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確信は大晦日。
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今日で5日目か……。
っていうか、大晦日だし。
灘さんから電話がかかってこなくなって5日が過ぎようとしていた。
今日は大晦日、家族か友達、彼氏か彼女で過ごす今年最後の日だ。
俺はゲイであることをカミングアウトしたせいで、家を追い出された。
だから帰る家はない。
後悔はしてない。あのまま、ずっと隠してあの家にいたら気が狂っていたはずだ。
「カウントダウンパーティが確かあったよな」
俺は行きつけの店、ゲイ御用達の店から来たメールを探す。
メールは簡単に見つかり、午後6時から始まると書かれていた。
灘さんと会わなくなって5日。
夢にまで出てくるようになっていた。
認めたくないけど、俺は彼を気にしている。
「はあ……」
俺はごろんの部屋の電気カーペットの上に転がる。こたつがない俺の部屋では電気カーペットが大活躍だ。それは多分、この土地がそこまで寒くないからだと思う。
実家、子供のころは冬には絶対雪が降っていたし、雪かきに駆り出されていた。こたつは必需品で、こたつの中でよく寝たものだった。
「やる気ねー」
朝遅く起きてから昨日買ってきていた菓子パンを食べた。それから、何事をすることもなく、ごろごろ。
ちらり、ちらりと見るのは携帯電話。
あのクリスマスの一件があるまでは、3日に一度は連絡があった。あの人はさびしがり屋だから。
元気?とか、そんなしょっちゅう連絡してる奴には聞かないようなことが書かれていたメール。
懐かしいな……。
プルルル
不意になる着信音。テーブルの上で小刻みに揺れる携帯。
俺は体を起こすと、妙な期待を持ちながら掴んだ。
「灘さんっ」
液晶画面に表示される彼の名前。
「もしもし?」
俺は胸の鼓動に静まれと言いながら、平穏を装う。
しかし向こうからの反応はなかった。
「灘さん?もしもし?押し間違いかな?」
大晦日だ。あの人のことだ。
みんなと騒ぎながら間違って俺に電話をかけてきたかもしれない。
でも何か、一言でもいってくれたらいいのに。
俺はがっかりしながら、携帯電話の切ろうとした。
「忠史!」
しかし、そう呼ばれ、慌てて俺は携帯を再び耳元に寄せる。
「お前、今日暇?」
それは唐突な問いだった。
今日、大晦日。
暇だけど。この人はなんで?
「……暇と言えば暇ですけど」
俺は戸惑いながらも答える。
「じゃあ初日の出見に行こうぜ」
初日の出?
二人っきり?
なんで?
疑問が次々と浮かぶ。
しかし久々に彼に会えるのが嬉しくて俺ははいと返事をした。
俺の返事を聞くと灘さんは1時間後に行くからと電話を切った。
1時間――。
まあ一晩泊まるくらいだから対して準備はいらないけど、この人は本当に自己中だと思う。実田先輩も振り回されていたんだろうと思いつつ、俺は灘さんに振り回されることに嫌な気持ちはしなかった。
前から、そうだった。嫌な気持ちはしない。
子供みたいな無邪気なんだよな。あの人。
一緒にいると面白い。
スポーツバックにとりあえず必要ないと思われるけど、タオルや着替えを入れていく。ふとコンドームの箱が目に入り、手を止める。
いやいや、俺何考えてるんだ。
俺は一瞬でもそんなことを考えた自分が嫌になりながら、クローゼットを開け、着ていくジャケットを選ぶ。
しかし、視線はジャケットを追っているけど、頭では別のことを考えていた。
灘さん、あの灘さんだ。
ありえない。
膝枕だけで、部屋に引きこもったくらいだ。ありえない。
っていうか、俺は彼とそうなりたいのか?
嘘だろう?
行き着いた結論に俺は茫然となる。
しかし、携帯電話がけたたましくなり、我に返った。
電話してきたのでは灘さんで、もうアパートの下に着いたらしい。
俺は大きく息を吐くと、無造作にダウンジャケットを選び羽織う。そしてバッグを掴むとアパートを出た。
灘さんの車はセダンで、銀色の車体でどこにでもありそうな特長のない車だ。だから外で待ち合わせると見つけるのが大変だったりする。今日は電話ももらったし、灘さんが外に出てたので、すぐに見つけることができた。
「こんにちは」
俺が挨拶すると、ああとぼんやりした顔で答えられた。
大丈夫かなと心配しながら助手席に座ると、運転席に戻った灘さんが急にぱっと顔を輝かせた。
よくわからないな?
