旦那様は、パーフェクト高校生

ぱるゆう

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変装 2

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干し終わって出て行くと、まだ優一は洗面室にいるようだ。

カゴを乾燥室の前に置いた。

「あっ!化粧ポーチ」置きっぱなしにしてしまったが、自分の時は入るなと言っておきながら、入るのは気が引ける。リビングに入ると、食器類が洗ってあった。

「あっ、なんか嬉しい」もし優一と結婚したら、家事は協力してできそうだ。

テーブルの椅子に座った。
イケメンで背が高く、成績も学年でトップだ。生徒会長だから、どこの部活にも入っていないが、時々運動部の助っ人をしていると聞いている。運動神経もいいはずだ。そして、何より家柄が申し分ない。

性格は、優しくて温厚、あんまり自分を出さないタイプ、生徒会とかの役割を与えられると一生懸命やる。でも、どちらかと言うと、みんなの意見をまとめるタイプで、自分について来い!というタイプではない、と思っていた。昨日までは。

今朝、目覚めてからのことを振り返ると、自分の思い通りに、相手を動かす部分がある。けっこう強引に。

「こんなに欲しいものなんて、今までなかった」優一の言葉を思い出した。

今まで、自分の意見をあまり言わなかったのは、それほど何かをしたい、何かが欲しいと思ったことがなかったから、なのかもしれない。

それと、何でもできてしまう、周りから悪く思われることが余りない。そんな生活に、刺激を感じなくなっていたのだろうか?

う~ん、普通の家に育ち、いたって人並である私には理解などできるわけがない。

でも、やっぱり、1年後、3年後、10年後、自分が隣にいるなんて想像できない。

そこで
「お待たせ」とリビングのドアが開いた。

「えっ!どうしたの?」詩織は驚いた。優一の頭も金髪になっていた。

「整髪料で金髪にしたんだ。染めたわけじゃないから、頭を洗えば元に戻る」

「それなら良かった。あなたのご両親にバレたら、どれだけ責められるか」

「そんなこと言わないよ」

「ちょっと待って。2人で、この頭で、この格好で外に行くの?」

「うん、絶対にバレないよ」

「それはそうかもしれないけど。頭の痛いカップルにしか見えないわよ。それに、私ノーブラで行くの?」

「上着を着るから大丈夫だよ」

「まさか、それもお揃いにするの?」

「うん。一度やってみたかったんだ。ペアルック」

「あぁ、そうなんだ」

「どうしますか?この部屋にいると、また襲っちゃいそうですけど」

「冗談に聞こえないから。出掛けるわ」

「はい。上着を取ってきます」またリビングを出て行った、

詩織は化粧ポーチを取りに行って、バッグに入れた。

優一がMA~1を持って戻って来たが、眉間にシワを寄せている。

「何?」

「先生、その黒いバッグ持っていくんですか?」

「もちろん、買い物するんだし」

「全然合ってないですよ」とバッグを詩織の手から取って、テーブルの椅子に置いた。

「じゃあ、財布だけ」とバッグに手を伸ばしたが、優一がバックを持ち上げた。

「先生は手ぶらでいいんです」

「買い物できないじゃないの」

「全部、僕が払います」

「どうして、そうなるのよ」

「一度やってみたかったんです。だから、全部払います」

「はぁ~、高峰くんって亭主関白なの?」

「そういうわけじゃないけど。家は、母さんの方が強いし」

「とにかく払ってもらう理由はないから」

「先生は僕の奥さんになるんだから、理由はある」とバッグを更に高く持ち上げた。

「はぁ~」詩織はため息をついた。

「それなら行かない。乾くまで待つ」

「えっ!行きたい!初めてのデートなのに!」

「そんなの、他の人と、いくらでも行けるでしょ」

「先生以外とは行かない!下着も隠す!」

「どうしたの?いつもの高峰くんに戻って」

「僕だって、こんなこと言う自分が信じられない。今まで、付き合うとか、デートとか面倒くさいだけだと思ってた。でも、先生と、こういう関係になって、初めてみんなの気持ちが分かった。先生と色んなことがしてみたい」
優一の目には涙が浮かんでいた。

「分かった、分かった。今回だけよ」

「やった!じゃあ、行きましょう」とまた優一が手を伸ばしてきた。

その手を掴んで、玄関に向かう。

あれ?今、変なこと言ったような気がする、と詩織は思った。
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