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エピローグ 4
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試験は終わり、優一、小百合ともに足切りラインを余裕で上回った。
流石の優一も、一校だけの受験で終わらせることはできない。いくつかの難関校の2次試験を受験した。
優一は、どの試験会場でも、今の自分がこの大学に相応しいかどうかを確認するためのものだと考えていた。
だから、絶対に合格しなくては、という変なプレッシャーは全く無く、平常心で臨んだ。
しかし、小百合は違った。優一から口が酸っぱくなる程言い聞かせられたが、どうしても優一と同じ大学に行きたいという願いがあった。
平常心では臨めなかったが、同じく耳が痛くなるほど、優一から受験のテクニックも教わった。それは、きちんと守れた。
そして、帝都大の合格発表の日
2人は優一の部屋でパソコンを開いた。
「いくよ」と優一は言って、まずは小百合でサイトにアクセスした。
そこには、『合格』の2文字があった。
「やった!」2人は歓声を上げて、抱きあった。
「2人で通えるね」と小百合は嬉しそうに言った。
「いや、もしかしたら・・・」
「縁起でもないこと言わないの」
「もう結果は出てるし」
「いいから、早くしなさい」
「見たくないような・・・」
「もう!」と小百合が座って、サイトに優一でアクセスした。
『只今、大変アクセスが集中しています。しばらく・・・』
「何だよ!」と優一が叫んだ。
すると、優一のスマホが鳴った。
詩織からのラインだった。
『2人共、合格おめでとう』とだけ書かれていた。
「どうしたの?」と小百合が言った。
「これ」呆然として、優一はスマホの画面を見せた。
「あっ!」と小百合は言って、優一に抱きついた。
「やった!」
「先生の方が先に・・・」
「どっちでもいいでしょ。もう一回確認しよ」と小百合はパソコンでアクセスした。
今度はタイミングがよかったらしく、『お待ち下さい』のメッセージが出た。
そして、当然『合格』と表示された。
「やったぁ!」優一は実感が湧いて喜んだ。
「私が大丈夫で、優一が落ちてるわけないでしょ」
「そんなの分かんないじゃん」
「本当に良かったわ。詩織さんに返事」
「あぁ、そうだね」
優一は、『ありがとうございます。先生のお陰です。小百合と2人で感謝しています』と返信した。
しばらく待ったが返信はなかった。
「他の生徒もいるから、大変なのよ」
「そうだね」
その後、パソコンから合格通知書を印刷した。
2人で、名前と合格の文字を確認し合った。
「やったぁ!」とまた抱き合った。
2人は、少し落ち着いてから自分の親に電話した。
そして、小百合は渚に電話した。ちなみに、2人のキャプテンは、同じ第一志望の有名私立大に合格していた。
「良かったね」と渚は嬉しそうに言った。
「ありがとう。4月から、みんなで大学生だね」
「うん。大学近いから、また遊ぼうね」
「うん。こっちも終わったから会おうよ」
「いいね。でも、金曜と土曜はダメなんだ」
「どうして?」
「・・・、旅行に行くんだ」と渚は小さい声で言った。
「えっ、旅行?もしかして?」
「うん、2人で」渚は相変わらず小さい声で言った。
「泊まりってこと?」
「うん、そう」
「良かったね」
「でも、ちょっと怖くて」
「私もそうだった。裸になって、イメージ違うとか言われたら、どうしようって思ってた。でも、そんなのお互い様なんだから、気にしてもしょうがないよ」
「そうなんだけど」
「渚なら大丈夫」
「うん、ありがと」
「明日か明後日会えない?」
「別にいいけど」
「先輩として、色々と教えてあげる」
「ホントに?明日でいい?」
「うん、1時頃行く」
「分かった」
電話を切った。
「明日、渚と会う」と優一に言った。
「うん。旅行とか言ってた?」
「島野くんと行くんだって」
「えっ!」
「いいじゃん。2人とも受験終わってるんだし」
「そうだけど、早くない?」
「半年以上も経ってるし、お互いにご褒美には丁度いいんじゃない?」
「まぁ、僕がとやかく言うもんでもないけど。まさか、あのキャプテンが・・・」
「人のことを言う前に、一年前の自分に言ってみたら?」と詩織はニヤリと微笑んだ。
