦は全て順調に進んでいると見てよい。
幸先の良いスタートである。
「ここだ。降りるぞ」
帝都の川のほとんどは市街地を切り掘りした形式になっている。今の日本で言えば神田川のように切り立っている都市河川である。
水面まで数メートルの高低差があった。
岸の手すりにロープを結んで岸から一斉に降りれば、それで全てが一気に始まる。
スタートまであと15分あった。静かな夜で人の気配もない中、全てが上手く言っている。そんな自信から生まれる余裕が男達の口を軽いものにしていた。
「抜け穴っていうのは、よく聞くが本当にあるんだな」
「ああ、これまで発見したことなんて無かったのに。あるところにはあるか」
「まさに、オーナーのお手柄だぜ」
ガイウスの中の人や作者の前世において「城の抜け穴」が実際に見つかったことはない。だが、古来、多くの城には脱出経路として秘匿されてきた逃げ道は存在した。
有名な小田原城の「海に面した船だまり」だとか、上田城の「裏山への間道」などが例だとされている。しかし「地下に穴を掘った」脱出口は一つも見当たらない。
技術的にも労働力的にも長いトンネルを手だけで掘るのは無理なのである。
なお、新川さとしという人の『スキル「SDGs」 現代日本のゴミは異世界では宝の山。知識チートを駆使して家族の幸せを考えてたら大陸統一が見えました』にも、城からの抜け穴の話が出てくるので未読の方はぜひ読んでほしい。
翻ってこの世界には「魔法」という素晴らしい技術がある。原作「死にカン」の中で紹介されていたのは土魔法を精緻に使うことで作った3本の道。これは、300年前に作られて以来、誰も使ったことがない。
ゆえに皇帝すらも存在を忘れていた。原作ではガイアが主人公の引きの強さゆえにトンネルの入り口を見つけた。だが、原作を知らない限り絶対に気付かない抜け穴なのである。
0
あなたにおすすめの小説
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる