ゲームの中の女主人公に本気で恋したら 第二部

ぱるゆう

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しばしの別れ

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ゆっくり走ったが、1時間経たないくらいで止まった。かなりの田舎だ。

「ここが私の家」
古そうな一軒家だ。

マリアが鍵を開ける。
「どうぞ」

「お邪魔します」
中は女の子らしい綺麗な部屋だった。

2部屋あった。
もう一つの部屋には、大きなディスプレイが3つとハードディスクとキーボードも3つ置かれていた。

僕はじっと見てしまった。
「あっ、これ?私、株で生活してるよのよ。たまに未来が見えるの。そういう時に、がっと儲けるの」

「向こうの力の名残なんですね。でも、何でこんな所に住んでるんですか?」

「たまになんだけど、他人の未来が見えてしまうの。事故や病気で死んだりするのが分かっちゃうのよ。本人に言える?あなたは、1年後に車に轢かれて死にますって」

「言えないですね。家族でも悩むかも」

「そうでしょ。だから、人のいない所に住んでるのよ。それに、ここ魔素が多いから」

「大変ですね」

「まぁ、配送料かかるけど、アマゾンとか楽天とか何でも買えるし。そんなに困らないわよ」

「今日、僕のところには、どうやって来たんですか?」

「あぁ、グループの人に乗せてもらったの。近くに住んでるから」

「そうなんですね。あっ!僕に家を教えて大丈夫なんですか?」

「家はいくつかあるから、しばらくはここに住まないわ。今日、走ってきたから尾行も問題ないし。大丈夫よ」

スーツケース2つに荷物を詰め込んでいる。

「よし、一つは持って。さぁ、行くわよ」マリアさんはブレーカーを落とした。
 
車に荷物を運び込み、僕は助手席に座った。

「家、電話しなさい。心配するでしょ。説明できないと思うから、4日間帰れないけど、悪いことも心配するようなこともしない。信じて待ってて。学校にはインフルエンザになったと連絡しておいてと言って、電話を切る。電源を落とす。分かった?」

「はい、やってみます」

電話をする。
「貴之、こんなに遅くまで、どこにいるの?」

「母さん、ごめんなさい。4日間帰れない。だけど、悪いこともしないし、心配するようなこともしない。だから、信じて待ってて。お願い。学校にはインフルで休むと言っておいて」

「貴之、何言って」と聞こえて、電話を切り、電源を落とした。

「よしOKね。心配なら、明日、電話して、同じように電源落としなさい」

「はい、分かりました。けど、あと2人、電話したいんですけど」

「う~ん、少し待ちなさい。今、親がかけ直してると思うから」

「はい」

「あなたの服も買わないとならないわね。この時間で空いてるかな?」

「大丈夫です。あったらで」

「そう?スマホでって、ダメか。コンビニで下着くらい買えるでしょ」

「はい。どこに行くんですか?」

「山奥よ。人の手が入ってないところほど、魔素は多い。まずやることは、あなたの体に魔素を貯めることよ」

「どうやるんですか?」

「そこの空気を吸って、そこのものを食べること。食事は高校生には物足りないかもしれないわね」

「何処で泊まるんですか?」

「古い山小屋があるから、大丈夫。電気とガスはないけど、水道はあるから」

「わかりました」

「キャンプだと思って。あなたなら、魔素が貯まれば、簡単な魔法は使えると思うわ。
あなた、向こうの世界では、魔素に困らなかったでしょ」

「まぁ、そうですね」

「じゃなきゃ、亜空間なんて簡単に作れないわ」

「けっこう無駄使いしてましたね」

「私が一つの氷の塊を作るのに必要な魔素は5%くらい。さっきの家で過ごせば、半日くらいで貯まる。これから行くところだと、1時間もかからない」

「そんなに違うんですね」

「あなたが暮らしているところなら、何かの時に気づかないまま魔素は消費されるから、ほとんど貯まらないのよ」

「なるほど」

「走るだけなら、これから行く場所は、楽に何倍も走れるわよ」

「それは楽しみです」

「少し休んだら?」

「先に2人にメールします」

「うん、分かった。着信あったら、出て、大丈夫だから、と言って切るのよ。出ないのは心配するから」

「はい」

僕は、それぞれに僕しか知らないことを混ぜて、メールした。特に瑞希は登下校が大変になってしまう。そのへんは謝った。本当なら、足を治すために修行してきますと書きたいところだが、漫画じゃないのだ。できないかもしれないことを書けない。

僕は電源を落とした。

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