原作を書いたオレはラスボスになるのを全力で拒否してモフモフ達とのんびりします!

新川 さとし

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第3章 帝国学園 2年生編

第100話-2 物語の強制力

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 当たり前だが、子どもが半年で生まれるはずがない。そんなの常識だ。

 ところが「ガイウスの誕生日」に関してだけ誰も不思議に思わない。指摘すると「なるほど」と誰もが首を捻るのに、次の瞬間、そんなことは覚えてないという現象に何度出くわしたことか。

 いっそ「逆にマーウォルスが異母の生まれだった」という、ラノベのざまぁ展開みたいなこともありうるのかと考えた。

 ところが母上は、紛れもなくオレが実子だと主張した。何だったら「あなたが私の産んだ唯一の子どもなの」とまで言い切っている。

 ところが、一歩オレから離れると「ガイウスは優遇すべき我が子」という意識になってしまうらしい。

 家中の誰にどうやって尋ねても、オレもガイウスも「実子」であり、生まれたときから兄弟だと完璧に信じている。

 かくいうオレ自身も「不思議だ」と思っているのに、何か別の事をきちんと考えようとすると「ガイウスは弟だ」という意識以外を作れないことに気付いた。

 これが「ゆらぎ」の一番大元にあるものらしい。そして、オレはその揺らぎの名前を知っている。

「物語の強制力」

 マザーコンピュータも、もしも、この世界が作られたものであるならという前提に立つと、その蓋然性は高いと判定した。

 その存在確率は実に70パーセントを超える。

 そして、それだけの揺らぎが存在した上で今の状態になってしまった。物語のガイアとマルスの関係とほぼ逆の位置。

 明らかにマルスが主人公のポジションでガイウスは公爵家から追われてしまった。

 そうなってくると、物語の強制力は何とかして「ゆらぎ」を使って、この世界のバランスを取り戻そうとするらしい。

 その場合は最も確実性の高い手段をとるだろうと言うのが予測だ。

 物語世界においての「名前交代」である。

 言葉を換えると、この世界を元の設定で成立させるなら主役とラスボスの名前を入れ替えるのが一番簡単、確実なことになるらしい。

 従って、途中のガイアが果たすべきイベントが次々とオレに降りかかり、ラスボスが経験すべきイベントがガイアに降りかかった。

 ただし、それぞれのキャラの差があったため、それに応じてイベントが変化するのは当たり前。

 そして、現在進行しているのが原作では「未筆」となっている場所だけに、マザーコンピュータも、この後は予想がつかないという話だった。

 確実なことは、マルスを決戦の場に呼び出そうとするのは「物語の強制力」ってこと。これに逆らうと、今後。何がどう変化するか予測もつかないことだった。



 
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