呪いで女体化した勇者の俺、腹黒王子にスローライフを奪われそうです!?

えな

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アリア・セルフィア

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◆ 魔王討伐戦

「……やった、か……?」

アレンが剣を下ろした瞬間、魔王の身体は黒い靄となって崩れ落ちた。
だが——。

「フ……甘いぞ、勇者。」

魔王の声だけが、虚空から響く。

「我が“怨念”は消えぬ。最後に——お前に呪いを授けよう。
これで“勇者としての未来”は潰える……!」

「アレン!!」
ユリウスが駆け寄る。

「ユリウス!下がれ!!」

次の瞬間、眩い光がアレンを呑み込み、その姿は跡形もなく消えた。



◆ 王城舞踏会

磨かれた大理石の床が、シャンデリアの灯りを反射して煌めいている。
その中心に立つ少女の名は——アリア・セルフィア。

「アリア様、今日も神々しい……!」
「まさか“女神の信徒”だなんて……本当に?」

アリアは微笑むだけで、周囲の令嬢たちの悲鳴が上がった。

やがて、執事の声が響く。

「アイシュリング・ウィリアム第一王子殿下、並びに——
アイシュリング・ユリウス第二王子殿下、ご入場!」

ざわめきが波のように広がる。

「ウィリアム様の金髪……宝石そのものね……!」
「ユリウス様の赤い瞳、本当にルビーみたい……」

そのとき——
ユリウスの視線が、ただ一人の少女へ吸い寄せられた。

アリアだ。

「ユリウス様、なぜご婚約者がいらっしゃらないのかしら?」
「……“ずっと想い続けている相手”がいるらしいわ」

令嬢たちの囁きが、甘い香りのように漂う。



◆ 突然の乱入

「ま、魔獣が出たぞ!! 王族方を護れ!!」

騎士の叫びとともに、巨大な影が舞踏会に雪崩れ込んだ。

場内が混乱し始めた刹那——

「……ごめん、ちょっと借りる!」

アリアは近くの騎士から剣を抜き取ると、
ドレスの裾を翻し、一息で魔獣へ駆けた。

ズバァン!!

魔獣が真っ二つになり倒れる。会場が静まり返る。

「ご令嬢なのに……あの太刀筋……?」
「信じられん……!」

そこへ、ユリウスが一歩進み出る。

「——皆、静粛に。」

空気が凍る。

ユリウスは、そっとアリアへ微笑んだ。

「やっぱり。
戦っている君が一番、綺麗だよ……アレン。」

「…………あれ?もうネタバラシ?やっと“令嬢ムーブ”板についてきたのになぁ!」

「ふっ……君らしい。」
ユリウスが吹き出した。

アリアは頬を膨らませる。

「ていうか、もう俺はアレンじゃなくて——
アリア・セルフィアなんだけど!?」



ユリウスはアリアの手を取り、
そっと手袋を外し、薬指へ指輪をはめた。

その瞬間——呪いが音を立てて揺らぐ。

アリア → アレンに逆戻り
(※ドレスがぱつぱつ、ビリッ)

「え!!??」

ユリウスは迷いなくマントを脱ぎ、アレンを包んだ。

「アレン。」

「……な、なに……?」

「俺と——結婚してくれ。」

会場が息を呑む。

「むっ……無理無理無理っ!!」

「お断りします!!!!!!!」

アレンの声が大広間に響き渡る。



アレン
「……女神様。俺のスローライフ、終わったかもしれません。(泣)」

天界から女神が肩をすくめる。

女神
「アレン。スローライフが消えるのではありません。
貴方が“誰と生きるか”が変わるだけですよ。」

アレン
「いやだから! その“誰と”が問題なんだよ!!?」
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