旦那様は、パーフェクト高校生

ぱるゆう

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助っ人(サッカー部) 5

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「えっ?」悟史は聞き間違いかと思った。

「点を取られてしまった。こっちも点を取らないとならない」

「どういうことだよ!」

すると、審判が近づいてきて、
「早く戻りなさい」と悟史に言った。

悟史は不満そうな顔をしながら、何も言わずに走っていった。

センターサークルから、ボールが蹴り出され、数回パスを回した後に、審判の長い笛が吹かれ、前半が終了した。



「あぁ~」と観客席からため息混じりの声が漏れた。

しかし、この相手にこの結果なら、大善戦である。すぐに、「気にするな!」、「後半も頑張れ!」等の声援が起こった。

詩織と小百合は、痛がる様子もなく普通に歩く優一の姿に、改めてホッとした。



そして、フィールドのベンチ前では、選手達が丸くなり、水分等を補給していた。
「みんな、ごめん。約束を守れなかった」と優一は心から申し訳ない気持ちを込めて言った。

「何言ってるんだ。あの状況を作った全員が悪い。優一が気にすることなんてない」キャプテンが言った。

「そうだ。この相手に1失点。十分に胸を張れる」誰かが言った。

「でも、どうする?得点取れそうな気配はないけど。後半、無失点でも負けちゃうよ」

「それでも十分な結果だけど、今の段階で負けを認めたことになる。それは嫌だな」

そこで優一は、
「僕も点を取らないと、ダメだと思う」と言った。

「分かった。優一頼むぞ」とキャプテンが言った。

「結局、優一頼みかよ」と誰かが言い、
「フフフッ」と小さい笑いが起こった。

「うん、今度こそ、約束を守るよ」優一は上だけ同じ背番号のユニフォームに着替えた。

そして、部の正式なゴールキーパーの所に行った。
「何点取られても気にするな。必ず取り返す。だから、最後まで諦めるな」

「分かってるよ。みんなのこと信じてる」

 


そして、優一はボランチのポジションについた。相手ボールからのスタートだ。

審判の笛が吹かれ、後半がスタートした。

相手は前半の得点で勢いづいていた。優一もボールのカットに行くが、パスを回されて、あっさりと抜かれた。

ゴールキーパーなら、相手は自分の方に向かって来てくれる。しかし、それ以外のポジションでは、相手はなるべく接触を避けてくる。

急いで優一はボールを追ったが、キーパーのポジションで見ていた通り、見事なパス回しだ。

これでは防戦一方になるのも頷けた。

優一は何とか追いついたが、ロングボールをゴール前に蹴られた。そこに走り込んだきた悟史が難なくゴールネットを揺らした。

「くそっ!全然嬉しくねぇ」と悟史は叫んだ。

「あぁ~」と観客席からため息が漏れた。

やっぱりこうなったか、と優一は思った。しかし、何点取られようが、やることは変わらない。取られた分だけ取り返すだけだ。

「後2点だ!」優一は叫んだ。

センターサークルにボールが置かれた。

やはり恐れた事態になって、みんな意気消沈しているな、ここはやるしかない。

改めて審判の笛が吹かれて、再スタートした。味方がパスを回しながら、少しずつ敵陣へと進んでいく。


(ベンチ前の回想シーン)
「これは一回しか通用しない」


(現在)
優一が飛び出し、味方のパスをカットして真っ直ぐに突き進んだ。


(ベンチ前の回想シーン)
「前半で、いつでもボールを奪えると、敵の選手達は思ってるはずだ」


(現在)
その通り相手選手達の出足が遅れた。

優一はペナルティエリアの少し外側で、
「見えた!」と呟き、右足を振り抜いた。

シュート0本、それが真正高校の前半だった。

ボールは、相手選手の間を抜けていく。しかし、その先には相手ゴールキーパーが待ち構えていた。

ゴールキーパーが取ろうと身構えた瞬間、ボールは左上に急速にコースを変えた。

キーパーは足を踏ん張ったため、反応が遅れたが、すぐに右手を伸ばした。

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