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第3章 帝国学園 2年生編
第105話-1 ラスボス登場
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やっぱりこうなるか。
「物語の強制力」と言うものが存在すると仮定したら、というAI分析は「最低限の確定要素を変えること」でストーリーの修正が行われるだろうとなった。
「かなりの確率で、マルスとガイウスの立場を取り替えるだろう」
ここまでは、ある程度見通しが立ったことだ。
しかし、そうなると「ガイウスは果たしてラスボスなのか」ということが問題になる。
ハッキリ言えばガイウスでは弱すぎたのだ。
なにしろ、ラスボスの部屋に入ってくる前にいたというのが、まず違う。
しかも、ちょっと煽っただけでツマラナイ策略に引っかかってしまう軽率さは、絶対に「ラスボスの振るまい」ではない。
『じゃあ、誰がラスボスになれるんだ?』
という話になる。
『原作を書いた人間としては、オレの元作品にいないキャラが登場するのはありえないと思えるんだよなぁ』
うーんと意外性を持つという展開なら「別のドラゴン」がラスボスになるのも、伏線がなかったという欠点を除けば、なくはない気がした。
『だけど、ドラゴンがラスボスになっちゃうと、オレがマスターコードを入力済みという点が問題となるんだよね』
ドラゴンとはこの惑星に降り立った調査隊が、それぞれのメンバーに付けたステルス調査・護衛ドローンという扱いだ。もしもラスボスにドラゴンを当ててしまうと、マスターコードを入れたマルスの命令が優先されてしまう。
主人公との最終決戦が「わかった。お前はドラゴンだな。オレの命令を聞け」「わかりました」という、はなはだ面白くない結末となるわけだ。
仮に長い間にマスターの命令を聞かないほどオカシクなった「はぐれドラゴン」を設定したとしても、他の11頭を連れてくるだけで、話は終わりになる。
1頭を正義の名の下に集団で袋だたきにするドラゴンの集団というのは、物語上の絵面がすごく良くないだろう。
しかも、最終決戦の場がダンジョン最深部だと「ラスボスになったドラゴンはどこから入ったの?」的な問題も出てくる。
『だから「ラスボスがドラゴン」ってことだけはないと思ったんだよね』
そうなると、ラスボスは限られてくる。
原作に登場して、ガイウスをも操れる力を持っていて、こっちの現実世界の中でも隠然たる力の持ち主であること。そして単にオレを殺すことが目的ではなくて、最終的に「帝国の弱体化が利益につながる人」でないといけない。
ここでポイントなのはラスボスの狙いが帝国の弱体化であることだ。国としての滅亡を狙うなら、もっとやり方はある。
帝国の滅亡を狙うなら、むしろ「マルスを避けて国を滅ぼす」方が手っ取り早いんだよね。
どんな戦争でも「敵の主戦力を非戦力化する」のが勝つための常道だ。
アランビュー神聖国は「帝国を滅ぼせ」が最終目的ではあるのと、今回で言えば「神を使役する冒涜者の抹殺」だ。
この意味で今回の「ダンジョンに呼び寄せて抹殺しようとする」というやり方は、矛盾しているとまでは言えないけど、ラスボスの望む結末とズレているだろう。
『だからアランビュー神聖国の教皇あたりがラスボスって話ではないって気はしてたよ』
消去法で言えば「もう、この人しかないな」となるのだろう。
マルスは、そこまで考えておいて、一歩踏み出してから社交場における儀礼上のお辞儀をして見せたのである。
「初めまして。キャバレー辺境伯、ダダ・イスム殿」
「お初にお目にかかります。傲岸不遜の狂乱貴公子殿」
双方とも恭しいお辞儀をしつつ「口撃」がかしましい。
正面から「辺境《いなかもの》」呼びをするマルスに負けず「狂乱」呼びだ。
お互いに不遜な笑みを漏らしつつ、少しも油断など見せなかった。
「物語の強制力」と言うものが存在すると仮定したら、というAI分析は「最低限の確定要素を変えること」でストーリーの修正が行われるだろうとなった。
「かなりの確率で、マルスとガイウスの立場を取り替えるだろう」
ここまでは、ある程度見通しが立ったことだ。
しかし、そうなると「ガイウスは果たしてラスボスなのか」ということが問題になる。
ハッキリ言えばガイウスでは弱すぎたのだ。
なにしろ、ラスボスの部屋に入ってくる前にいたというのが、まず違う。
しかも、ちょっと煽っただけでツマラナイ策略に引っかかってしまう軽率さは、絶対に「ラスボスの振るまい」ではない。
『じゃあ、誰がラスボスになれるんだ?』
という話になる。
『原作を書いた人間としては、オレの元作品にいないキャラが登場するのはありえないと思えるんだよなぁ』
うーんと意外性を持つという展開なら「別のドラゴン」がラスボスになるのも、伏線がなかったという欠点を除けば、なくはない気がした。
『だけど、ドラゴンがラスボスになっちゃうと、オレがマスターコードを入力済みという点が問題となるんだよね』
ドラゴンとはこの惑星に降り立った調査隊が、それぞれのメンバーに付けたステルス調査・護衛ドローンという扱いだ。もしもラスボスにドラゴンを当ててしまうと、マスターコードを入れたマルスの命令が優先されてしまう。
主人公との最終決戦が「わかった。お前はドラゴンだな。オレの命令を聞け」「わかりました」という、はなはだ面白くない結末となるわけだ。
仮に長い間にマスターの命令を聞かないほどオカシクなった「はぐれドラゴン」を設定したとしても、他の11頭を連れてくるだけで、話は終わりになる。
1頭を正義の名の下に集団で袋だたきにするドラゴンの集団というのは、物語上の絵面がすごく良くないだろう。
しかも、最終決戦の場がダンジョン最深部だと「ラスボスになったドラゴンはどこから入ったの?」的な問題も出てくる。
『だから「ラスボスがドラゴン」ってことだけはないと思ったんだよね』
そうなると、ラスボスは限られてくる。
原作に登場して、ガイウスをも操れる力を持っていて、こっちの現実世界の中でも隠然たる力の持ち主であること。そして単にオレを殺すことが目的ではなくて、最終的に「帝国の弱体化が利益につながる人」でないといけない。
ここでポイントなのはラスボスの狙いが帝国の弱体化であることだ。国としての滅亡を狙うなら、もっとやり方はある。
帝国の滅亡を狙うなら、むしろ「マルスを避けて国を滅ぼす」方が手っ取り早いんだよね。
どんな戦争でも「敵の主戦力を非戦力化する」のが勝つための常道だ。
アランビュー神聖国は「帝国を滅ぼせ」が最終目的ではあるのと、今回で言えば「神を使役する冒涜者の抹殺」だ。
この意味で今回の「ダンジョンに呼び寄せて抹殺しようとする」というやり方は、矛盾しているとまでは言えないけど、ラスボスの望む結末とズレているだろう。
『だからアランビュー神聖国の教皇あたりがラスボスって話ではないって気はしてたよ』
消去法で言えば「もう、この人しかないな」となるのだろう。
マルスは、そこまで考えておいて、一歩踏み出してから社交場における儀礼上のお辞儀をして見せたのである。
「初めまして。キャバレー辺境伯、ダダ・イスム殿」
「お初にお目にかかります。傲岸不遜の狂乱貴公子殿」
双方とも恭しいお辞儀をしつつ「口撃」がかしましい。
正面から「辺境《いなかもの》」呼びをするマルスに負けず「狂乱」呼びだ。
お互いに不遜な笑みを漏らしつつ、少しも油断など見せなかった。
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