[12時を過ぎても魔法解けない?!]-その後一夜を共にしてしまったて-

はひ〜

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第1章

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第1章

僕はアンシェンプティ・シエラ元貴族で今は平民だ。実父は早くに亡くなり、母は2年前に他界。今は義父と義兄にいじめられる毎日だ。

おい、そこの汚いの!?

は、はい?!

俺のスーツはもう仕立てが済んだのか?

い、いえ義兄様。まだ職人が作っている途中でございます。
(彼は僕の義兄のカイ義兄様だ。1ヶ月前に届いた国民に全員参加の舞踏会に向けてスーツを仕立てたりダンスの練習に勤しんでいる。カイ義兄様の隣にいるのがリズ義兄様。彼も同じで舞踏会への準備を行なっている。)

リズ おい、このスカーフいらないから捨てといて。

は、はい。リズ様。

カイ あ、俺のベルトも古臭いからこれも捨てといて。

はい、かしこまりました。
(こんな調子で和気藹々とは暮らせてはいない。義父だってそうだ。僕のことを召使のように扱ってくる。そりゃいくら血が繋がっていなかったとしても、母さんがいた時はもっと家族っぽかったのになぁ。)

リズ そういえばお前も舞踏会参加すんの?

あ、えと。はい。国民全員が参加義務がございますので、。

カイ 笑える。お前スーツの一着も持ってないだろ。まさかそんな姿で舞踏会に行くつもりか?

ははは、。
(死んだ母さんが残してくれたスーツの型紙と生地があるのだ。それを動物さんたちと協力して絶賛製作中!今日も洗濯物とゴミ捨てが終わったら残りの襟の部分を作業するつもり!)

義父 おい、シエラ。これも捨てておきなさい。

は、はい。………義父様。


洗濯物とゴミ捨てが終わった時ふと思った。義父や義兄が捨ててといった物たちってまだ全然使える。それにうまく再利用すれば自分のスーツの色に合わせることだって可能だと。そうして一度捨てようとしたベルトやスカーフ、そして義父から最後に預かったハンカチを使って衣装を完成させることに決めた。


やぁ、みんな遅くなってごめんね。いい物が手に入ったよ!

ネズミ あ!シエラ!おかえり!

鳥 わぁ!何が手に入ったの??

はいこれ!ベルト、スカーフにハンカチだよ!これ使えそうだよね!

ネズミ わぁ、これは使えそうだな!さすがシエラ。

鳥 このハンカチなんて色を染めたら胸ポケットにぴったり!

みんなありがとう!僕の夢のために!

ネズミ 当たり前だろ?シエラは昔から舞踏会に行ってみたかったんだもんな!

鳥 シエラが喜んでる姿を私達も見たいわぁ!

へへ、ありがとう。
(僕にはこの子達しか僕の名前を正確に呼んでくれる人がいない。この子達の声が聞こえるのも実は精神的に弱っているからなのかと思ってしまう時がある、だけど僕に優しく語りかけてくれるのはこの子達の存在しかいないのだ。)

~舞踏会当日~

リズ カイ兄さん綺麗だね。

カイ リズこそなかなか体を仕上げたみたいだな。

リズ 当たり前だよ。カイ兄さんには負けたくないからね。それにしても父さんはすごい筋肉だなぁ。色気がムンムンだよ。

義父 当たり前だろ?お前たちの母上をもう一度ゲットするためさ。見てなさい。今回みたいな貧弱オメガではない者を探すさ、。

っつ…。
(そう、実はこの世界には男女とは別にアルファ、ベータ、オメガと第二性別が存在する。僕の母はオメガで僕もオメガ。オメガは男女構わずどちらも子供が産める。アルファはそのオメガと番関係を結ぶことができ、非常に優秀な人材が多い。そして最後にベータは人口が多く、優しい人柄の人間が多い。僕の母は昔から体が病弱で、この義父と結婚してからすぐに死んでしまった。そんな母のことを悪くいうこの義父が許せない。でも、義父はアルファだから独特の威圧感があり、抵抗できない。)

義父 お前たちもなかなかの男前だな。これで貴族の奴を捕まえるんだ。

義兄 はい、おとうさま。

(まずい!僕まだ着替えていない?!僕は急いで自分の屋根裏部屋に行き、昨晩出来上がったばかりのスーツに着替えた。)

義父 さ、お前たちそろそろ行きますよ。

お待ちになってください!

リズ お、お前それ。

僕スーツは持ってなかったので型紙から自分で作ってみたんです!
…いかがですか?

カイ は?お前のつけてるそれって俺たちが捨ててっていったやつじゃん?

あ、はい。もういらない物でしたら再利用させていただこうと思いまして。

リズ は?許してないんだけど、ばかなの?

義父 お前、そのハンカチも私の物じゃないか!?

は、はい。

義父 この盗人め!?気持ちの悪い!お前は舞踏会には連れて行かん!まぁ、元から連れていくつもりはなかったがな!

お、義父さま!お願いします。舞踏会は子供の頃からの夢だったのです!一生のお願いです!

義父 お前たちやってやりな!

義兄 はい!

ビリビリっビリビリ

いや!やめてください!

リズ これで舞踏会に行けるだなんて1ミリも考えられなくなっただろう。

カイ お前が悪いんだからな。

義父 さ、お前たち。行きますよ。

義兄 はい!

ガチャンっ。(勢いよく閉まるその扉はまるで突き放されたような、僕が邪魔だと言われているような気がしてその場へ座り込んでしまった。)
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