「確かに・・・」と優一は感慨深げに言った。
今の状況を聞いたら、一年前の僕は卒倒するに違いない。
女性に、いや他人に全く興味がなくて、人と触れ合いたいなんて考えたことも一度もなかったし、周りに人がいても、ずっと孤独を感じていた。
そんな僕が、今は小百合と一緒に暮らし、その肌に触れたくて仕方なくなっている。
それだけではない。これまで僕は自分で決断して生きてきた。どんな人間になり、どんな生活をするのかも。こんなにも他人に変えられたのは、産まれて初めてだ。
あの日、たまたま見つけた一人の酔っ払いを部屋に連れてきただけなのに。
「フフフッ。小百合、僕もご褒美欲しいな」
「えっ?もぉ、しょうがないわね」
2人は手を繋いでベッドに向かった。
~終わり~
【後書き】
最後までお読みいただいた方、心より感謝申し上げます。
多くの人から好きになられる優一とフレッド。
元々仲が良い相手から好きだと言われたなら、相手のことを知っているから付き合うかどうかは判断できるが、全く知らない相手だったら困惑するしかない。それが何十回も続けば、相手のことなんて全く見ずに断るということにもなり、告白なんて意味のないことをしてくることに内心嫌気がさしてくる。
優一もフレッドもそれが分かっているのに、詩織のことを好きになり、今までと逆の立場である告白する側に初めてなった。
しかし、他の女の子なら一つ返事で喜ぶはずなのに、肝心の詩織は自己評価が低く、自分の何処がいいのか分からず困惑するだけで、自分達に全く興味を示さない。
(密かに詩織は師範に何とも思われていなかった、という心の傷があったのかもしれない)
どちらにしろ、優一とフレッドは自覚のないままこれまでしていたことを、される側になってしまった。
しかし、優一にしろ、フレッドにしろ、産まれて初めて好きになった相手で、今後、こんな相手が現れるとはどうしても思えない。だから、強引なことをやり始める。小百合を含めた3人が奮闘する中、詩織が師範以来の好きという感情を理解して、4人は幸せへの第一歩を踏み出した。
モテるからと言って必ずしも幸せな人ばかりではないのではないか?ということを思って物語を書いてみました。
本当に好きな人には、けっこう苦労したりするのではないか?と。
流石の優一も、一校だけの受験で終わらせることはできない。いくつかの難関校の2次試験を受験した。
優一は、どの試験会場でも、今の自分がこの大学に相応しいかどうかを確認するためのものだと考えていた。
だから、絶対に合格しなくては、という変なプレッシャーは全く無く、平常心で臨んだ。
しかし、小百合は違った。優一から口が酸っぱくなる程言い聞かせられたが、どうしても優一と同じ大学に行きたいという願いがあった。
平常心では臨めなかったが、同じく耳が痛くなるほど、優一から受験のテクニックも教わった。それは、きちんと守れた。
そして、帝都大の合格発表の日
2人は優一の部屋でパソコンを開いた。
「いくよ」と優一は言って、まずは小百合でサイトにアクセスした。
そこには、『合格』の2文字があった。
「やった!」2人は歓声を上げて、抱きあった。
「2人で通えるね」と小百合は嬉しそうに言った。
「いや、もしかしたら・・・」
「縁起でもないこと言わないの」
「もう結果は出てるし」
「いいから、早くしなさい」
「見たくないような・・・」
「もう!」と小百合が座って、サイトに優一でアクセスした。
『只今、大変アクセスが集中しています。しばらく・・・』
「何だよ!」と優一が叫んだ。
すると、優一のスマホが鳴った。
詩織からのラインだった。
『2人共、合格おめでとう』とだけ書かれていた。
「どうしたの?」と小百合が言った。
「これ」呆然として、優一はスマホの画面を見せた。
「あっ!」と小百合は言って、優一に抱きついた。
「やった!」
「先生の方が先に・・・」
「どっちでもいいでしょ。もう一回確認しよ」と小百合はパソコンでアクセスした。
今度はタイミングがよかったらしく、『お待ち下さい』のメッセージが出た。
そして、当然『合格』と表示された。
「やったぁ!」優一は実感が湧いて喜んだ。
「私が大丈夫で、優一が落ちてるわけないでしょ」
「そんなの分かんないじゃん」
「本当に良かったわ。詩織さんに返事」
「あぁ、そうだね」
