23 / 43
第一章 王の生まれ変わり
23 王ロイ
しおりを挟む
「ユータ様!」
王宮の外門を視界に捉えたところで、馬車の速度が緩む。すると急に馬車が停まり、ユウタを守るように、タリダスとジニーが動いた。外に出ようとしたところで、覆面の男が車内に侵入する。
緊張が一気に高まり、タリダスとジニーは車内で動きやすいように、小剣を構えた。
「ユータ様、黙って俺についてきてもらえますか?」
入ってきた男は覆面を剥ぎ取る。
短く刈り上げた黒髪に、茶色の瞳。
ユウタはアルローの記憶から、その男が誰なのか推測した。
「リカルド?」
思わず名を呼んでしまい、三人の男たちは驚いてユウタを見た。
「ロイの命令?」
続けざまにそう問いかけ、男リカルドが頭を垂れる。タリダスは眉を顰めたが、ジニーはリカルドを睨んだままだ。
「アルロー様。どうか、陛下をお救いください」
リカルドはユウタに懇願する。
「顔を上げてリカルド。ロイが私に会いたがっているなら、もちろん会う。それでいいよね。タリダス?ジニー?」
「……ユータ様がそれを望むのであれば、私は従うまでです」
タリダスはまるでアルローに対するように答えた。
ジニーに限ってはだまったままだ。
「ありがとう」
タリダスの態度は、ユウタを寂しくさせてが、今はそのことを問う時間ではないことはわかっていた。リカルドは人目を忍んでこの場に現れた。目立つのは得策ではない。
「リカルド。ロイのところへ案内して」
「かしこまりました」
首を垂れたまま、リカルドは答えた。
彼の案内で、タリダスがユウタを車外へ誘導する。その後をジニーが追う。
御者は気を失っているようで微動だにしない。
その傍には別の覆面の男が立っていた。
「チャーリー!」
思わずユウタはその御者の名を呼ぶ。
「ご安心ください。御者と馬車は責任をもって安全の場所へ運びます」
「本当だな?」
ユウタが答えるより先に、タリダスはリカルドを睨む。
「俺を信じろ。タリダス。ジニー先輩も」
タリダスは息を小さく吐き、ジニーはしかめっ面を隠さなかった。
☆
リカルドに案内されたのは、古ぼけた教会。廃墟と言っても構わないほどの荒れた場所だった。
ユウタは、その場所を知っていた。
いや、アルローの記憶から知ることができた。
それは王室へつながる隠し通路のある建物で、代々王だけが知っている道だった。アルローはもちろん知っていて、ロイにその道を教えたのもアルローだ。
彼の記憶通り、壁の壁画に触れるとゆっくりと隠された扉が現れた。
ユウタの行動を見て、リカルドは喜びに顔を輝かせる。
反面、タリダスの眉間には皺が寄る。ジニーは我関せずと眼光を光らせたまま、表情を変えなかった。
「どうしたの?タリダス?」
「なんでもございません」
「そう?それならいいけど」
「アルロー様、時間がありません。お急ぎください」
「はい」
リカルドに答えたのはユウタ一人。
タリダスは答えない。
「タリダス。大丈夫?」
「大丈夫です。すみません」
「あまり無理しないでね」
「無理なんてとんでもありません。ユータ様、足元に気をつけて」
「うん、ありがとう」
リカルドが前を歩き、その後をジニー。そしてユウタ。最後尾はタリダスと並び、狭い通路を歩いていく。
アルロー自身、この道は確認するために一度だけ通ったことがあった。なのでユウタにとっては記憶で見たことのある道だった。しかし、実際彼が通ったわけではないので、不安は沸き起こる。細い一通路で、光はほどんどない。不安をごまかくすように歩いているとそっと手を掴まれた。
「タリダス?」
「私がついています」
「ありがとう」
手から温もりが伝わり、ユウタの不安が安堵に変わる。
そうして、目的地に到着するまでタリダスはユウタの手を握り続けた。
「到着しました」
行き止まりまで来てリカルドがそう言うと、タリダスはユウタの手を離す。
リカルドが通路の上を何度が叩くと、急に明るい光が差し込んだ。
顔を見せたのは、現国王のロイだった。
「父上……」
今にでも泣きそうな顔でロイに見つめられ、ユウタの胸が痛む。
何かを言わなければと思っているとリカルドが声を発した。
「まずはお三方をお部屋に案内しましょう」
「そうだな」
リカルドにそう言われ、ロイは我に返る。
そうして、四人はロイの私室へ入った。
「父上、いや、ユータ。よく来てくれた」
ロイはハルグリアの現国王である。
しかしユウタは異世界の者。そして前王アルローの生まれ変わり。なので、王の目前の椅子に腰かけることをいさめるものはいなかった。
「陛下。このような形で僕たちを呼んだのはなぜですか」
ユウタはロイに静かに問いかける。
そこに恐れる態度はなく、タリダスはユウタの変わりようにさらに驚いた。まるでアルローのような振る舞い。タリダスはアルローの意識がが出てきたのかと、彼を凝視する。