「灘さん?何か楽しいことあったんですか?」
「何でもない。さあ出発しようぜ」
俺の問いに笑って答えると、彼は車を出す。
運転席の彼は上機嫌で、楽しそうに前を見ていた。
ま、いいか。
灘さんの行動は予想外なことが多いし。
俺は不可解な彼の行動を気にするのをやめ、同じように前を向いた。
っていうか、大晦日だし。
灘さんから電話がかかってこなくなって5日が過ぎようとしていた。
今日は大晦日、家族か友達、彼氏か彼女で過ごす今年最後の日だ。
俺はゲイであることをカミングアウトしたせいで、家を追い出された。
だから帰る家はない。
後悔はしてない。あのまま、ずっと隠してあの家にいたら気が狂っていたはずだ。
「カウントダウンパーティが確かあったよな」
俺は行きつけの店、ゲイ御用達の店から来たメールを探す。
メールは簡単に見つかり、午後6時から始まると書かれていた。
灘さんと会わなくなって5日。
夢にまで出てくるようになっていた。
認めたくないけど、俺は彼を気にしている。
「はあ……」
俺はごろんの部屋の電気カーペットの上に転がる。こたつがない俺の部屋では電気カーペットが大活躍だ。それは多分、この土地がそこまで寒くないからだと思う。
実家、子供のころは冬には絶対雪が降っていたし、雪かきに駆り出されていた。こたつは必需品で、こたつの中でよく寝たものだった。
「やる気ねー」
朝遅く起きてから昨日買ってきていた菓子パンを食べた。それから、何事をすることもなく、ごろごろ。
ちらり、ちらりと見るのは携帯電話。
あのクリスマスの一件があるまでは、3日に一度は連絡があった。あの人はさびしがり屋だから。
元気?とか、そんなしょっちゅう連絡してる奴には聞かないようなことが書かれていたメール。
懐かしいな……。
プルルル
不意になる着信音。テーブルの上で小刻みに揺れる携帯。
俺は体を起こすと、妙な期待を持ちながら掴んだ。
「灘さんっ」
液晶画面に表示される彼の名前。
「もしもし?」
俺は胸の鼓動に静まれと言いながら、平穏を装う。
しかし向こうからの反応はなかった。
「灘さん?もしもし?押し間違いかな?」
大晦日だ。あの人のことだ。
みんなと騒ぎながら間違って俺に電話をかけてきたかもしれない。
でも何か、一言でもいってくれたらいいのに。
俺はがっかりしながら、携帯電話の切ろうとした。
「忠史!」
しかし、そう呼ばれ、慌てて俺は携帯を再び耳元に寄せる。
「お前、今日暇?」
それは唐突な問いだった。
今日、大晦日。
暇だけど。この人はなんで?
「……暇と言えば暇ですけど」
俺は戸惑いながらも答える。
「じゃあ初日の出見に行こうぜ」
初日の出?
二人っきり?
なんで?
疑問が次々と浮かぶ。
しかし久々に彼に会えるのが嬉しくて俺ははいと返事をした。
俺の返事を聞くと灘さんは1時間後に行くからと電話を切った。
1時間――。
まあ一晩泊まるくらいだから対して準備はいらないけど、この人は本当に自己中だと思う。実田先輩も振り回されていたんだろうと思いつつ、俺は灘さんに振り回されることに嫌な気持ちはしなかった。
前から、そうだった。嫌な気持ちはしない。
子供みたいな無邪気なんだよな。あの人。
一緒にいると面白い。
スポーツバックにとりあえず必要ないと思われるけど、タオルや着替えを入れていく。ふとコンドームの箱が目に入り、手を止める。
いやいや、俺何考えてるんだ。
俺は一瞬でもそんなことを考えた自分が嫌になりながら、クローゼットを開け、着ていくジャケットを選ぶ。
しかし、視線はジャケットを追っているけど、頭では別のことを考えていた。
灘さん、あの灘さんだ。
ありえない。
膝枕だけで、部屋に引きこもったくらいだ。ありえない。
っていうか、俺は彼とそうなりたいのか?
嘘だろう?
行き着いた結論に俺は茫然となる。
しかし、携帯電話がけたたましくなり、我に返った。
電話してきたのでは灘さんで、もうアパートの下に着いたらしい。
俺は大きく息を吐くと、無造作にダウンジャケットを選び羽織う。そしてバッグを掴むとアパートを出た。
灘さんの車はセダンで、銀色の車体でどこにでもありそうな特長のない車だ。だから外で待ち合わせると見つけるのが大変だったりする。今日は電話ももらったし、灘さんが外に出てたので、すぐに見つけることができた。
「こんにちは」
俺が挨拶すると、ああとぼんやりした顔で答えられた。
大丈夫かなと心配しながら助手席に座ると、運転席に戻った灘さんが急にぱっと顔を輝かせた。
よくわからないな?
「灘さん?何か楽しいことあったんですか?」
「何でもない。さあ出発しようぜ」
俺の問いに笑って答えると、彼は車を出す。
運転席の彼は上機嫌で、楽しそうに前を見ていた。
ま、いいか。
灘さんの行動は予想外なことが多いし。
俺は不可解な彼の行動を気にするのをやめ、同じように前を向いた。
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