優一は、『ありがとうございます。先生のお陰です。小百合と2人で感謝しています』と返信した。
しばらく待ったが返信はなかった。
「他の生徒もいるから、大変なのよ」
「そうだね」
その後、パソコンから合格通知書を印刷した。
2人で、名前と合格の文字を確認し合った。
「やったぁ!」とまた抱き合った。
2人は、少し落ち着いてから自分の親に電話した。
そして、小百合は渚に電話した。ちなみに、2人のキャプテンは、同じ第一志望の有名私立大に合格していた。
「良かったね」と渚は嬉しそうに言った。
「ありがとう。4月から、みんなで大学生だね」
「うん。大学近いから、また遊ぼうね」
「うん。こっちも終わったから会おうよ」
「いいね。でも、金曜と土曜はダメなんだ」
「どうして?」
「・・・、旅行に行くんだ」と渚は小さい声で言った。
「えっ、旅行?もしかして?」
「うん、2人で」渚は相変わらず小さい声で言った。
「泊まりってこと?」
「うん、そう」
「良かったね」
「でも、ちょっと怖くて」
「私もそうだった。裸になって、イメージ違うとか言われたら、どうしようって思ってた。でも、そんなのお互い様なんだから、気にしてもしょうがないよ」
「そうなんだけど」
「渚なら大丈夫」
「うん、ありがと」
「明日か明後日会えない?」
「別にいいけど」
「先輩として、色々と教えてあげる」
「ホントに?明日でいい?」
「うん、1時頃行く」
「分かった」
電話を切った。
「明日、渚と会う」と優一に言った。
「うん。旅行とか言ってた?」
「島野くんと行くんだって」
「えっ!」
「いいじゃん。2人とも受験終わってるんだし」
「そうだけど、早くない?」
「半年以上も経ってるし、お互いにご褒美には丁度いいんじゃない?」
「まぁ、僕がとやかく言うもんでもないけど。まさか、あのキャプテンが・・・」
「人のことを言う前に、一年前の自分に言ってみたら?」と詩織はニヤリと微笑んだ。
「確かに・・・」と優一は感慨深げに言った。
今の状況を聞いたら、一年前の僕は卒倒するに違いない。
女性に、いや他人に全く興味がなくて、人と触れ合いたいなんて考えたことも一度もなかったし、周りに人がいても、ずっと孤独を感じていた。
そんな僕が、今は小百合と一緒に暮らし、その肌に触れたくて仕方なくなっている。
それだけではない。これまで僕は自分で決断して生きてきた。どんな人間になり、どんな生活をするのかも。こんなにも他人に変えられたのは、産まれて初めてだ。
あの日、たまたま見つけた一人の酔っ払いを部屋に連れてきただけなのに。
「フフフッ。小百合、僕もご褒美欲しいな」
「えっ?もぉ、しょうがないわね」
2人は手を繋いでベッドに向かった。
~終わり~
【後書き】
最後までお読みいただいた方、心より感謝申し上げます。
多くの人から好きになられる優一とフレッド。
元々仲が良い相手から好きだと言われたなら、相手のことを知っているから付き合うかどうかは判断できるが、全く知らない相手だったら困惑するしかない。それが何十回も続けば、相手のことなんて全く見ずに断るということにもなり、告白なんて意味のないことをしてくることに内心嫌気がさしてくる。
優一もフレッドもそれが分かっているのに、詩織のことを好きになり、今までと逆の立場である告白する側に初めてなった。
しかし、他の女の子なら一つ返事で喜ぶはずなのに、肝心の詩織は自己評価が低く、自分の何処がいいのか分からず困惑するだけで、自分達に全く興味を示さない。
(密かに詩織は師範に何とも思われていなかった、という心の傷があったのかもしれない)
どちらにしろ、優一とフレッドは自覚のないままこれまでしていたことを、される側になってしまった。
しかし、優一にしろ、フレッドにしろ、産まれて初めて好きになった相手で、今後、こんな相手が現れるとはどうしても思えない。だから、強引なことをやり始める。小百合を含めた3人が奮闘する中、詩織が師範以来の好きという感情を理解して、4人は幸せへの第一歩を踏み出した。
モテるからと言って必ずしも幸せな人ばかりではないのではないか?ということを思って物語を書いてみました。
本当に好きな人には、けっこう苦労したりするのではないか?と。
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