するとその視線に気がついたユウタがタリダスへ目配せする。まるで大丈夫と問うような視線にはユウタらしさがある。それを見てタリダスは安心し、そんな自身に嫌気がさした。
「ユータ。私は、あなたにお話したいことがあります」
ロイは口火を切る。
その口調は明らかにアルローに話しかけているもので、ユウタは背筋を伸ばす。
「ユータ、いえ、父上。私は王にはふさわしくありません。どうか、私の代わりに王におなりください」
「何を言って!」
驚愕したのはユウタだけではない。
リカルドすら初耳だったらしく、表情が険しい。
タリダスは目を伏せ、ジニーは無表情を保っている。
「私は、己の出生を知っております。だから、私は王にふさわしくないのです」
「ロイ。あなたは……」
ユウタの顔が苦しげに歪む。対するロイは頭を抱えている。
「あなたには王としての素質があります。だからこそ、ハルグレアは平和で豊かだ」
「それは父上の教えを守っているからです」
「フロランの補佐も的確だろう?」
「はい。それはもちろん」
ロイはフロランの名を聞くと一瞬眉をひそめたが、すぐに彼を認めるような発言を返す。
「父上。私は私が許せません。本来ならばあんなに早く逝くことはなかった。あの時、私が知っていれば」
「ロイ。その話はもうしなくていいから」
ユウタはいつの間にかアルローとして話していた。それはアルローの意識が体を使ってるということではなく、ユウタ自身の言葉だった。
「私は王にはふさわしくありません。だから私は聖剣を抜くことができないのです」
「宰相閣下!今、陛下は来客中です。宰相閣下!」
急に扉の外から言い争う声が聞こえたきた。
そしてその騒ぎの元はすぐに部屋の中に入ってくる。
「陛下、私に内緒でアルロー様と会おうなんて、ひどいじゃないですか」
「フロラン」
ロイは苦々しい表情をして、彼を呼ぶ。
もっとロイと話をしたかったユウタだが、気持ちを切り替えた。そうでなければフロランに揶揄(からかわ)れるだけだった。
フロランの存在を意識したタリダスは、ユウタのそばにぴったりとつき、ジニーはいつでも剣が抜けるように構えている。
「そんなに警戒されるのはさすがに傷つきますよ」
フロランは一同を見渡した後、肩をすくめた。
王宮の外門を視界に捉えたところで、馬車の速度が緩む。すると急に馬車が停まり、ユウタを守るように、タリダスとジニーが動いた。外に出ようとしたところで、覆面の男が車内に侵入する。
緊張が一気に高まり、タリダスとジニーは車内で動きやすいように、小剣を構えた。
「ユータ様、黙って俺についてきてもらえますか?」
入ってきた男は覆面を剥ぎ取る。
短く刈り上げた黒髪に、茶色の瞳。
ユウタはアルローの記憶から、その男が誰なのか推測した。
「リカルド?」
思わず名を呼んでしまい、三人の男たちは驚いてユウタを見た。
「ロイの命令?」
続けざまにそう問いかけ、男リカルドが頭を垂れる。タリダスは眉を顰めたが、ジニーはリカルドを睨んだままだ。
「アルロー様。どうか、陛下をお救いください」
リカルドはユウタに懇願する。
「顔を上げてリカルド。ロイが私に会いたがっているなら、もちろん会う。それでいいよね。タリダス?ジニー?」
「……ユータ様がそれを望むのであれば、私は従うまでです」
タリダスはまるでアルローに対するように答えた。
ジニーに限ってはだまったままだ。
「ありがとう」
タリダスの態度は、ユウタを寂しくさせてが、今はそのことを問う時間ではないことはわかっていた。リカルドは人目を忍んでこの場に現れた。目立つのは得策ではない。
「リカルド。ロイのところへ案内して」
「かしこまりました」
首を垂れたまま、リカルドは答えた。
彼の案内で、タリダスがユウタを車外へ誘導する。その後をジニーが追う。
御者は気を失っているようで微動だにしない。
その傍には別の覆面の男が立っていた。
「チャーリー!」
思わずユウタはその御者の名を呼ぶ。
「ご安心ください。御者と馬車は責任をもって安全の場所へ運びます」
「本当だな?」
ユウタが答えるより先に、タリダスはリカルドを睨む。
「俺を信じろ。タリダス。ジニー先輩も」
タリダスは息を小さく吐き、ジニーはしかめっ面を隠さなかった。
☆
リカルドに案内されたのは、古ぼけた教会。廃墟と言っても構わないほどの荒れた場所だった。
ユウタは、その場所を知っていた。
いや、アルローの記憶から知ることができた。
それは王室へつながる隠し通路のある建物で、代々王だけが知っている道だった。アルローはもちろん知っていて、ロイにその道を教えたのもアルローだ。
彼の記憶通り、壁の壁画に触れるとゆっくりと隠された扉が現れた。
