原作を書いたオレはラスボスになるのを全力で拒否してモフモフ達とのんびりします!

新川 さとし

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第3章 帝国学園 2年生編

第102話-1 脅迫、あるいは交渉かも

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「こ、殺してやる。人質を全部、殺してやる」
「そうか」
「え?」

 ガイウスは唖然とした。この場合「そうか」はありえない。

「おい、止めないのか?」
「なぜだ?」
「え?」
 
 そのセリフはありえない。人質を殺すと言っているのだ。ここで「なぜ」は絶対にありえない。これは、マルスの間違いに決まっている。

 ガイウスは、半ば悲鳴のように突っ込んだ。

「あのな、オレは人質を全部殺すと言っているんだぞ!」
「そうか」
「そ、そうかじゃねーだろ、そうかじゃ!」
「ふんっ」
「あのな! 普通はだなぁ、人を殺すって言ったら、それを非難するとか、驚くとか、いや、人の心があったら止めるだろ。違うか!」
「ふむ」

 マルスは一向に反応しない。塩対応とかそういうレベルではない。興味が一カケラもないと言わんばかり。

 ガイウスは愕然となって、こう考えた。

『コイツの前世はどんなサイコパスだったんだよ。人質が殺されてもぜんぜん気にしないとでも言うのかよ。ヤバいよ、こいつ、人の心を持ってないじゃん。こんなの人間じゃあねぇぜ』

 人質を殺すと宣言したガイウスから「こいつ、人の心を持ってない」と思われてしまうマルスである。

 マルスの「傲岸不遜」を頭に入れ、いつか実力試験の時にされた「ボコボコ(にされた)事件」を考えると、かなり冷たい男だと思っていた。

『それも計算に入れたから、53人も人質をかき集めたんだぞ』

 それなりに苦労もあったが、とにかく「少しでもマルスと人間関係のある者」を条件にかき集められるだけ集めた。

 すごく頑張ったのだ。

 マルスの身内は全てゴリゴリに守られていた。

 だから、チャンスがあるとしたら「関係者が悲しむのは見ていられないだろ」的に迫ることしかなかったのだ。

 サマンサの侍女や、エリザベスのメイド達、その他学園で直接関係のありそうな生徒まで。

 どれだけ関係が薄くても良い。少しでも関係のある人間をかき集めたのだ。

 最悪でも、これだけの人数を殺すと言われるのだ。それだけでも少しはビビるはずだ。

 だが、人の命を一切考えないようなサイコパスだとは思わなかった。

 これだけの命を何だと思っているんだ、と脅す側であったガイウスは驚愕のひと言であった。
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