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第十一天 我可爱的人ー私の可愛い人(秀雄視点)
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いつから彼をこんなに好きになっていたかわからない。
ただ彼のことが欲しかった。
彼の側で、彼と一緒に時を刻みたかった。
やっと彼が私の想いに答えてくれて、嬉しかった。
何度も抱かれ、私は気が狂いそうなくらい幸せだった。
でもそれは私のとっての幸せで、彼にとってはどうなのだろうか。
彼はまだ24歳、これからの人生だ。
私のために、彼の人生を変えてしまっていいのだろうか。
私は日本で暮らせない。
私は自分の国が大好きだ。
日本という国は、綺麗でとても安全だ。
でも……私は中国を愛している。
だから、私は彼が中国に来てくれることを望んだ。
でも……彼にとってそれは幸せなことなのだろうか。
中国語も話せない。
とても素直な彼で、穢れを知らない彼。
そんな彼を私の国に連れて行ってもいいのだろうか?
………きっとそれは彼にとって幸せなことではない。
今の彼が好きなら、彼を愛するなら、私はあきらめるべきだろう。
彼は日本で優しい日本人女性と幸せになるべきだ。
……あきらめたほうがいい。
彼を好きなら、愛するなら。
***
彼と同居し始めて、日本に来て11日目の朝。
彼は私の隣で、すやすやと静かな寝息を立てている。
24歳と聞いているが、その顔はまだ10代に見えるほど幼い。
とても可愛い、私の愛する人。
べたついた体、彼の匂いのする体、このままずっと一日一緒に寝ていられたらと思うけど、仕事に行かなければならない。
私は彼を起こさぬよう、体を起こすとバスルームに向かう。
シャワーの蛇口をひねり、熱いお湯を浴びる。
彼の匂いが体から落ちるのは嫌だけど、仕事に行かなければならない。私は石鹸を取り、泡だててると体を洗う。彼に注ぎ込まれたものが体から抜けて行く。
それが、なんだか喪失感を伴う。
……馬鹿だな。
感傷的な自分に苦笑し、私は頭からお湯を浴びた。
バスルームを出て、着替えを済ませる。今日は何を作ろうかと頭を捻りながら、キッチンに立つ。
ふと居間の方を見ると、私の愛する人はまだ夢の中のようだ。
幸せそうな笑顔を浮かべ、すやすやと眠っている。
幸せなのか?
彼は私といて……。
恋なんて儚いものだ。
あんなに愛してくれた善樹(シュウシュン)も私の元を簡単に去ってしまった。
彼も同じじゃないのか?
きっとそのうち、私の元を去る。
中国に来てくれても所詮一緒だ。
彼は男より女の方が好きだ。
だから結局、私は捨てられてしまう。
それなら、もう、さっさとあきらめてしまったほうがいい。
今なら私もまだ……大丈夫なはずだ。
ただ彼のことが欲しかった。
彼の側で、彼と一緒に時を刻みたかった。
やっと彼が私の想いに答えてくれて、嬉しかった。
何度も抱かれ、私は気が狂いそうなくらい幸せだった。
でもそれは私のとっての幸せで、彼にとってはどうなのだろうか。
彼はまだ24歳、これからの人生だ。
私のために、彼の人生を変えてしまっていいのだろうか。
私は日本で暮らせない。
私は自分の国が大好きだ。
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でも……私は中国を愛している。
だから、私は彼が中国に来てくれることを望んだ。
でも……彼にとってそれは幸せなことなのだろうか。
中国語も話せない。
とても素直な彼で、穢れを知らない彼。
そんな彼を私の国に連れて行ってもいいのだろうか?
………きっとそれは彼にとって幸せなことではない。
今の彼が好きなら、彼を愛するなら、私はあきらめるべきだろう。
彼は日本で優しい日本人女性と幸せになるべきだ。
……あきらめたほうがいい。
彼を好きなら、愛するなら。
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彼と同居し始めて、日本に来て11日目の朝。
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とても可愛い、私の愛する人。
べたついた体、彼の匂いのする体、このままずっと一日一緒に寝ていられたらと思うけど、仕事に行かなければならない。
私は彼を起こさぬよう、体を起こすとバスルームに向かう。
シャワーの蛇口をひねり、熱いお湯を浴びる。
彼の匂いが体から落ちるのは嫌だけど、仕事に行かなければならない。私は石鹸を取り、泡だててると体を洗う。彼に注ぎ込まれたものが体から抜けて行く。
それが、なんだか喪失感を伴う。
……馬鹿だな。
感傷的な自分に苦笑し、私は頭からお湯を浴びた。
バスルームを出て、着替えを済ませる。今日は何を作ろうかと頭を捻りながら、キッチンに立つ。
ふと居間の方を見ると、私の愛する人はまだ夢の中のようだ。
幸せそうな笑顔を浮かべ、すやすやと眠っている。
幸せなのか?
彼は私といて……。
恋なんて儚いものだ。
あんなに愛してくれた善樹(シュウシュン)も私の元を簡単に去ってしまった。
彼も同じじゃないのか?
きっとそのうち、私の元を去る。
中国に来てくれても所詮一緒だ。
彼は男より女の方が好きだ。
だから結局、私は捨てられてしまう。
それなら、もう、さっさとあきらめてしまったほうがいい。
今なら私もまだ……大丈夫なはずだ。
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