ユウタの行動を見て、リカルドは喜びに顔を輝かせる。
反面、タリダスの眉間には皺が寄る。ジニーは我関せずと眼光を光らせたまま、表情を変えなかった。
「どうしたの?タリダス?」
「なんでもございません」
「そう?それならいいけど」
「アルロー様、時間がありません。お急ぎください」
「はい」
リカルドに答えたのはユウタ一人。
タリダスは答えない。
「タリダス。大丈夫?」
「大丈夫です。すみません」
「あまり無理しないでね」
「無理なんてとんでもありません。ユータ様、足元に気をつけて」
「うん、ありがとう」
リカルドが前を歩き、その後をジニー。そしてユウタ。最後尾はタリダスと並び、狭い通路を歩いていく。
アルロー自身、この道は確認するために一度だけ通ったことがあった。なのでユウタにとっては記憶で見たことのある道だった。しかし、実際彼が通ったわけではないので、不安は沸き起こる。細い一通路で、光はほどんどない。不安をごまかくすように歩いているとそっと手を掴まれた。
「タリダス?」
「私がついています」
「ありがとう」
手から温もりが伝わり、ユウタの不安が安堵に変わる。
そうして、目的地に到着するまでタリダスはユウタの手を握り続けた。
「到着しました」
行き止まりまで来てリカルドがそう言うと、タリダスはユウタの手を離す。
リカルドが通路の上を何度が叩くと、急に明るい光が差し込んだ。
顔を見せたのは、現国王のロイだった。
「父上……」
今にでも泣きそうな顔でロイに見つめられ、ユウタの胸が痛む。
何かを言わなければと思っているとリカルドが声を発した。
「まずはお三方をお部屋に案内しましょう」
「そうだな」
リカルドにそう言われ、ロイは我に返る。
そうして、四人はロイの私室へ入った。
「父上、いや、ユータ。よく来てくれた」
ロイはハルグリアの現国王である。
しかしユウタは異世界の者。そして前王アルローの生まれ変わり。なので、王の目前の椅子に腰かけることをいさめるものはいなかった。
「陛下。このような形で僕たちを呼んだのはなぜですか」
ユウタはロイに静かに問いかける。
そこに恐れる態度はなく、タリダスはユウタの変わりようにさらに驚いた。まるでアルローのような振る舞い。タリダスはアルローの意識がが出てきたのかと、彼を凝視する。
するとその視線に気がついたユウタがタリダスへ目配せする。まるで大丈夫と問うような視線にはユウタらしさがある。それを見てタリダスは安心し、そんな自身に嫌気がさした。
「ユータ。私は、あなたにお話したいことがあります」
ロイは口火を切る。
その口調は明らかにアルローに話しかけているもので、ユウタは背筋を伸ばす。
「ユータ、いえ、父上。私は王にはふさわしくありません。どうか、私の代わりに王におなりください」
「何を言って!」
驚愕したのはユウタだけではない。
リカルドすら初耳だったらしく、表情が険しい。
タリダスは目を伏せ、ジニーは無表情を保っている。
「私は、己の出生を知っております。だから、私は王にふさわしくないのです」
「ロイ。あなたは……」
ユウタの顔が苦しげに歪む。対するロイは頭を抱えている。
「あなたには王としての素質があります。だからこそ、ハルグレアは平和で豊かだ」
「それは父上の教えを守っているからです」
「フロランの補佐も的確だろう?」
「はい。それはもちろん」
ロイはフロランの名を聞くと一瞬眉をひそめたが、すぐに彼を認めるような発言を返す。
「父上。私は私が許せません。本来ならばあんなに早く逝くことはなかった。あの時、私が知っていれば」
「ロイ。その話はもうしなくていいから」
ユウタはいつの間にかアルローとして話していた。それはアルローの意識が体を使ってるということではなく、ユウタ自身の言葉だった。
「私は王にはふさわしくありません。だから私は聖剣を抜くことができないのです」
「宰相閣下!今、陛下は来客中です。宰相閣下!」
急に扉の外から言い争う声が聞こえたきた。
そしてその騒ぎの元はすぐに部屋の中に入ってくる。
「陛下、私に内緒でアルロー様と会おうなんて、ひどいじゃないですか」
「フロラン」
ロイは苦々しい表情をして、彼を呼ぶ。
もっとロイと話をしたかったユウタだが、気持ちを切り替えた。そうでなければフロランに揶揄(からかわ)れるだけだった。
フロランの存在を意識したタリダスは、ユウタのそばにぴったりとつき、ジニーはいつでも剣が抜けるように構えている。
「そんなに警戒されるのはさすがに傷つきますよ」
フロランは一同を見渡した後、肩をすくめた。
17
あなたにおすすめの小説
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる